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ドル円の週間見通し、不安定な相場継続か 3つの円高要因には要注意

今週のドル円も方向性の定まらない米金利の影響で、上下に振れる不安定な相場が予想される。予想レンジは150.00~154.00。3つの円高要因が意識される場合は150円のトライを想定したい。

Source:Bloomberg Source:Bloomberg

記事の概要

経済指標で上下に忙しなく振れる米金利。今週は米FRB高官の講演と週後半の経済指標で大きく動くことが予想される。米金利の方向感が定まらない以上、今週のドル円も上下に振れる不安定な展開が予想される。3つの円高理由が意識される場合は下落幅の拡大を想定したい。週間の予想レンジは150.00-154.00。


目次


方向性が定まらない米金利、日米利回り格差とドル円のかく乱要因に

先週のドル円(USD/JPY)は米金利に振り回される展開となった。強弱まちまちの内容となった米国の物価指数と小売売上高で10年債利回り(以下では米金利)は4.6%台後半へ急上昇した後、4.4%台へ急低下する方向性の定まらない展開となった。この状況を受け日米利回り格差も拡大と縮小が交錯。結果、ドル円の変動幅が拡大した。

現在の米債市場はインフレ再燃のリスク、トランプ関税が経済にもたらす不確実性、そして不透明感が高まる米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げパスに対する警戒心が複雑に絡み合い上下に振れる不安定な状況にある。米債市場の方向性が定まらない以上、今週のドル円も変動幅の拡大を警戒したい。

米長期金利のチャート:5分足2月12日~14日

米長期金利のチャート:5分足2月12日~14日

出所:TradingView


注目はFRB高官の講演と週後半の経済指標

今週は幾人かの米FRB高官が講演に登壇する。注目は経済と金融政策についての講演となろう。

17日にフィラデルフィア地区連銀のハーカー総裁、18日にウォラーFRB理事が経済見通しについて各々講演を行う。セントルイス地区連銀のムサレム総裁は、アメリカ経済と金融政策について講演する。トランプ関税によるインフレの再燃を警戒し利下げについて慎重な発言が相次げば、米金利は4.6%台を視野に再び反発する可能性がある。米金利の反発はドル円(USD/JPY)の上昇要因となろう。

経済指標では20日の新規失業保険申請件数、21日の2月購買担当者景気指数(PMI)と同月のミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)が米債市場の変動要因になり得る。特にミシガン大学調査の期待インフレ率に注目したい。速報値では1年先の期待インフレ率が4.3%と、2023年11月以来の水準まで上振れした。米FRBが注視する5-10年先のそれは3.3%と、2008年6月以来の高水準まで上昇した。速報値の修正がない場合は、米金利とドル円のトレンドに影響を与えることはないだろう。

問題は速報値が修正される場合である。特に期待インフレ率が上方修正される場合は、インフレ再燃の懸念を高めよう。同日に発表される2月のPMI速報値が予想を超える強さとなれば、米金利とドル円の上昇幅が拡大することが予想される。

ミシガン大学調査 期待インフレ率:2023年1月~2025年2月

ミシガン大学調査 期待インフレ率:2023年1月~2025年2月

ブルームバーグのデータで筆者が作成


3つの円高要因には要注意

理由1:投機筋の円買い越し(ネットロング)
今週のドル円(USD/JPY)も上下に大きく振れる不安定な展開を想定したい。警戒すべきは下値トライである。そう考える理由が3つある。まずは投機筋のポジション動向である。

米国商品先物取引委員会(CFTC)が集計したデータ(毎週火曜日の取引終了後に集計したデータが金曜日の取引終了後に発表される建玉明細の報告)によれば、2月11日時点で非商業部門の円買い越し(ネットロング)は5.4万枚超と、昨年10月以来の高い水準にある。昨秋は6.6万枚でネットロングが積み上がった後に円ポジションが売り越し(ネットショート)へ転じた。この時のドル円は上昇トレンドにあり、調整売りが散見された程度の影響にとどまった。

しかし現在は、短期レジスタンスラインが形成され、かつ200日線を下回る状況にある(下の日足チャートを参照)。投機筋の円ネットロングが5万枚を超えてきた状況で、上述した米国イベントが米金利の低下要因となれば、円ロングの調整要因になり得る。このケースでのドル円は、下でまとめたサポートラインの攻防に注目したい。

非商業部のポジション動向:週次 2024年7月以降

非商業部のポジション動向:週次 2024年7月以降

CFTCとブルームバーグのデータで筆者が作成

理由2:テクニカルラインの攻防
円高を警戒する2つ目の理由が、テクニカルの攻防である。

先週のドル円は米経済指標で上下に大きく振れた。上昇の局面でレジスタンスラインとなったのが21日線だった(下の日足チャートを参照)。二日連続でこの移動平均線がドル円の上昇を止めた結果、短期レジスタンスラインが形成され200日線を再び下方ブレイクする状況にある。

また、日足のMACDとモメンタムはドル円の地合いの弱さを示唆している(下の日足チャートを参照)。この状況で今週の米国イベントが米金利の低下となれば日米利回り格差の縮小が進行し円高が進行しよう。

理由3:タカ派姿勢の日銀と国内金利のさらなる上昇
円高を警戒する3つ目の理由が、日銀の追加利上げに対する市場の思惑である。国内の債券市場では日銀の追加利上げが意識され、金融政策の方向性を織り込んで動く2年債利回りが先週、2008年10月以来となる0.8%台まで上昇する局面が見られた。長期金利の指標となる新発10年物国債利回りは一時1.37%と、2010年4月以来およそ15年ぶりの高水準まで上昇した。

田村直樹審議委員は6日、松本市で開いた金融経済懇談会で食品価格の上昇や人手不足による人件費の上昇で物価の上振れリスクが膨らんでいると述べ、「新年度(2025年度)の後半には少なくとも1%程度まで短期金利を引き上げておくことが必要」との考えを示した。
一方、植田和男総裁は12日の衆議院の財務金融委員会で、生鮮食品を含む食料品の値上がりについて「一時的なものでは必ずしもなく、人々のマインドや期待物価上昇率などに影響を与えていくというリスクはゼロではない」との認識を示した。

今週19日に日銀の高田創審議委員が宮城県金融経済懇談会に出席し記者会見をおこなう。物価の上振れリスクを抑制するため、追加の利上げに言及する場合は、早期の利上げ期待が国内金利のさらなる上昇と日米利回り格差の縮小を促す要因になり得る。


ドル円 今週の見通しとテクニカルライン

今週のサポートライン
17日はプレジデントデーで米国市場が休場となる。ドル円(USD/JPY)が大きく動くなら明日以降が予想される。上述した3つの円高要因で、今週ドル円が下値をトライする場合は、以下でまとめたサポートラインの攻防に注目したい。今週の予想レンジ下限は150.00レベル。

・151.60レベルと151.00は7日以降、ドル円の下落を止めたラインである。特に後者の151.00は二度相場を下支えした。2月7日の安値水準と重なる151.00を完全に下方ブレイクすれば、ドル円の下落幅が拡大する展開を想定しておきたい

・150円台では、これといったサポートラインが存在しない。唯一挙げるならば150.50レベルである。ドル円がこの水準をも難なく下方ブレイクする場合は、節目の150.00トライを意識したい

サポートライン
・151.60:サポートライン(45分足)
・151.00:サポートライン(45分足)
・150.93:2月7日の安値(45分足)
・150.50:サポートライン(45分足)
・150.00:節目のライン、予想レンジの下限(日足)

今週のレジスタンスライン
今週、ドル円の上昇局面では、以下にまとめたレジスタンスラインの攻防に注目したい。週間の予想レンジ上限は154.00レベル。テクニカルの面では21日線の攻防が焦点となろう。

・ドル円は現在、200日線を下方ブレイクする状況にある。目先は、この移動平均線がレジスタンスラインとなるのか?この点を確認したい。200日線がレジスタンスラインへ転換する場合はドル円の地合いの弱さが意識され、150.00を視野に下落幅が拡大する可能性が高まろう

・一方、ドル円が200日線を上方ブレイクする場合は、45分足にプロットした153円台のテクニカルラインの攻防に注目したい。いずれもレジスタンスラインへ転換する可能性がある

・153.70の突破は、予想レンジの上限154.00レベルをトライするサインと捉えたい。テクニカルの面では、21日線のトライそして上方ブレイクが焦点となろう

レジスタンスライン
・154.21:21日線(日足、2/14時点)
・154.00:予想レンジの上限(45分足)
・153.70:レジスタンス転換の可能性あり(45分足)
・153.35:レジスタンス転換の可能性あり(45分足)
・153.00:レジスタンス転換の可能性あり(45分足)
・152.68:200日線(日足、2/14時点)


ドル円のチャート

45分足:2月6日以降

45分足:2月6日以降

出所:TradingView

日足 2024年12月以降

日足 2024年12月以降

出所:TradingView


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