【ユーロドル(EURUSD)】今日の見通しとチャートポイント
30日の外為市場は、欧州通貨売り優勢の展開となった。ユーロドル(EURUSD)は1.10レベルがレジスタンスの水準として意識されている。目先は調整の反落相場を意識しつつも、米ドル安の圧力が次第に高まる状況にあることを考えるならば、ユーロドルは新たなレジスタンスの水準を探る状況が続くと予想する。今日の見通しとチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。
※今日のドル円の展望については、こちらのレポートをご覧ください
サマリー
・ユーロドルは、1.10レベルが新たなレジスタンスの水準に浮上してきた
・今日も下値をトライする場合は、2つの移動平均線の攻防に注目したい
・一方、反発の局面では10日線のブレイクが焦点となろう
鈍化の傾向を辿るユーロ圏のインフレ
ユーロドル(EUR/USD)は昨日、比較的大きいな陰線が示現し、10日線(今日現在1.0927レベル)をあっさりと下方ブレイクした。
11月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値は前年同月比で2.4%と、前月の2.9%から鈍化した。変動の大きい食品やエネルギーを除くコア指数も同比3.6%と、前月の4.2%から大きく鈍化した。
域内のインフレが鈍化の傾向にあることは、欧州中央銀行(ECB)の利上げサイクル終了と利下げ政策への転換を市場参加者に意識させる要因となろう。今後、金融政策の転換が強く意識される場合は、ユーロドルの重石となる可能性がある。
ユーロ圏 消費者物価指数の動向:月次 22年11月以降
下値をトライする局面では2つの移動平均線の維持が焦点に
しかし、現在の外為市場では、連邦準備制度理事会(FRB)の利上げサイクル終了と来年の政策転換(利下げ)の方が意識され、米ドル安の圧力が高まる状況にある。よって、短期的にユーロドルは、米ドル安にサポートされる展開を想定しておきたい。
日足のストキャスティクスとRSIは、買われ過ぎの水準へ到達した後にデッドクロスの状況となり、現在は低下のムードにある(下のチャート、赤矢印を参照)。このタイミングで今日発表される米国の11月ISM製造業景況指数が強い内容となれば、米金利と米ドル相場の反発が予想される。
今日もユーロドルが下値をトライする場合は、先月22日に相場をサポートした1.0850レベルの維持が最初の焦点となろう。
ユーロドルが1.0850レベルを完全に下抜ける場合は、21日線(今日現在1.0841レベル)および200日線(今日現在1.0818レベル)の“サポート転換”が焦点として浮上しよう。
上で述べたとおり、現在の外為市場は米ドル安優勢の状況にある。ゆえに、ユーロドルが下値をトライしても、上2つの移動平均線がサポートラインとして意識される可能性がある。
なお、21日線と200日線では、ゴールデンクロスの状況が確認されている。
ユーロドルのチャート:日足 23年7月以降
反発の局面では10日線の攻防が焦点に
一方、米国の11月ISM製造業景況指数がさえない内容となれば、ユーロドル(EUR/USD)の反発要因になり得る。
このケースでは、10日線の攻防に注目したい。この移動平均線を難なく突破する場合は、新たなレジスタンスの水準として意識され始めている1.10レベルを視野に、来週以降も上値トライの状況が続くと予想する(上の日足チャート、黒矢印を参照)。
ユーロドルの反発局面でより注視すべきは、10日線がサポートからレジスタンスのラインへ転換するかどうか?である。この状況が確認される場合、来週のユーロドルは、上で取り上げた21日線と200日線をトライする展開を想定しておきたい。
10日線以外のレジスタンスポイントは?
直近高安のフィボナッチ・リトレースメント23.6%の水準1.0911レベルの突破は、ユーロドルが10日線をトライするシグナルと想定しておきたい(下の1時間足チャートを参照)。
また、10日線が推移しているすぐ上の1.0931レベルは、フィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準にあたる(下の1時間足チャートを参照)。
ゆえに、ユーロドルの反発局面では、1.0930レベルの上方ブレイクが目先の焦点ともいえる。
ユーロドルが1.09台へしっかりと反発してくる場合は、レジスタンスの水準へ転換する可能性のある1.0950レベルの攻防に注目したい(下のチャート、赤ラインを参照)。
ユーロドルがこの水準(1.0950レベル)をも突破する場合は、上で述べた1.10を視野に上昇幅の拡大が予想される。
ユーロドルのチャート:1時間足 先月28日以降
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