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日本株上昇停止 日経平均11週連続高に失敗 ロシア武装蜂起の影響は?

日経平均の週次での上昇が10連続で止まった。欧米の利上げ姿勢が影響しており、週末のロシア武装蜂起の影響も注目される。

出所:ブルームバーグ

急上昇を続けてきた日本株が変調をきたしている。23日の日経平均株価の終値は1週間前比で900円超のマイナス。外国人投資家の買い越しに支えられてきた4月半ばからの週次の連続上昇記録は10週で途絶えた。26日以降の金融市場では、週末に起きたロシア国内での武装蜂起の影響も注目される。日本株の先行きは、英国をはじめとする欧米の中央銀行が利上げ姿勢を強調してきたことなどでも不透明になってきた。海外の利上げが世界的な経済活動や企業業績を減速させる可能性が改めて意識されれば、日本株への下落圧力も増すことになりそうだ。

日経平均は1週間で900円超下落

日経平均の23日の終値は前日比483.34円安の3万2781.54円。1週間前(16日)の終値と比べると924.54円安という水準だ。日経平均は3月下旬から始まった海外投資家の日本株買い越しを背景に、4月10-14日週から10週連続の上昇を続けてきた。6月23日の終値は依然として4月7日比で5263.23円(19.1%)高という高水準だが、これまでのような一本調子の上昇は難しくなっている。

日経平均株価と海外投資家の買い越し額の推移

ロシア国内の武装蜂起は沈静化へ

6日以降の金融市場の先行きは、2022年2月にウクライナに侵攻したロシアの政情不安が週末に急激に緊張したことでも見通せなくなった。ロシアの民間軍事会社のワグネルが24日、セルゲイ・ショイグ国防相らへの不満を露わにしてモスクワへの進行を開始。これに対してウラジミール・プーチン大統領がワグネルの行為を反逆罪として批判する声明を発表し、「ロシア内戦」の可能性が高まったためだ。

その後、ワグネルは24日中に進行を停止。ロシア政府もワグネル創業者のエフゲニー・プリゴジン氏への刑事訴追を取り下げ、事態は沈静化に向かった。戦火がウクライナ国内からロシア国内まで広がる展開にならなかったことは安心材料ではあるが、ロシア国内の政情不安の高まりは今後の投資家心理にマイナスの影響を及ぼす可能性がある。

欧米の中央銀行は相次ぎ利上げ姿勢を強調

投資家心理の冷え込みが懸念される背景には、欧米の中央銀行の利上げ姿勢もある。英国の中央銀行は22日、前日に公表された消費者物価指数の上昇を受け、0.5%の利上げを決定。米連邦準備制度理事会(FRB)も6月の利上げは見送ったものの、ジェローム・パウエル議長は21日と22日の議会証言で、改めて年内に2回の利上げを行う可能性を強調している。欧州中央銀行(ECB)も15日に利上げを決めた際、物価見通しを引き上げ、7月の追加利上げを示唆した。世界的な金利上昇が企業活動にマイナスとなる可能性が意識され、23日の米国の株式市場ではS&P500種株価指数が値下がり。この1週間では1.4%安となり、6週連続での値上がりはならなかった。

また中国経済をめぐっては、中央銀行の中国人民銀行が20日に10か月ぶりの利下げを決定。しかし利下げ幅が市場の想定よりも小さかったことから、景気刺激策として不十分だとの見方もある

一方、金融情報会社リフィニティブのデータによると、23日のニューヨーク外国為替市場ではドル円相場(USD/JPY)が1ドル=143.68円で取引を終え、前日比で0.57円の円安ドル高が進んだ。円安ドル高は2022年11月10日以来の水準で、海外投資家にとっては引き続き、日本株を割安に買える状況が続いている。世界的に経済の先行き不透明感が強まる中で、海外投資家が日本株への評価をどう下すかが、26日以降の日経平均の先行きを左右しそうだ。


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