英中銀の0.5%利上げも 5月CPIが市場予想超え ポンド円が高値へ
英国の5月のCPIは市場予想を超える強さで、BOEが22日に0.5%の利上げを発表するとの観測が浮上。ポンド円は高値をうかがっている。
英国の中央銀行のイングランド銀行(BOE)が22日に0.5%の利上げを発表する可能性が浮上している。21日発表の5月の消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回る強さだったことを受け、金融市場では4割程度の確率で0.5%利上げもあり得るとみられ始めた。21日のポンド円相場ではポンド買いが強まり、一時、181円台半ばまで上昇する場面も。BOEの22日の発表では、今後の物価や政策金利についてどのような見通しを示すかも焦点となりそうだ。
BOEは日本時間22日午後8時に政策金利を発表
BOEは22日正午(日本時間22日午後8時)に6月の金融政策委員会(MPC)の結果を発表する。金融情報会社リフィニティブのデータによると、0.5%の利上げについて、投資家の動向から算出される確率は日本時間21日午後5時前の段階で約40%。一方、0.25%の確率は約60%となっている。ロイター通信が14日に行ったエコノミスト調査では、64人全員が0.25%の利上げを見込んでいた。
利上げ幅の予想が大きくなった要因は、21日に発表された5月のCPIが想定以上に強かったことだ。総合指数の伸び率は前年同月比8.7%で、直前の市場予想の8.4%を上回る結果。エネルギーと食品、酒類、タバコを除いたコア指数は7.1%の伸びとなり、こちらも市場予想(6.8%)を上回った。4月の実績は総合指数が8.7%、コア指数が6.8%だった。
5月のCPI発表後に円安ポンド高が進行
こうした結果を受けて、ポンド円相場(チャート)では円安ポンド高が進行。一時、1ポンド=181.6円程度まで値上がりした。CPI発表直前よりも0.8円程度、ポンドが買われた形だ。リフィニティブによると、ポンド円相場は20日に7年半ぶりの水準となる182.11円をつけており、高値更新をうかがう値動きとなっている。
BOEが22日に0.5%の利上げを発表した場合は、円安ポンド高を推し進める可能性がある。また、BOEがMPCの結果発表に際して、物価や政策金利の見通しについて、どのようなメッセージを出すかも注目点だ。BOEは5月に発表した経済見通しで、2023年4-6月期のCPI総合指数の伸び率が8.2%になると見込んでいたが、4月と5月の実績からは物価上昇が予想よりも上振れている様子も感じられる。6月のMPCの声明文や議事要旨からこれまでの利上げにも関わらず物価上昇がおさまっていない状況への警戒の強まりが感じられれば、さらにポンド高圧力が増すシナリオも考えられそうだ。
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