日経平均、下半期に不安 第1週で800円安 S&P500も下落
日経平均株価は2023年下半期の出だしでつまづいた。今後、米国株安や円高ドル安が進めば、不安材料として意識されそうだ。
日経平均株価が2023年下半期の出足でつまづいた。7日の日経平均の終値は1週間前比で800円超安で、2週前に次ぐ大幅な下落。上半期の27%高という好調さが下半期にも引き継がれるとの期待はいきなり不安にさらされる結果となった。背景には米国経済の先行き不透明感があり、米国のS&P500種株価指数も下半期第1週は下落で取引を終えている。また、7日の日本市場の取引終了後に発表された米国の6月の雇用統計は事前予想より弱い結果で、円高ドル安が急進した。ドル円相場の潮目が変われば、海外投資家の買いが鈍る可能性もあり、日経平均にとってマイナス材料になるおそれもある。
日経平均の上半期の勢いにかげりか
日経平均の7日の終値は前日比384.60円安の3万2338.42円。上半期末と重なった前週末の終値との比較では800.62円安(2.4%安)だ。日経平均は4月半ばから10週連続で上昇した後、6月19-23日週に924.54円安を記録。6月最終週はプラスに転じて、上半期の上昇率が10年ぶりの高さとなる27.2%となったものの、下半期第1週は勢いのかげりを感じさせる結果となった。
日経平均の重荷となっているのは米国経済の動向だ。このところ米国の金融市場では、物価上昇率の高さを警戒する米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げを続けるとの観測が強まり、金利水準が上昇している。金融情報会社リフィニティブのデータによると、2年物米国債の利回りは6日に5.006%となり、10年物の利回りも4%台に乗った。
金利水準の上昇は、上半期に歴史的な値上がりをみせた米国株にとって逆風となる。金利が高くなれば、企業や個人の経済活動が弱まると同時に、投資先としての株式の優位性が薄れる可能性も高まるからだ。S&P500は7日まで3日続落し、下半期第1週は1.2%下落となった。
米国の雇用統計は事前予想を下回る弱さ
こうした中、日本時間の7日午後9時30分に発表された米国の6月の雇用統計は、非農業部門の就業者数が前月比20.9万人増となり、事前予想の22.5万人増を下回った。さらに4月と5月の数字はそれぞれ7.7万人と3.3万人分、下方修正されており、米国経済の底堅さがこれまでの印象ほどではなかったことが示された。
これを受けて、7日の2年物米国債の利回りは4.9%台に下落。10年物の利回りも微増にとどまった。金利の先高観が緩んだ形で、米国株にとっては好材料だ。一方、ニューヨーク外国為替市場のドル円相場(USD/JPY)は7日、142.07円で取引を終え、前日よりも1.99円の円高ドル安が進んだ。ドル円相場は1月半ばの127円台から6月末の145円台まで円安ドル高が進み、海外投資家の日本株買いの要因のひとつになっていただけに、7日の円高方向への動きは今後の日経平均の先行きを不安視させる材料となりえる。
2023年上半期は日米ともに株価が好調だったが、米国の物価上昇という弱みが解消されないままの動きだった。米FRBの利上げがいずれは株価の足を引っ張ることは避けられないとみられ、先行きの不透明感はぬぐえそうにない。
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