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【ドル円 (USDJPY)】今日の見通しとチャートポイント

米金利の低下は日米利回り格差の縮小を促している。しかしドル円(USDJPY)は149円台へ反発し、底堅さを維持している。引き続きドル円は、2つの移動平均線の攻防に注目したい。今日の見通しとチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。

出所:ブルームバーグ 出所:ブルームバーグ

サマリー

・米金利の低下は日米利回り格差の縮小要因となっている
・しかしドル円は149円台へ反発し、底堅さを維持している
・今日も10日線と21日線、どちらを完全にブレイクするどうかに注目したい


米金利が低下しても、円安優勢でドル円は底堅さを維持

ここ数日、米連邦準備制度理事会(FRB)高官から今後の利上げ政策に関してハト派よりの発言が相次いでいる。

そして11日に公表された連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、インフレを低下させるために景気抑制的な政策を当面維持すべきとの認識で一致した一方、経済見通しについては不確実性が依然として高いとした。

そして、今後の政策についてはデータ重視でリスクのバランスを考慮しながら慎重に進める必要があることも確認された。

FOMC議事要旨の内容に対して、米長期金利(10年債利回り)は低下で反応した。

米金利の低下基調を受け、日米の利回り格差は縮小の傾向にある。特に長期金利(10年債利回り)格差の縮小が進んでいる(チャートの赤ラインを参照)。

日米利回り格差のチャート:日足 23年5月以降

日米利回り格差のチャート:日足 23年5月以降 TradingView提供のチャートで作成


しかしドル円(USD/JPY)は昨日、149円台へ上昇した(高値149.32レベル)。

ドル円が底堅さを維持した理由が、根強い円安の圧力である。11日の円相場のパフォーマンスを確認すると、対米ドルだけでなく他の主要通貨でも円安優勢となったことが分かる(下のパフォーマンスチャートを参照)。

中東情勢のさらなる緊張がひとまず後退していること(リスク回避ムードがひとまず後退していること)、そして世界の主要な株価指数が上昇したことが円安の要因と考えられる。

また、日銀の金融政策正常化に向けた動きが後退していることも円安の要因と考えられる。FRBの利上げサイクルは終了局面にある。だがしばらくの間、FRBは政策金利を高水準で維持する(利下げ政策へ転じる時期が後ずれする)可能性が高い。

ゆえに、日米どちらかの中銀が明確に政策転換へ舵を切るまで、ドル円の下落局面では政策スタンスの差がサポート要因として意識され続ける状況を想定しておきたい。

円相場の動向:10月11日

円相場の動向:10月11日 ブルームバーグの為替データをもとに作成

ドル円、今日の見通しとチャートポイント

下値の焦点は21日線の攻防
米金利が低下基調へ転じていることを重視し、筆者はドル円(USD/JPY)が調整の反落相場へ転じることを想定している。
ドル円が底堅さを維持しても10日線(今日現在149.02レベル)を完全に突破しきれない状況も、調整相場の可能性を示唆している。

しかし現在のドル円は、21日線がサポートラインとして意識されている。ゆえに、ドル円が調整の反落相場へ転じるシグナルとして、この移動平均線を完全に下方ブレイクすること、そして反発の局面で21日線がレジスタンスのラインとして意識される状況が確認されることを確認したい。

上で述べた2つの状況が確認される場合は、昨日のIG為替レポートで取り上げたサポートの水準148.20レベル、148.00レベルそして今月3日の急落を止めた147.30レベルのトライが焦点として浮上すると予想する。

なお、21日線は今日現在148.64レベルで推移し、短期サポートラインと交錯する(下の日足テクニカルチャートを参照)。

149円ミドルの突破は150.00を目指すシグナルに
一方、ドル円(USD/JPY)が10日線を完全に上方ブレイクする場合は、今月6日の高値149.54レベルの突破を意識したい。

ドル円が149.54レベルを完全に上方ブレイクする場合は、節目の150.00レベル(今月3日の高値150.16レベル)を視野に上昇幅の拡大を想定しておきたい。

また、10日線がレジスタンスからサポートのラインへ転換する場合も、ドル円が150.00をトライするシグナルとなろう。

ドル円のチャート:日足 23年7月以降

ドル円のチャート:日足 23年7月以降 TradingView提供のチャートで作成

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