米FOMC議事録の内容に注目 / ドル円とユーロドルのチャートポイントについて
サマリー:『今週は米FOMC議事録の内容に注目。調整の米ドル売りは見られるだろうがドル高基調は変わらず。ドル円とユーロドルのチャートポイントは?』。詳細はマーケットレポートをご覧ください。
米FOMC議事録の内容に注目
今週の7日に米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録(6月15-16日開催分)が発表される。焦点は、資産購入額の縮小(テーパリング)にかんする議論の詳細である。多くのメンバーが景気の回復や加速するインフレ(5月のコアPCEは前年比で3.4%まで上昇)を理由に、早期のテーパリングについて前向きに議論していたことが判明する場合、外為市場では米ドル買いの圧力が高まることが予想される。
米サンフランシスコ地区連銀のデイリー総裁はAP通信のインタビューに対して、「今年の後半もしくは来年はじめにもテーパリングを検討することが適切」と発言したとの報道がある。デイリー総裁はFOMCで投票権を持つ。
先週2日、米雇用統計(6月)が発表された。発表の後、米国市場は株高、金利低下の展開となった。外為市場では米ドル安優勢となった。これらの動きは、テーパリングに対する警戒感が一時的に後退したことを示唆している。
しかし、FOMC議事録でテーパリングの観測が浮上すれば、再び米ドル買いの圧力が高まることが予想される。
ドル円の焦点
今週のドル円(USDJPY)は、110.40-111.70のレンジをどちらにブレイクするか?この点に注目したい。
コロナワクチンの供給や金融政策の正常化レースで米国(FRB)がリードしている状況を考えるならば、ドル円の基調は上値トライにある。
上値の焦点は、このレポートで何度か指摘している111.70レベルの突破となるか?この点にある。先週は、この水準の手前で見事に上値が抑制された。
111.70レベルの突破は、112円トライのシグナルと想定しておきたい。今週6日の6月ISM非製造業景況指数が市場予想を上回るか、上で述べたFOMC議事録でテーパリング観測が高まる場合、ドル円の上昇幅が拡大する展開を想定しておきたい。
一方、調整の米ドル売りが続く場合は、短期サポートラインと110.40レベルが焦点となろう。
米ドル安の局面では、米株高および金利の上昇が抑制される展開が予想される。この局面では円安の圧力も高まることが予想される。
よって、米ドル安と円安の圧力がぶつかり合うことで下落幅は限定的となろう。110.40をブレイクする局面があっても、110円を一気にブレイクする可能性は低いと予想する。
ドル円のチャート
ユーロドルの焦点
今週のユーロドル(EURUSD)は、調整の反発を挟みながら下値をトライする展開を予想する。
2日の日足ローソク足は、長い下ヒゲ付きの陽線引けとなった。1.18台(フィボナッチ・リトレースメント76.4%)をかろうじて維持した状況も考えるならば、今週も1.18前半ではユーロ買いの展開が見られよう。
だが、21日EMA(1.1961レベル)はおろか、10日EMA(1.1899レベル)すら突破できない今の状況を考えるならば、反発の局面でも1.18ブレイクを常に意識する局面にある。
1.17台の攻防へシフトする場合は、4月5日の大陽線安値1.1736レベルの攻防となるか?この点に注目したい。この水準をも下方ブレイクするならば、1.1700のトライを想定しておきたい。
一方、反発の局面では、上で述べた2つのEMAの攻防に注目したい。
またチャートポイントでは、先月後半からローソク足の実体ベースで上値を抑制している1.1940レベル、およびローソク足の上ヒゲで相場の戻りを抑制した経緯がある1.1970レベルの攻防に注目したい。
ユーロドルのチャート
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