ユーロドルの見通しとテクニカル分析について
ユーロドルは調整の反落相場にある。しかし上昇トレンドは続くと予想する。その理由は?目先、注目のチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。
※日銀イベントの焦点とドル円の見通しについてはこちらのレポートをご覧ください
調整ムードのユーロドル
3月の米雇用統計で労働市場の堅調さが確認されたことで、連邦準備制度理事会(FRB)による利上げ観測が再び高まっている。これにより米独の利回り格差は拡大の傾向へ転じている。この動き連動しユーロドル(EURUSD)では今月5日以降、調整の反落局面にある(下チャートの青矢印を参照)。
昨日は10日MA(今日現在1.0891レベル)を日足ローソク足の実体ベースで完全に下方ブレイクした。MACDが低下トレンドへ転じ、かつデッドクロスが示現しつつある状況も考えるならば、目先のユーロドルは1.08台の維持が焦点となろう(下のテクニカルチャートを参照)。
ユーロドルと米独利回り格差のチャート
21日MAの攻防
今日もユーロドル(EURUSD)が下値トライとなる場合、焦点は21日MAの攻防となろう。この移動平均線は今日現在、1.0812レベルで推移している。21日MAの下方ブレイクは、重要サポートポイント1.08レベル(フィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準)をトライするシグナルと想定しておきたい。
ユーロドルが続落しても21日MAで反発する場合は、地合いの強さを市場参加者に意識させるだろう。それは1.08レベルの維持でも同じである。
明日以降の相場についてはアメリカ物価指標の内容次第だが、インフレの鈍化傾向が確認される場合は10日MAを難なく上方ブレイクし、今月4日の高値1.0973レベルを視野に反発することが予想される。
一方、3月のアメリカ物価指標でインフレ圧力の根強さが確認される場合は、ユーロドルの1.08ブレイクを想定しておきたい。
ユーロドルのチャート
現時点ではユーロドルの堅調地合いを予想
リスクリバーサルの動きを確認すると、ユーロドル(EURUSD)が反落するなかでも横ばい推移を維持し、再びユーロプットへ傾くムードは感じられない。ユーロ圏の景気後退懸念がひとまず後退気味であること、そして欧州中央銀行(ECB)の利上げが長期化する可能性があることも考えるならば、ユーロドルが1.08レベルを下方ブレイクし下落幅が拡大しても、中長期的には1.0973レベルや1.10レベルをトライする展開が続く可能性が現時点では高いと予想する。
ユーロドルとリスクリバーサルのチャート
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