【ユーロドル (EUR/USD)】2つの移動平均線の攻防が焦点に
ユーロドル(EURUSD)は現在2つの移動平均線、21日線と50日線を意識する状況にある。今日のユーロドルは米国の経済指標、1月の個人消費支出(PCE)価格指数と週間の新規失業保険申請件数で、これら移動平均線をトライする可能性がある。目先は21日線のトライを意識したい。その理由とは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。
サマリー
・今日のユーロドルは、米経済指標で上下に振れる展開が予想される
・上値トライの局面では、50日線の攻防に注目したい
・下値トライの局面では、21日線のブレイクが焦点となろう
・移動平均線を突破した後のチャートポイントは?
焦点は2つの移動平均線の攻防
今日のユーロドル(EUR/USD)は、こちらのIG為替レポートで取り上げた米国の経済指標で上下に振れる展開が予想される。
日足チャートで直近の動向を確認すると、今月22日に50日線(今日現在1.0875レベル)で戻りが止められた。しかし、反落の局面では21日線(今日現在1.0792レベル)がサポートラインとして意識されている。
ゆえに今日のユーロドルは、米国の経済指標が発表された後、どちらの移動平均線をトライし、そしてブレイクするのか?が焦点となろう。
ユーロドルのチャート:日足23年10月以降
21日線のトライを意識する状況に
目先、意識すべきは21日線のトライおよび下方ブレイクと筆者は考えている。
米国の景気は底堅さを維持している。一方、ユーロ圏経済のけん引役であるドイツの23年第4四半期国内総生産(GPD)はマイナス成長(前期比0.3%減)に陥った。また、ドイツ政府は24年の成長率予想を0.2%と、従来予想の1.3%から大幅に下方修正するなど、ユーロ圏の景気には先行き不透明感が漂う。
この状況で今日の米経済指標がインフレ圧力の根強さ、そして労働市場の堅調さを示す場合は、米欧の景況感格差がユーロドルの重石となることが予想される。
また、日足のストキャスティクスの動向を確認すると、買われ過ぎの水準付近でデッドクロスの状況にある(上の日足チャートを参照)。一方、RSIは低下のトレンドへ転じ、デッドクロスを形成する可能性がある。これらオシレーター系指標の動向も考えるならば、今日は下値トライをより意識しておきたい。
ユーロドルが21日線を完全に下方ブレイクした後、この移動平均線で相場の戻りが止められる場合は、さらなる下落を警戒したい。
ユーロドルが1.0750レベルをも下方ブレイクする場合は、今月の中旬に相場をサポートしたフィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準1.0712レベルのトライを想定しておきたい(上の日足チャートを参照)。
50日線をブレイクする場合は1.09のトライが焦点に
ユーロドル(EUR/USD)は現在、短期サポートラインを維持している(下の4時間足チャートを参照)。
この状況で今日の米経済指標が米ドル売りの要因となる場合は、上で述べた50日線の攻防となるかどうか?この点に注目したい。この移動平均線は今日現在、1.0875レベルで推移している。
50日線をトライするシグナルとして注目したいのが、1.0850-60ゾーンの攻防である。今月22日の欧州タイム以降、このゾーンで相場の反発が止められている(下の4時間足チャートを参照)。
ユーロドルが50日線を完全に突破する場合、次の焦点は1.09レベルのトライとなろう。レジスタンスの水準へ転換する可能性のあるこのチャートポイントで相場の反発が止められる場合は、明日以降も21日線をトライする展開を想定しておきたい。
一方、ユーロドルが1.09レベルを完全に突破し、かつ反落の局面でこのチャートポイントがサポートの水準へと転換する場合は、短期的に昨年の後半と今年の1月上旬に相場の反発を止めた経緯のある1.10レベルを視野にもう一段上値をトライする可能性が出てくる(上の日足チャートを参照)。
ユーロドルのチャート:4時間足 2月9日以降
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