追加利下げで割れるFED
9月FOMCの焦点はパウエルFRB(FED)のスタンスにありました。中でも注目は金融政策スタンスでしたが、追加の利下げについて意見が割れていることが判明しました。筆者が注視している米金利ですが、債券先物価格は反発基調にあります。今後の指標データ次第で再び債券買いの金利低下という局面がありそうです。詳細は今日のマーケットレポートをご参照ください。
・追加利下げで割れるFED
18日の外為市場はFOMC後に米ドル買い優勢の展開となった。FEDが公表した最新のドットチャート(Midpoint of target range or target level)によると、2019年の中央値は1.875%だった。この予想に従うならば、利下げは今回で打ち止めということになる。市場はひとまずこの点を意識し、今回のFOMCを「タカ派寄り」と判断。米国債券市場では長期金利(以下米金利)がFOMC後に反発し、外為市場では主要な先進国通貨を中心に米ドル買い優勢の展開となった。だが、ドットの散らばり具合を確認すると、1.875%の5人に対して1.625%が7人と追加利下げに対する見解がFED内で割れていることがわかる。また、金利先物市場から算出される12月の予想ターゲットレートは1.6916%(19日7時時点)と、FED内のハト派スタッフによる予想水準と一致している。国際金融市場のボラティリティが高まった昨年10月以降、パウエルFRBは常に「市場の後追い」である事実を考えるならば、今後の指標データ次第で追加の利下げ期待が左右されよう。尚、パウエル議長は情勢次第で金融調節の実施について言及したが、明確な立場については否定した。
FOMC後も米株のボラティリティは低下基調を維持している。米株が最高値圏での攻防を維持する限り「株安→円高」の展開となる可能性は低いだろう。よって、ドル円のトレンドは米金利の動向次第となろう。この点はユーロドルも同様である。その米金利だが、債券先物市場の価格を確認すると、16日以降反発基調にある。今日以降の米指標データが総じて市場予想を下回る場合、FOMC前に発生した調整の債券売り(=金利の反発)が終息する展開を予想する。
【米10年債先物価格】
・ドル円とユーロドルのチャートポイント
今日のドル円は上述のとおり米金利にらみの展開となろう。テクニカル面ではフィボナッチ・リトレースメントが位置する108.40台の攻防に注目したい。昨日はこのテクニカルレベルで上値がレジストされた。米金利が低下する場合、108.40レベルでの反落および108.00トライを予想する。このレベルにはビッドが観測されている。一方、米金利が反発基調を維持する場合は、108.80までの上昇を予想する。この水準にはオファーの観測あり。109.00トライは108.80の攻防次第となろう。尚、109.00にもオファーが観測されている。
ユーロドルも米金利の動向次第となろう。米金利に再び低下圧力が高まるケースでは、1.1412(6/25高値)を起点とした短期レジスタンスラインの攻防が焦点となろう。このラインは今日現在1.1088前後で推移している。一方、米金利の反発基調が続くケースでは1.10割れを予想する。このケースでは1.0980の攻防が焦点となろう。1.10ではオプションバリアの攻防が予想される。また、1.0970にはビッドが観測されている。
【ドル円】
【ユーロドル】
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