米ドル安環境での米ドル買いとドル円の膠着状態
リスク回避相場での米ドル買いは健在です。しかし、3月のようなヒステリックな米ドル高とはなっていません。それ故、ドル円はしばらく現在の膠着状態が続きそうです。詳細は今日のマーケットレポートにて。
米ドル安環境の外為市場
NY原油先物価格(6月限)は、前日比8.86ドル(43.37%)安の1バレル=11.57ドルと、連日の大幅下落となった。米株はこれまで反発をけん引してきたハイテクセクターを中心に続落。米債市場では、長期金利が一時0.543%まで低下する局面が見られた。一言で言えば、昨日もリスク回避相場となったわけだが、外為市場では米ドル高対円高の戦いが連日繰り広げられた。そして米ドルが前日比プラス0.14%と、またしても円高圧力に打ち勝った。
だが、現在の外為市場はFEDの大規模な資金供給策により、むしろ米ドル安圧力が高まり易い環境にある。このことは、21日のレポート「米ドル相場急騰の可能性は?」で指摘済みである。また、リスク回避相場が続いても、3月のようなヒステリックな米ドル高が再燃していない現在の状況は、水面下で米ドル安圧力がうごめいていることを示唆している。この圧力が表に出てくる時、それはリスク選好(米株高)の局面である。
Stuck状態のドル円
ドル円のインプライドボラティリティ(1週間)を確認すると、3月上旬の29%台から現在は8%台まで急低下している。これは上述した外為市場の環境によるものだろう。つまり、リスク回避(米株安)の局面では「米ドル買い対円買い」の戦いとなり、リスク選好(米株高)の局面では「米ドル安対円安」の戦いになり易い環境に現在のドル円はある。それ故、インプライドボラティリティも低水準で推移しているわけだ。言い換えれば、現在のドル円はStuck(上にも下にも動けない)状態に陥っているわけだが、それはそれで予測がし易い。リスクリバーサル(1週間)を確認すると、低下基調へ転じている。今後1週間のドル円は底堅いが上値も重い、と市場関係者が推測していることがうかがえる。この状況を実勢相場(直近の動向)に当てはめてみると、底堅い水準としては107.20、107.00および106.90という3つのサポートポイントが浮かび上がる。また、これらの水準にはそれぞれビッドが観測されている。下落局面では、これらサポートポイントで反転する可能性を意識したい。
一方、上値が重くなる水準としては108.00,108.10および108.50レベルを意識したい。これらの水準にはオファーが観測されている。インプライドボラティリティとリスクリバーサルの動向を考えるならば、108円台では(リスク回避でも選好でも現在はこの状況となる可能性あり)、常に反落リスクを警戒したい。
ドル円の短期予測(1週間)
ドル円チャート
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