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【ポンド円 (GBP/JPY)】目先は2つの移動平均線の攻防が焦点に、下値の水準はドル円次第

ポンド円(GBP/JPY)は現在、5日線と21日線の攻防となっている。どちらかの移動平均線を完全にブレイクする場合は、新たな展開へシフトする可能性がある。警戒すべきはドル円(USD/JPY)で調整相場が進行することである。その場合に注目したいチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。

出所:ブルームバーグ 出所:ブルームバーグ

サマリー

・ポンド円は現在、2つの移動平均線の攻防が焦点となっている
・上昇局面での焦点は、5日線の突破となろう
・一方、下落の局面では21日線の維持に注目したい
・ドル円で調整相場が進行する場合は、ポンド円の下落幅拡大を警戒したい


5日線の上方ブレイクに失敗

IG為替レポートではクロス円の動向に注目している。なかでもポンド円(GBP/JPY)は現在、テクニカルの面で分岐点の攻防にある。

上値の分岐点は、26日のIG為替レポートでも取り上げた5日線である。昨日は見事にこの移動平均線で反発が止められた(下の日足チャート、緑ラインを参照)。

今日現在191.30前後で推移している5日線で戻りが止められる状況が続く場合は、地合いの弱さを市場参加者に印象付けよう。

一方、ポンド円が5日線を突破しても、先週22日の高値192.23レベルで反落する展開を想定しておきたい(下の日足チャート、緑ラインを参照)。

逆にポンド円が192.23レベルの突破にも成功すれば、193.50レベルを視野に上昇幅の拡大が期待できる。

ポンド円のチャート:日足23年12月以降

ポンド円のチャート:日足23年12月以降 TradingView提供のチャートで作成

21日線の維持

だが、対米ドルで根強い円安トレンドが続いている状況を考えるならば、ポンド円(GBP/JPY)が下値トライの展開となっても、その幅は限定的となることが予想される。

通貨オプション市場でのポンド円のリスクリバーサルと予想変動率の動向を確認すると、前者に大きな変動は見られない。一方、後者の予想変動率はドル円(USD/JPY)と同じく低下基調へ転じた後は、低い水準で安定的に推移している(下のラインチャートを参照)。

日足のモメンタムは上昇幅が抑制される状況にあるが、ゼロラインを目指すムードではない。そしてストキャスティクスやRSIも明確に低下のトレンドへ転じてはいない(いずれも上の日足チャートを参照)。

上で述べた状況を総合的判断するならば、ドル円が上昇トレンドを維持する場合は、ポンド円が反落してもその幅は限定的となることが予想される。

目先は、IG為替レポートで注目している下値の分岐点、21日線の維持が焦点となろう。この移動平均線は今日現在、190.30台で推移している(上の日足チャート、青ラインを参照)。

ポンド円のリスクリバーサルと予想変動率の動向:日足23年10月以降

ポンド円のリスクリバーサルと予想変動率の動向:日足23年10月以降 ブルームバーグのデータで作成

下落幅が拡大する要因はドル円の調整相場

ドル円(USD/JPY)の上昇トレンドは、ポンド円(GBP/JPY)のサポート要因になっている。

一方、英中銀のハト派スタンス傾斜が確認されて以降、ポンドドル(GBP/USD)の上値は重い。10日線と50日線はデッドクロスを形成するムードにある(下の日足チャートを参照)。

フィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準1.2579の下方ブレイクは、サポートの転換が確認されている1.2500レベルをトライするシグナルになり得る。すぐ下の水準1.2482レベルは半値戻しの水準にあたる。

この状況で、円買い介入の警戒感や実際の円買い介入でドル円の調整(反落)相場が進行する場合、ポンド円は21日線だけでなく、190.00レベルとクロスしている短期サポートラインをも完全に下方ブレイクする展開を想定しておきたい。

ポンドドルのチャート:日足23年10月以降

ポンドドルのチャート:日足23年10月以降 TradingView提供のチャートで作成



実際にポンド円が190円以下の攻防へシフトする場合は、今月の中旬に相場をサポートした経緯のある188.00レベルのトライが最初の焦点となろう。

ポンド円が188円台をも下方ブレイクする場合は、サポートの転換が確認された経緯のある186.00レベルまでの下値トライを警戒したい。

再掲:ポンド円のチャート:日足23年12月以降

再掲:ポンド円のチャート:日足23年12月以降 TradingView提供のチャートで作成

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