NY金、連日の最高値更新 経済指標で米ドル安続くか 金価格 今週の見通し
NY金相場が連日で最高値を更新している。今週も米ドル安が続けば、ゴールドはさらに高みを目指すだろう。スポット金価格の週間見通し。

記事のサマリー
NY金相場が連日で最高値を更新している。週明けも買いでスタートした。先物価格に追随し、スポット価格も3,100ドル台へ到達した。米国市場は現在、スタグフレーションの可能性が意識されリスク回避の状況に陥っている。外為市場では米ドル安が進行している。今週の米経済指標で景気不安がさらに強まる場合、NY金相場は最高値を更新する状況が続こう。調整の反落局面では押し目買いを狙いたい。スポット金価格の週間予想レンジは3,050~3,200ドル。
目次
NY金、連日の最高値更新 トレンドフォローの買いが続く
NY金相場が連日で最高値を更新している。先週28日の市場でNY金の先物価格(6月物)は一時3,124.4ドルまで上昇し、中心限月として連日で過去最高値を更新した。
スポット金価格も騰勢を強めている。週明け31日の東京時間に3,100ドル台へ到達した。レポート掲載時点では、3,111.97ドル(IGレート)まで上昇し最高値を更新した。
週間の変動率を確認すると、NY金相場は2月最終週の調整売りをこなした後は4週連続で上昇している。2月最終週の調整売り前は、年初から8週連続で上昇した。先週28日の時点で25年1-3月期のスポット金の上昇率は17.5%まで拡大している。28日のIGコモディティレポートで述べたとおり、四半期では1986年以来の大幅上昇で終える可能性が高まっている。ゴールドはトレンドフォローの買いを意識する状況が続いている。
NY金相場 週間の変動率:年初来

ブルームバーグのデータで筆者が作成 / 3月28日時点
景気不安で米ドル安進行、今週の米経済指標次第で金はさらなる高みへ
30日のIG為替レポートで述べたとおり、外為市場では米ドル安が進行している。
先週28日の米経済指標-2月のPCEデフレーター、そして3月のミシガン大学消費者態度指数と期待インフレ率で、消費者マインドの低下とインフレ再燃の可能性が高まっていることが確認された。
インフレの再燃は米10年債利回り(以下では長期金利)の上昇要因である。しかし、この日の長期金利は低下で反応した。そして週明け時間外では、4.2%の水準を下抜ける局面が見られた。景気の動向を織り込んで動く米長期金利の低下は、インフレの再燃による景気の減速-スタグフレーションを意識した動きと考えることができる。
長期金利の低下は、米ドル安の圧力を高めている。ゆえに今の米ドル安の要因は、景気不安にあると考えることができる。
米国の10年債利回り:15分足 3月27日以降

出所:TradingView
この状況で今週の米経済指標、特に3月のISM指数と雇用統計でも景気不安があおる内容が続けば、米国市場では株安と金利の低下がさらに進行することが予想される。現状、リスク回避(株安)の局面でも米ドルの買い戻しは限定的である。よって、現在のリスク回避相場では米金利の低下の方が意識され、外為市場では米ドル安優勢の状況が続く展開が予想される。
現在、米ドルのトレンドを示すドル指数(DXY)は、200日線を完全に下方ブレイクしている。米ドル安の進行に伴い、スポット金価格は3,100ドルを視野に上昇幅が拡大している。上で述べた米経済指標が総じて予想を下回る場合、ドル指数は103.20のサポート水準を下方ブレイクし、昨年9月の安値と今年1月の高値のフィボナッチ・リトレースメント76.4%戻しの水準102.52ポイントを視野に下落幅が拡大する展開を想定したい。
米ドル安が続けば、今週の金価格は以下にまとめたレジスタンスラインのトライを想定したい。
ドル指数とスポット金価格:日足 2024年9月以降

出所:TradingView
金価格の週間見通しと注目のテクニカルライン
難なく3,100ドル台へ到達、一気に3,200ドルが視野に入る可能性も
日足のMACD、DMI、ADXのトレンドはスポット金価格(以下では金価格)の強気相場に勢いがあることを示唆している。上で述べた景気不安による米ドル安の進行も考えるならば、今週の金価格は引き続き上値のトライを意識したい。予想レンジの上限は3,200ドル。この水準をトライするサインとして、以下にまとめたレジスタンスラインの攻防に注目したい。
今日の東京時間に金価格は3,100ドル台へ上昇した。今週も強気相場の維持を想定し、まずはフィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準3,116ドルの突破を確認したい。
今年の週間変動幅を確認すると、先週28日の時点で50ドルを超す週が6回あった。60ドル超は4回あった。最も上げ幅が拡大したのが3月の第2週目だった。この時の上昇幅はは75ドルだった。先週末のIGレートの終値3,085ドルから50ドル上の3,135ドル、60ドル上の3,145ドル、そして75ドル上の3,160ドルを今週のレジスタンスラインと想定したい。
今週の米ISM指数や雇用統計がことごとく市場予想を下回る場合は、米国市場でリスク回避相場の進行が予想される。このケースでの金価格は3,160ドルを一気に上方ブレイクし、3,200ドルを視野に上昇幅が拡大する可能性がある。この水準を今週の予想レンジの上限と想定したい。なお、テクニカルの面で3,204ドルはフィボナッチ・エクステンション100%の水準にあたる。
レジスタンスライン
・3,204:予想レンジの上限、エクステンション100%(日足)
・3,160:レジスタンスライン
・3,145:レジスタンスライン
・3,135:レジスタンスライン
・3,116:フィボナッチ・エクステンション76.4%(日足)
調整の反落局面では3,050ドルの維持が焦点に
現在の金価格は、上昇の過熱感が意識されやすい状況にある(15分足チャートのストキャスティクスとRSIを参照)。今週の米経済指標で景気不安が後退する場合は、調整売りを想定したい。
だが今の地合いの強さを考えるならば、下落幅は限定的となろう。ゆえに、金価格の反落局面では押し目買いを狙いたい。今週の予想レンジの下限は3,050ドル。3,057ドルは3月20日の高値でありサポート転換の可能性がある。また今日現在、サポートラインとして意識されている日足の一目転換線が3,055ドルまで上昇している。
金価格が3,050ドル台をトライするサインとして、サポートラインへ転換する可能性がある3,085ドルと3,065ドルの攻防に注目したい(15分足チャートを参照)。
サポートライン
・3,085:サポートライン(15分足)
・3,065:サポートライン(15分足)
・3,057:3月20日の高値(日足)
・3,055:一目転換線(日足、レポート掲載時点)
・3,050:予想レンジの下限(15分足)
金価格のチャート
日足:24年12月以降

出所:TradingView
15分足:3月26日以降

出所:TradingView
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