リスク回避でも底堅いドル円だがFOMC後の反落に要注意 / ユーロドル 目先の焦点について
6月のFOMCを前に米国債利回りの上昇幅が拡大。FOMC後に一度米利回りが低下する可能性あり。ドル円は反落リスクを警戒。ユーロドルは1.04の攻防が焦点に。目先の注目ポイントは?詳細はマーケットレポートをご覧ください。
リスク回避でも底堅いドル円だがFOMC後の反落に要注意
【サマリー】
・リスク回避相場でもドル円は底堅さを維持
・FOMCを受け米国債利回りは一度低下する可能性あり
・FOMC後のドル円の反落を警戒
・ユーロドル 1.04割れ後の2つのシナリオ
・底堅いドル円
13日の株式市場では、世界の主要な株価指数が軒並み下落する展開となった。米国の株式市場では主要指数が年初来安値を更新。ベンチマークとなるS&P500指数(SPX)は、今年1月初旬に付けた高値からの下落率が弱気相場入りの目安とされる20%に達した。
世界的な株安を受け、外為市場ではリスク回避の米ドル買いおよび円買いの展開となった。焦点はドル円(USDJPY)の動きだが、昨日のドル買い対円買いの戦いは互角の様相を呈した。
この日、米債市場では10年債利回りが3.44%まで上昇。一方、2年債利回りは2007年11月以来となる3.4%の水準まで急騰する局面が見られた。クロス円が総崩れ(円高)となったにも関わらずドル円が134円台を堅持している状況は、米国債利回りの影響が大きいと言える。
米ドル相場 13日のパフォーマンス
・FOMC後の反落を警戒
7月以降のFOMCで、米連邦準備制度理事会(FRB)が0.75%ポイントの利上げに追い込まれる可能性が出てきたことを考えるならば、日米の利回り格差を意識した「ドル買い/円売り」のトレンドは続く可能性が高い。だが、6月の米連邦公開市場委員会(FOMC、14-15日)を前にして、すでに利上げペースの加速を意識した米国債利回りの上昇が見られることから、FOMC後にはそれが一度低下する可能性があろう。
米国債利回りのチャート
また、通貨オプション市場のリスクリバーサルの動きを確認すると、1週間と1ヶ月のそれらが急速にドル・プットオーバーへと傾いている。一方、予想変動率は1週間と1ヶ月でともに上昇基調にある。これらの動向に加え、上で述べたとおりFOMC前に米国債利回りがすでに上昇している状況も考えるならば、FOMC後に「米債利回りの低下→ドル円反落」の展開となる場合は、レジスタンスラインとしてもサポートラインとしても意識される局面が多く見られる10日移動平均線(SMA)を下方ブレイクし、ドル円の下落幅が拡大する可能性を意識しておきたい。
ドル円のチャート
ユーロドル 1.04割れ後の2つの焦点
・1.04割れを想定する局面に
対ユーロでも米ドル高が進行している。ユーロドル(EURUSD)は、連日の陰線示現により一気に1.04の攻防が焦点として浮上してきた。
1.08レベルがレジスタンスポイントとして明確になり、短期レジスタンスラインが形成された。そして相場を下支えする局面が見られた21日移動平均線(EMA)の下方ブレイクやMACDのデッドクロス、さらにRSIがMAを完全に下方ブレイクし、かつ「売られ過ぎ」の水準30を未だ下抜けていない状況も考えるならば、ユーロドルは1.04ブレイクを想定する局面にある。
・2つのシナリオ
実際にユーロドル(EURUSD)が1.03台の攻防へシフトする場合は、5月13日の安値1.0348レベルの攻防が焦点として浮上しよう。
ユーロドルがこのレベルをトライする場合、2つのシナリオを想定しておきたい。ひとつめのシナリオは、あっけなく下方ブレイクする展開である。このケースでは、フィボナッチ・プロジェクション50.0%の水準1.0213レベルが次のサポートポイントとして浮上する。
もうひとつのシナリオは、1.0348レベルがサポートポイントとして意識される展開である。この場合は、21日線までの短期的な反発が予想される。突破する可能性もあろう。
しかし、ユーロドルが21日線の突破に成功しても、レジスタンスラインや1.08レベルの突破を確認できない限り、ユーロドルの下落トレンドを意識する状況が続こう。これらテクニカル(チャート)ラインで相場の戻りが止められる場合は、ディセンディング・トライアングルの形成が焦点として浮上しよう。
ユーロドルのチャート
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