マイクロソフト株、一時6%高 クラウド成長加速 今期は減速見通し
マイクロソフトの1-3月期決算は市場予想を超える好決算。ただしAIサービスの供給能力や収益性といった新たな課題も浮上している。
マイクロソフトが25日の取引時間終了後に発表した2024年1-3月期決算は市場予想を超える好決算だった。成長性が期待されているクラウド事業の収入も伸び率が加速し、投資家にとって安心材料となった。25日の時間外取引ではマイクロソフトの株価は一時6%超の上昇をみせた。ただしAIサービスの提供供能力の不足もあり、4-6月期についてはクラウド事業の成長は鈍化する見通し。2025年度の利益率はわずかならがも低下が見込まれており、今後の課題が浮上する形となった。
マイクロソフトの1-3月期決算は市場予想を超える好決算
マイクロソフトの1-3月期決算は総収入が前年同期比17.0%増の618.58億ドル、1株当たり利益(EPS)が20.0%増の2.94ドルだった。LSEGがまとめた直前の市場予想は総収入が608.04億ドル、1株当たり利益が2.82ドル。発表された実績はいずれも予想を超える好決算だった。ただし総収入と1株当たり利益の伸び率は10-12月期の実績から減速している。
また人工知能(AI)サービスの提供基盤となっているクラウド事業の収入は267.08億ドルで、前年同期比20.95%増。10-12月期の伸び率(20.33%増)を上回った。市場予想の262.38億ドルも超えており、投資家の期待に応えられたといえる。
こうした決算発表を受けて、25日の時間外取引ではマイクロソフトの株価(MSFT)が一時、423ドル台後半をつけた。25日の終値(399.04ドル)との比較では、6%超の値上がりとなる水準だ。その後は416ドル台での取引が続いた。
クラウド事業の見通しには供給力不足の問題も影響
ただしクラウド事業の成長の見通しには新たな障壁も浮かんできた。エイミー・フッドCFOはクラウド事業に関連し、「AIサービスへの短期的な需要は、われわれの供給能力をわずかに超えている」と言及。こうした状況が4-6月期の業績に「小さいながらも」影響を与えると説明した。こうした中、マイクロソフトは4-6月期のクラウド事業の収入について284億-287億ドルとの見通しを示した。中間値(285.50億ドル)は前年同期比18.99%増にあたる水準で、1-3月期から成長が鈍化する見通しだ。
また、マイクロソフトは2025年度(2023年7月-2024年6月)の営業利益率は前年度から低下するとみている。AIへの積極的な投資やゲームソフト大手アクティビジョン・ブリザードの買収の影響を考えれば、「約1ポイントのわずかな低下」だと説明しているが、24日のメタ・プラットフォームズ(META)の決算では設備投資費用の増加が投資家の不満を招いただけに、AIサービス拡大と収益性確保の両立が今後の課題といえそうだ。
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