【ユーロドル (EUR/USD)】下値トライを意識する状況に、上下のチャートポイント
「米金利の反発→米ドル買い」を受け、ユーロドル(EUR/USD)は再び下値のトライを意識する状況にある。今日も下落する場合は、2つの移動平均線の攻防に注目したい。一方、反発の局面では3つのチャートポイントでの攻防に注目したい。詳細はIG為替レポートをご覧ください。
サマリー
・米金利の反発を受け、外為市場では現在米ドル買い優勢の状況にある
・今のユーロドルは下値トライを意識する状況にある、21日線と50日線の攻防が焦点に
・ユーロドルの反発局面では、3つの水準での攻防に注目したい
米金利の反発→米ドルの買戻し
米債市場では現在、利回りが反発の基調にある。米金利の反発は、外為市場で米ドルの買戻し圧力を高めている。
米ドル相場のトレンドを示すドルインデックス(DXY)は、2月の下旬にレジスタンスのラインとして意識された21日線(今日現在103.55レベル)を上方ブレイクし、地合いの強さを示唆する状況にある。
ドルインデックスのチャート:日足 23年12月以降
ユーロドル、下落の局面では2つの移動平均線の攻防が焦点に
「米金利の反発→米ドルの買い戻し」を受け、ユーロドル(EUR/USD)は短期レジスタンスラインを形成しながら、上昇基調のトレンドチャネルを下方ブレイクした。
昨日は、直近高値のフィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準1.0875レベルをもブレイクする状況となった。米金利の反発基調に加えて、これらテクニカルポイントでの攻防も考えるならば、現在のユーロドルは下値のトライを意識する状況にある。
本日、ユーロドルの下落局面で注目したいのが、21日線と50日線の攻防である。
21日線は今日現在、1.0869レベルで推移している。一方、レジスタンスのラインとして意識された経緯のある50日線は1.0849レベルで推移している。
日足のストキャスティクスとRSIはデッドクロスを形成した後、低下のトレンドにある。そしてモメンタムがゼロライン付近まで低下している状況も考えるならば、今日のユーロドルは、上で取り上げた2つの移動平均線をトライする展開を想定しておきたい。
ユーロドルが50日線を完全に下方ブレイクする場合は、1.08の維持が焦点として浮上しよう。テクニカルの面では、半値戻しの水準1.0794レベルを維持できるかどうか?この点に注目したい。
ユーロドルのチャート:日足 23年10月以降
反発局面でのチャートポイントは?
一方、米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に米債が買い戻される場合は、「米ドル安→ユーロドルの反発」を想定しておきたい。
しかし、こちらのIG為替レポートで述べたとおり短期金融市場では6月の米利下げ確率が50%前後まで低下している。
インフレ圧力の根強さとそれが再燃するリスクを考慮し、最新の政策金利の予想(ドット・プロット)で米連邦準備制度理事会(FRB)による6月の利下げ観測がさらに後退する可能性もある。ゆえにユーロドルが反発しても、その幅は限定的となる展開を今は想定しておきたい。
目先、ユーロドルの反発局面で注目しておきたいチャート水準が3つある。
最初のチャートポイントが、1.0900‐1.0910のゾーンである。1.0900レベルと1.0910レベルは、レジスタンスポイントへ転換する可能性がある。水準が近いことからレジスタンスゾーンとして意識しておきたい。
2つめのチャートポイントが、1.0930レベルである。先週の13日以降、この水準はレジスタンスとしてもサポートとしても意識される局面が見られている。そして先週14日のNY時間に相場の上昇を止め、1.09を下方ブレイクする起点となった(下の1時間足チャート、赤矢印を参照)。
最後の水準は、3月に入りレジスタンスポイントとして意識されている1.0960レベルである。今日現在、短期レジスタンスラインがこの水準付近で推移している(上の日足チャートを参照)。
トライアングルの上限でもあるこのラインで相場の反発が止められる場合は、下値トライを警戒する状況が続くと予想する。
一方、ユーロドルが短期レジスタンスライン(トライアングルの上限)を完全に突破できれば、新たな上昇のシグナルになり得る。
分足や時間足のストキャスティクスとRSIでトレンドを追い、ユーロドルが上で述べた上下のチャートポイントをトライする局面で、これらオシレーター指標が短期的な相場の過熱感を示唆する状況にある場合は、相場の反落または反発を想定しておきたい。
ユーロドルのチャート:1時間足 3月7日以降
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