【ポンド円】16年ぶりに200円台の攻防へ、次の上値水準は?反落局面での焦点は?
外為市場では円安の進行が続いている。昨日はクロス円を中心に円安優勢の展開となった。ポンド円(GBP/JPY)は、およそ16年ぶりに200円台の攻防へシフトしている。目先の展望は?次に注目しておきたい上値の水準は?
サマリー
・円安の進行が止まらず、ポンド円は16年ぶりに200円台の攻防へシフト
・ポンドは、対ユーロと米ドルでも上昇基調にある
・ポンド円は、さらなる上値のトライを意識する状況にある
・ポンド円の上昇基調が続く場合は、201.59レベルのトライが焦点に
止まらない円安、ポンド円は16年ぶりの200円台へ
週明け27日の外為市場は米英市場が休場のなかでも、クロス円を中心に円安優勢の展開となった(下のチャートを参照)。
注目の通貨ペアはポンド円(GBP/JPY)である。27日NY時間の終了時点で節目の200円を維持した。そして今日の早朝に高値200.46レベル(IGレート)まで上昇する局面が見られた。
ポンド円が200円台の攻防となるのは2008年以来、おそよ16年ぶりとなる。
円相場の動向:5月27日
ポンド円の上昇は日英の金利差が土台に
2020年初頭のコロナパンデミック以降、ポンド円(GBP/JPY)は上昇トレンドを維持している(下のチャートを参照)。特に2022年を境に上昇幅が拡大している状況は、日英の金融政策スタンスの差が上昇トレンドの土台となっていることを示唆している(下のチャート、赤矢印を参照)。
ポンド円と日英の金利差のチャート:月足 2020年以降
米連邦準備制度理事会(FRB)と同じく、英中銀(BOE)の利下げの開始時期も後ろ倒しの状況にある。現状、短期金融市場では今年1回のみの利下げを意識する状況に転じており、利下げ開始時期の思惑も9月以降に後ずれしている。
日銀(BOJ)も金融政策の正常化に向かって歩みを進めている。しかしそのペースは緩慢であり、目下のところ日英の金利差が急速に縮小する可能性は低い。ゆえに、日英の金利差が意識されやすい状況がもうしばらく続くだろう。
今のポンド円の焦点は、新たな上値の水準を見極めることにある。
ポンド円のチャート:月足 2006年以降
対ユーロでもポンド高が進行中
対円だけでなく、対ユーロでもポンド高が進行している。今年に入ってからのユーロポンド(EUR/GBP)のトレンドを確認すると、じりじりと上値の水準が切り下がる状況にあり、先週は13週移動平均線を完全に下方ブレイクした(下のチャート、緑ラインを参照)。そして下落相場の過程で、レジスタンスラインが形成されている。
現在のユーロポンドは、サポート水準として意識されている0.85レベルの攻防にある。ゆえに、ユーロポンドがこの水準(0.85レベル)を完全に下方ブレイクすれば、テクニカルの面でディセンディング(下降)トライアングルを形成することになる。このパターン形成は、ポンドが対ユーロでさらに上昇する重要なシグナルとなろう。
0.85レベルがレジスタンスの水準へ転換する場合、市場参加者はさらなるポンド高の進行(ユーロポンドの下落)を意識しよう。
ユーロポンドのチャート:週足 2023年6月以降
ポンド円、目先の見通しと注目のチャートポイント
201.59レベルのトライ
今のポンドは、対米ドルでも上昇基調にある。ポンドドル(GBP/USD)は10日線にサポートされ、1.28レベルを視野に入れる展開となっている。
ユーロだけでなく、米ドルに対してもポンド高優勢となっている状況を考えるならば、今日のポンド円(GBP/JPY)はさらなる上値のトライを意識したい。
今日もポンド円が上昇トレンド維持する場合は、突如円相場が急伸した4月29日の高値水準200.55レベルを突破しよう。この水準の上方ブレイクは、ポンド円が201.00レベルをトライするシグナルと想定しておきたい。
ポンド円が201円台へしっかりと上昇する場合、テクニカルの面で注目したいのが、フィボナッチ・エクステンション100%の水準201.59レベルのトライである。このチャートポイントは、直近高安から算出されるN計算値の水準でもある。
ポンド円のチャート:日足 今年4月以降
5日線と10日線の維持
一方、調整の反落局面では、5月以降、サポートラインとしてポンド円(GBP/JPY)を下支えし続けている5日線の維持が最初の焦点となろう。この移動平均線は今日現在、199.80台まで上昇している(上のチャート、緑ラインを参照)。
他のクロス円と比べてポンド円は、ボラティリティが拡大しやすい特性がある。ゆえに5日線を下方ブレイクする場合は、10日線までの下落を想定しておきたい。この移動平均線は今日現在、198.70レベルで推移している(上のチャート、青ラインを参照)。
45分足チャートにレポート掲載時点での高安で算出したフィボナッチ・リトレースメントをプロットすると、5日線のすぐ上が23.6%水準(199.91レベル)にあたる。一方、本日10日線が推移している水準は76.4%水準(198.76)にあたる。また、38.2%の水準(199.60レベル)は相場をサポートした経緯がある。
日足のRSIとストキャスティクスは、短期的な相場の過熱感(買われ過ぎの状況)を示唆している。しかし、MACDは上昇トレンドを維持しており、デッドクロスは確認されていない(上のチャートを参照)。
止まらない円安と今のポンド相場の地合いの強さ(対ユーロと米ドルでの上昇基調)も考えるならば、ポンド円が下落しても、上で述べたサポート水準のいずれかで反発する展開を想定しておきたい。
ポンド円のチャート:45分足 5月21日以降
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