【ポンドドル (GBPUSD)】目先の注目材料は9月CPI、今日の見通しとチャートポイント
強い経済指標を受け、米債市場では利回りが高止まりの状況にある。今日は、英国の9月消費者物価指数(CPI)が発表される。米ドル高トレンドが続いているタイミングでインフレの鈍化傾向が確認される場合、ポンドドル(GBPUSD)は下落トレンドの維持を想定しておきたい。一方、ポンドドルの反発局面で注目しておきたいチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。
サマリー
・強い経済指標を受け、米金利は高止まりの状況にある
・ドルインデックスの反落局面では、いつくかのテクニカルポイントの攻防が焦点に
・今日のポンドドルは、9月CPIで上下に振れる展開が予想される
・ポンドドル、注目しておきたい上下のチャートポイントについて
強い経済指標で米金利が上昇
米商務省が17日に発表した9月の小売売上高(速報値、季節調整済み)は、前月比で0.7%増と、市場予想の0.3%増を上回った。
一方、変動の大きい項目(自動車・同部品、ガソリンスタンド、建材、飲食サービス)を除いたコアの売上高も同比で0.6%増と、市場予想の0.1%増を大きく上回り、米国の個人消費の底堅さがあらためて確認された。
米国 小売売上高の動向:月次 23年以降
9月小売売上高の強い内容を受け、この日の米債市場では利回りが上昇した。
米金融政策の方向性を織り込んで動く2年債利回りは一時、2006年7月以来となる5.237%まで上昇する局面が見られた。この反応は、連邦準備制度理事会(FRB)が長期にわたり政策金利を高水準で維持する可能性を強く意識していることを示唆している。
一方、10年債利回りは、今月6日以来となる4.857%まで上昇する局面が見られた。
米金利のチャート:5分足 昨日の欧州時間以降
米ドル高のトレンドを意識する状況が続いているが
米金利の高止まりや上昇基調の維持は、米ドル相場のサポート要因である。事実、昨日の米ドルは主要通貨で上昇した。しかし、上昇幅は限定的であり、対豪ドルやユーロでは下落した。
米ドル相場の動向:10月17日
米ドル相場の方向性を表すドルインデックス(DXY)は、IG為替レポートで何度か取り上げている21日線(今日現在106.20レベル)と上昇基調のトレンドチャネルの下限(今日現在106.25レベル)を維持した。
個人消費の底堅さが確認され、米金利が高止まりしている状況も考えるならば、外為市場では現在の米ドル高がどの水準まで進行するのか?この点を意識する状況が続くだろう。
米ドル高が進行する場合は、107ポイント台への再上昇と、今月3日の高値水準107.35レベルのブレイクアウトが焦点として浮上しよう。
しかし、昨日のように米金利が上昇しても米ドル買いが限定的、という状況が続く場合は、米ドル相場のトレンド転換が近づいているシグナルの一つとして注目しておきたい。
ドルインデックスが下値トライとなる場合、テクニカルの面で10月の反落相場を止めたフィボナッチ・リトレースメント23.6%の水準105.51レベルの攻防に注目したい。
上で述べた21日線やトレンドチャネルの下限を下方ブレイクしても、このテクニカルポイントで相場が再び反発する場合は、米ドル高トレンドが続くシグナルになり得る。
一方、ドルインデックスが105.51レベルをも一気に下方ブレイクする場合は、トレンド転換のシグナルの一つが点灯したと捉えたい。
ドルインデックスのチャート:日足 23年5月以降
ポンドドル、今日の見通しとチャートポイント
変動要因は消費者物価指数(CPI)
本日は、英国の9月消費者物価指数(CPI)が発表される。前年同月比で前月の6.7%から6.6%へ鈍化する見通しである。一方、コア指数も同比で6.2%から6.0%へ鈍化の見通しとなっている。
17日の労働関連指標では、6~8月の賃金(週平均賃金3ヶ月)が前年比で8.1%と、5~7月の8.5%から鈍化した。また、ボーナスを除いたベースでは同比で7.8%と、5~7月の7.9%(改定値)から鈍化した。
賃金インフレがようやく抑制の傾向へ転じつつあることが確認されたタイミングで、9月CPIがインフレの鈍化傾向を示す場合は、ポンド売りの展開が予想される。
英国 消費者物価指数の動向:月次 22年9月以降
下落局面での焦点は?
ポンドドル(GBP/USD)の動向を日足チャートで確認すると、今週に入り21日線(今日現在1.2200レベル)で相場の反発が止められている。
また、10月の反発局面が1.2320レベルで止められていることも分かる。この水準は、5月下旬にサポートの水準として意識された経緯がある。ゆえに、1.2320レベルはサポートからレジスタンスの水準へ転換する可能性がある。さらに今日現在、下落基調のトレンドチャネルの上限が1.2320レベルと交錯する。
日足のMACDではゴールデンクロスが確認されているが、反発に勢いが見られずゼロライン以下での推移が続いている。
上で述べた21日線や1.2320レベル(トレンドチャネルの上限)を完全に突破出来ない状況が続く限り、ポンドドルは下値トライを警戒しておきたい。
ポンドドルのチャート:日足 23年5月以降
9月の消費者物価指数(CPI)でインフレの鈍化傾向が確認されポンド売りの圧力が高まる場合、目先の焦点は、今月13日のNY時間に相場をサポートした経緯のある1.2120レベルの攻防となろう。
1.2120レベルの下方ブレイクは、1.2100トライのシグナルと想定しておきたい。この水準は、レジスタンスからサポートの水準へ転換した経緯がある。
ポンドドルが1.20台の攻防へシフトする場合は、直近の安値1.2038レベルを視野に下落トレンドの継続を意識したい。
ポンドドルのチャート:1時間足 10月以降
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