円高進行でドル円150円割れ、21日にCPI 円高の加速を警戒
外為市場で円高が進行している。ドル円は16時前に節目の150円を下抜けた。明日の1月消費者物価指数(CPI)次第では円高の加速を警戒したい。
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記事の概要
日銀が早期に追加利上げに踏み切る可能性が意識され、国内金利の上昇幅が拡大している。米金利の上昇が抑制されていることで日米の利回り格差の縮小が進み、ドル円は本日16時前に節目の150円を下抜けた。明日は1月の国内消費者物価指数(CPI)が発表される。昨年12月から大きく伸びる見通しにある。円高の加速を警戒したい。
止まらない国内金利の上昇
日銀が早期の追加利上げに踏み切る可能性が意識され、国内の債券市場では利回りの上昇幅が拡大している。
金融政策の方向性を織り込んで動く2年債利回りは0.8%台へしっかりとのせ、2008年10月以来の高水準にある。10年債利回りは本日1.440%まで上昇する局面が見られた。2009年11月以来の高水準である。
国内金利の動向:週足 2008年以降
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ブルームバーグのデータで筆者が作成
縮小傾向を鮮明にする日米の利回り格差
国内金利とは対照的に、米債市場では利回りの上昇が抑制されている。結果、日米の利回り格差は縮小のトレンドを鮮明にしている。
利回り格差の縮小がさらに進行するのか?この点を見極める上で、明日発表される1月の国内消費者物価指数(CPI)は重要な指標となろう。
日米利回り格差の動向:日足 2024年7月以降
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ブルームバーグのデータで筆者が作成
日銀の利上げを左右する1月CPI、内容次第で円高加速も
1月の国内消費者物価指数(CPI)でインフレの加速が示される場合は、日銀の利上げ姿勢に大きな影響を与える可能性がある。
植田和男総裁は12日の衆院財務金融委員会で、食料品の値上がりについて一時的なものでは必ずしもないと指摘した。消費者のインフレ期待に影響を与えるリスクがあると懸念も示した。よって今回は、生鮮食品を含む総合指数の動向に注目が集まるだろう。ブルームバーグがまとめた市場予想は、前年同月比で4.0%の伸びが見込まれている。予想通り4.0%台へ上昇すれば、2023年1月以来となる。
一方、生鮮食品を除くコア指数は前年同月比で3.1%と、物価目標の2.0%を上回る状況が続くと予想されている。コアコアCPIも同比2.5%と、昨年12月の2.4%から伸びが加速する見通しにある。
1月CPIが予想以上となれば、利上げ時期の前倒し観測が強まる展開を想定したい。外為市場では円高の加速を警戒したい。
国内 消費者物価指数(CPI)の動向:月次 2024年1月~12月
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ブルームバーグのデータで筆者が作成
ドル円の見通しとテクニカルライン
150円以下の攻防を想定する局面に
ドル円(USD/JPY)は本日16時前に、150.00を下方ブレイクするする局面が見られた(レポート掲載時点で安値は149.94レベル)。日米利回り格差が縮小のトレンドにあることを考えるならば、ドル円は150円を完全に下方ブレイクし、149円台以下の攻防を想定する局面にある。目先は、以下にまとめたサポートラインの攻防に注目したい。
・日足のMACDはゼロラインを下回り、かつ低下基調にある。今のドル円の地合いの弱さを示唆している
・ドル円は大陰線で151.00を完全に下方ブレイクした。150.00も下方ブレイクする局面が見られた。200日線がレジスタンスラインへ転換するムードにあることも考えるならば、149円台の攻防を想定する局面にある。149.36レベルと149.00レベルの攻防に注目したい
・150.00レベルがサポートラインからレジスタンスラインへ転換する場合は、149円の下方ブレイクと148.65のトライを意識したい
サポートライン
・149.94:本日の安値(レポート掲載時点)
・149.36:昨年12月6日の安値(日足)
・149.00:サポートライン
・148.65:昨年12月3日の安値(日足)
151.00のレジスタンス転換
一方、ドル円(USD/JPY)の反発局面では151.00の攻防に注目したい。この水準がサポートラインからレジスタンスラインへ転換する場合は、地合いの弱さを市場参加者に印象付けよう。151.00のレジスタンス転換は、ドル円の下落トレンド(円高)が続くサインと捉えたい。
一方、ドル円が151円台へ反発する場合は、5日線の攻防が焦点となろう。この移動平均線で相場の戻りが止められる場合は、やはりドル円の下落トレンドが継続するサインになり得る。
レジスタンスライン
・151.48:5日線(日足)
・151.00:レジスタンス転換の可能性あり
ドル円のチャート
日足:2024年12月以降
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出所:TradingView
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