メタ株、一時15％高　初の配当と好決算で　中国からの広告増が貢献

フェイスブックなどを展開するSNS大手のメタ・プラットフォームズが１日の取引時間終了後に発表した2023年10-12月期決算は市場予想を上回る好決算だった。同時に上場以来初めてとなる配当金の支払いも発表。メタの株価（META）は時間外取引で一時、終値よりも約15％高い水準で取引された。中国からの広告出稿が増加したことが増収に寄与したという。2023年に進めた効率化は投資拡大への余裕を生んでおり、マーク・ザッカーバーグCEOは引き続き人工知能（AI）などへの投資を続ける方針だ。

メタの10-12月期決算は総収入が24.7％増の好決算

メタの10-12月期決算は、総収入が前年同期比24.7％増の401.11億ドル。1株当たり利益（EPS）は前年同期の約3倍にあたる5.33ドルだった。LSEGによると、直前の市場予想は総収入が391.17億ドル、1株当たり利益が4.97ドル。発表された総収入は市場予想を約2.4％、1株当たり利益は約3.3％上回っており、投資家の期待を超える好決算だったといえる。

またメタは決算発表と同時に、1株当たり0.50ドルの配当金の支払いを発表。2月22日時点での株主に対して、3月26日に支払う。今後も市場環境に応じて四半期ベースでの配当を続ける方針だという。

中国発の広告出稿が成長を後押し

好決算を受けてメタ株は1日の時間外取引で450ドル超で取引されている。1日の終値（394.78ドル）よりも約15％高い水準だ。メタ株は2023年に株価が約3倍に急騰。さらに2024年に入ってから1日の終値までに11.53％上昇していた。好決算と配当開始が株主に歓迎されたことで、株価上昇がさらに勢いづいたといえる。

メタの好決算は総収入のほぼすべてを占める広告事業の好調さの表れだ。10-12月期のフェイスブックやインスタグラムなどのアプリでの広告表示数は前年同期比21％上昇。平均広告単価も2％増加した。2023年通年でみると、アプリからの収入は前年同期比16.2％伸びている。スーザン・リーCFOは決算会見で、「2023年の収入のうち10％は中国に拠点を置く広告主からの出稿によるものだった」と述べ、中国発の広告が伸び率を5％ポイント押し上げる効果があったという。

またメタは2024年1-3月期の総収入の見通しとして345億-370億の水準を示した。市場予想の約338億ドルを上回っている。

ザッカーバーグ氏は2023年を「効率化の年」と位置づけ、大規模な人員削減などを行ってきた。2023年通年での営業利益率は34.7％で、2022年の24.8％から大きく上昇している。ザッカーバーグ氏は決算会見で効率化の結果、「業務をよりよく、迅速に実行することができるようになった」と評価。さらに2023年は対話型SNSのスレッズやヘッドセット型端末「メタ・クエスト3」などの投入で収益基盤を拡大できたとも述べ、今後、AIや仮想空間事業への投資を続けていく考えを示した。