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【ドル円 (USD/JPY)】注目材料とチャートポイント

インフレ圧力の根強さと原油先物価格の上昇を受け、米金利が反発の基調にある。ドル円(USD/JPY)は50日線を突破し149.00レベルをトライするか?が焦点に。一方、今日の米経済指標が米ドル安の要因となりドル円が反落する場合に注目しておきたいチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。

出所:ブルームバーグ 出所:ブルームバーグ


サマリー

・根強いインフレ圧力と原油先物価格の上昇を受け米金利は反発の基調にある
・米金利の上昇は、米ドル売り圧力の後退要因となっている
・ドル円は50日線の上方ブレイクと149.00レベルのトライが焦点に
・ドル円の反落局面では、3つのサポート水準の攻防に注目したい


外為市場の動向:米金利の反発基調を受け米ドル買い

14日の外為市場は、米ドル買い優勢の展開となった。この日発表された2月の生産者物価指数(PPI)は、前年同月比が1.6%と市場予想の1.2%を上回った。同比のコア指数も2.0%と1月から横ばいとなった。消費者物価指数(CPI)に続きPPIでもインフレ圧力の根強さが確認された。

また、3月9日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)が前週比1000件減の20.9万件と、予想外に減少した。

これら経済指標の内容を受け米債市場では利回りの反発が続き、外為市場では米ドルが買い戻される展開となった。

米ドル相場の動向:3月14日

米ドル相場の動向:3月14日 ブルームバーグのデータで作成 / DXY:ドルインデックス

米金利と原油先物価格の動向

消費者物価指数(CPI)に加えて、生産者物価指数(PPI)でも米国内のインフレ圧力の根強さが確認されたことは、米金利が反発する一因となった。

米金利の反発要因として、物価指数以外で注目したいのが、原油先物価格の動向である。

以下のチャートで米10年債利回り(以下米金利)と原油先物価格の動きを確認すると、今年に入り原油先物価格が反発の基調にある。この動きに連動し米金利がジワリと上昇していることが分かる。

国際エネルギー機関(IEA)は14日、2024年の石油需給の見通しについて、供給過剰から一転し供給不足になるとの予測を示した。

OPECプラスに参加している一部の国が自主減産を延長(3月から6月まで延長)したことに加えて、今後中東情勢と米国のガソリン需要の動向次第で原油先物価格が底堅さを維持すれば、米金利の低下圧力を削ぐ要因となろう。米金利の動向は、米ドル相場のトレンドを左右しよう。

米10年債利回りと原油先物価格のチャート:日足23年以降

米10年債利回りと原油先物価格のチャート:日足23年以降 ブルームバーグのデータで作成

今日の注目材料:米国の期待インフレ率

今日は、3月のミシガン大学期待インフレ率が発表される。1年先の市場予想は3.1%と、前月の3.0%から上昇する見通しである。一方、5-10年先の市場予想は2.9%と前月から横ばいの見通しとなっている。

今週の物価指数では、インフレ圧力の根強さを示唆する内容が続いた。国際商品市況では、原油先物価格が上昇基調にある。この状況で期待インフレ率が予想以上となれば、米金利をさらに押し上げる要因になり得る。米金利の上昇は米ドルの買戻し要因となろう。

一方、期待インフレ率とミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)が総じて市場予想を下回る場合は、米金利の低下と米ドル安の要因となろう。

ミシガン大学 期待インフレ率の動向:23年3月以降

ミシガン大学 期待インフレ率の動向:23年3月以降 ブルームバーグのデータで作成 / 赤のドット:3月の市場予想

ドル円:50日線の上方ブレイクと149.00レベルのトライが焦点に

50日線の突破
米金利の反発基調を受け、日米の利回り格差が再び拡大の傾向にある。この状況を受けドル円(USD/JPY)は昨日、50日線(今日現在148.40レベル)をトライする局面が見られた。

日足のモメンタムはゼロラインを下回る状況にあるが、弱気相場の勢いがひとまず後退していることを示唆している。ストキャスティクスは売られ過ぎの水準でゴールデンクロスの状況となった後、反発のトレンドにある(いずれも下の日足チャート、緑矢印を参照)。

この状況で3月のミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)と期待インフレ率が予想以上となれば、ドル円は50日線を完全に上方ブレイクし、下で述べるレジスタンスの水準をトライする展開が予想される。 なお、今日の東京時間では50日線を突破する状況が見られている。

ドル円のチャート:日足 23年11月以降

ドル円のチャート:日足  23年11月以降 TradingView提供のチャートで作成


149.00レベルと21日線のトライ
ドル円(USD/JPY)が50日線を完全に突破する場合は、さらなる上値トライのシグナルと想定したい。

このケースでは、149.00レベルのトライが次の焦点となろう。テクニカルの面では、149.39レベルまで低下している21日線をトライするかどうか?この点に注目したい(上の日足チャート、青ラインを参照)。

21日線は今月6日に相場の戻りを止め、レジスタンスへ転換したことが確認されている。50日線を突破しても21日線で相場の上昇が止められる場合は、戻り売りを意識したい。

反落局面でのチャートポイント
一方、本日ドル円(USD/JPY)が反落する場合は148.00レベル、147.50レベル、147.10レベル、これら3つのサポート水準での攻防に注目したい。

148.00レベルのすぐ上の水準148.05レベルは、現時点での今週高安のフィボナッチ・リトレースメント23.6%の水準にあたり、148円台を維持できるかどうか?を見極めるうえで重要なチャートポイントとなろう。

147.51レベルは半値戻しの水準にあたる。13日のNY時間以降、この水準で相場がサポートされている。ゆえに、147.50前後は目先の重要なサポートポイントとして想定しておきたい。

そして147.10レベルの上の水準147.27レベルは、フィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準にあたる。今週前半、この水準は147.10レベルとともに相場をサポートした経緯がある。147.10レベルはサポート転換の可能性がある水準として注目したい。

分足のストキャスティクスとRSIを軸にトレンドを追い、上で述べたサポート水準をドル円がトライする局面で、これらオシレーター指標が売られ過ぎの水準まで到達し、ゴールデンクロスが確認される場合は相場の反発を想定しておきたい。

ドル円のチャート:15分足 3月11日以降

ドル円のチャート:15分足  3月11日以降 TradingView提供のチャートで作成

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