【ポンド円 (GBP/JPY)】新たなサポート水準の見極めが焦点に
先週21日の英中銀イベント以降、ポンドは対円で調整の反落ムードにある。この動きは、海外中銀の政策姿勢が現在の円安圧力を後退させる要因になり得ることを示唆している。今週のポンド(GBP/JPY)の焦点は?注目のチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。
サマリー
・先週の英中銀イベント以降、ポンドは対円で調整の反落ムードにある
・今週のポンド円は、新たな下値水準の見極めが焦点となろう
・下値トライの局面では、21日線と190.00の攻防に注目したい
・これらサポート水準を下方ブレイクする場合は、下落幅の拡大を警戒したい
ポンド円の下落が示唆すること
ポンド円(GBP/JPY)は現在、21日線と190.00レベルをトライする状況にある(下の日足チャートを参照)。
ポンド円のチャート:日足23年12月以降
反落相場のきっかけとなったのが、先週21日の英中銀イベントだった。
前回の会合まで利上げを主張していた二人のタカ派委員が据え置き姿勢に転じ、5回連続で政策金利が据え置かれた。このことは、英中銀がハト派姿勢へ傾いていることを市場参加者に印象付けた。
外為市場では現状、ポンド全面安とはなっていない。この状況でポンド円が下値をトライする状況にあることは、現在の根強い円安圧力を相殺する要因が、海外中銀の政策姿勢にあることを示唆している(下のチャート、赤矢印を参照)。
ポンド相場の動向:3月21日以降
今週注目しておきたい下値のチャートポイントは?
日足のストキャスティクスは買われ過ぎの水準でデッドクロスが確認された後、低下の基調にある(一番上の日足チャート、赤矢印を参照)。
円安以上にポンド安の圧力が高まっている状況も考えるならば、今週のポンド円(GBP/JPY)は新たな下値水準の見極めが焦点となろう。
日足のモメンタムは、強気相場のしぶとさを示唆する状況にある(一番上の日足チャート、緑矢印を参照)。こちらのIG為替レポートで指摘したとおり、ドル円(USD/JPY)は引き続き151.90台のトライを意識する状況にある。
また、通貨オプション市場のリスクリバーサルの動向を確認すると、1週間と1か月のそれらはポンドプットの傾きが縮小の傾向にある。現状、再びポンドプットへ大きく傾く状況も確認されていない(下のラインチャートを参照)。
これらの状況を考えるならば、ポンド円が下値をトライする局面では、冒頭で述べた21線の攻防に注目したい。この移動平均線は今日現在、190.26レベルで推移している(上の日足チャート、青ラインを参照)。
ポンド円がこの移動平均線を下方ブレイクしても、190.00前後で反発する展開を想定しておきたい。
ポンド円のリスクリバーサル:日足24年以降
短期サポートラインの下方ブレイクはさらる下落シグナルに
一方、ポンド円(GBP/JPY)が21日線や190.00レベルだけでなく、短期サポートラインをも下方ブレイクする場合は、下落幅が拡大するシグナルになり得る。
このケースでは、ポンド売りとドル円(USD/JPY)の調整(反落)相場が同時に進行していることが予想される。
ポンド円の調整(反落)相場が進行する場合は、3月上旬の下落相場を止めた188.00レベル、そしてサポート転換の可能性がある186.00レベルまでの反落を警戒しておきたい(いずれも下の日足チャートを参照)。
再掲:ポンド円のチャート:日足23年12月以降
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