米金利の上昇をサポートする材料 /ドル円とユーロドルの焦点
今日のポイント:『米金利の上昇トレンドをサポートする材料は、良好な指標データとバイデン政策の実行にある。目先は後者の動向に注目したい。ドル円とユーロドルのチャートポイントは?』詳細はマーケットレポートをご覧ください。
米金利の上昇をサポートする材料
昨日の米長期金利(以下では米金利)は、1.16%台まで上昇する局面が見られた。米金利の上昇基調を背景に、米ドル相場も堅調地合いを維持した。
ドル円は、昨年11月11日以来となる105.56まで上昇した。ユーロドルは節目の1.20をブレイクし、安値1.1956まで下落する局面が見られた。
米ドル相場のトレンドは米金利に左右される状況が続いている。その米金利は、昨日1.16%台まで上昇後、1.13%台まで低下する展開となった。この動きを見る限り、やはり1.2%に近づくにつれて米債の投資妙味の方が強く意識されていることがわかる。
だが、イールドスプレッドがスティープ化していることを考えるならば、米金利は1.2%の水準を突破する可能性が徐々に高まっている。
1.2%を突破する材料として注目すべきは、景気の回復を示す指標データとバイデン政策の実行となろう。
目先注目したいのは後者である。1.9兆ドル規模の経済対策の実行に向けて、バイデン大統領と民主党は財政調整措置(上院100議席中51議席の単純過半数で可決できる措置)による法案可決を目指すとの報道がある。
規模の面で共和党との紆余曲折はあるだろうが、巨額の経済対策が実行されるとわかれば、米債市場では将来の景気回復とそれに伴うインフレの上昇が意識されよう。米金利にはさらに上昇圧力が高まろう。
米金利(イールドスプレッド)のチャート
ドル円の焦点
ドル円は続伸基調を維持してる。筆者は調整の反落を予想していたが、それに反し昨日は105.56レベル(200日MAレベル)まで上昇した。
今日も米金利の動向によってドル円のトレンドは左右されるだろう。
その米金利のトレンドは、1月雇用統計の内容で左右される可能性がある。今回の雇用統計が労働市場の改善を示す内容となれば、上述したとおり景気の回復とインフレ期待を背景に米金利の上昇基調が続くと予想する。
このケースでのドル円の焦点は、昨年11月上旬の戻り高値105.65レベルの突破と106円台への上昇となろう。106円台へ上昇する場合は、昨年6月高値109.84と今年1月安値102.57の半値戻しの水準106.20レベルをトライするかどうか?この点に注目したい。
一方、雇用統計が総じてさえない内容となれば、米金利の上昇圧力がひとまず後退することで、ドル円は調整の反落を想定したい。
このケースでの焦点は105円台の維持となろう。米株高トレンドが続いていることを考えるならば、今日以降105円をブレイクする展開となっても下落幅は限定的と予想する。テクニカル面では89日MA(104.27レベル)がレジスタンスからサポートへ転換するかどうか?この点に注目したい。
ドル円のチャート
ユーロドルの焦点
一方、ユーロドルは予想通り1.20ブレイクの展開となった。ストキャスティクスやMACDでは売られすぎのシグナルが点灯している。また、昨日の下落は一目雲の下限で止められた。
これらテクニカルの動向を考えるならば、調整のユーロ買い/米ドル売りの土台は整っている。実際に調整相場となるかどうかは、ドル円と同じく米金利の動向次第となろう。
米金利が低下する場合は1.20台の回復が焦点となろう。1.20台の攻防へシフトする場合は、昨日の大陰線高値1.2042および1.2050レベルのトライが焦点となろう。これらの水準で上値が抑制される場合は、ユーロドルの地合いの弱さを市場に印象付けよう。
一方、米金利が上昇基調を維持する場合は、一目の雲を下方ブレイクする展開を予想する。このケースでは、昨年の後半に何度か相場の上昇を抑制した1.19のトライが現実味を帯びてこよう。1.1900にはビッドが観測されている。
ユーロドルのチャート
ユーロドルのトレンド
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