高止まりする米金利、米ドル高を意識する状況が続く
インフレリスクの再燃と利上げ長期化の思惑を受け、米債市場では利回りが高止まりしている。この状況が続く限り米ドル高を意識したい。ドルインデックスは105.53レベルの攻防が焦点に。ドル円の注目ポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。
※ユーロドルの展望についてはこちらのレポートをご覧ください。
高止まりする米金利、米ドル高を意識する状況が続く
【サマリー】
・インフレリスクの再燃と利上げ長期化を意識し米金利は高止まりの状況にある
・今の外為市場では米ドル高を意識する局面にある
・ドルインデックスは105.53レベル(38.2%戻し)の攻防が焦点に
・ドル円の展望とチャートポイントについて
高止まりする米金利
2月28日の米債市場では利回りが上下に振れるも、明確なトレンドは見られなかった。しかし、金融政策の方向性を織り込んで動く2年債利回りは、4.8%台の水準で高止まりの状況にある。インフレリスクの再燃を受けて、連邦準備制度理事会(FRB)の利上げが長期化することを意識する動きである。
一方、10年債利回り(長期金利)も節目の4.0%を視野に高止まりしている。この状況を受けて、実質金利(10年)も高止まりの状況にある。
また、短期金融市場(OIS)では、米政策金利(FFレート)の予想ターミナルレートが、5.4%台へ到達する状況にある。
米金利の推移
今の外為市場では米ドル高を意識する状況が続く
上で述べた米金利が再び低下トレンドへ転じない限り、外為市場では米ドル高を意識する状況が続くと予想する。
米ドル相場のトレンドをドルインデックス(DXY)で確認すると、昨日は米金利の高止まりが意識され、10日MA(104.35レベル)でサポートされた。今日以降発表されるアメリカの重要な経済指標(2月のISM製造業/非製造業景気指数や雇用統計など)で予想以上の内容が続けば、「米金利の上昇→米ドル高」を意識する状況が続くだろう。このケースでのドルインデックスの焦点は、リトレースメント38.2%の水準105.53レベルのトライおよび突破である。この水準は、サポートからレジスタンスへの転換が確認されている。ゆえに、ドルインデックスが38.2%レベルの突破に成功する場合は、米ドル高を意識する状況が続くだろう。
実際にドルインデックスが38.2%レベルを完全に突破する場合は、200日MA(106.50レベル)のトライおよびブレイクが次の焦点として浮上しよう。
逆に38.2%レベルが明確なレジスタンスポイントとして再び意識される場合は、ドルインデックスの10日MAブレイクと104.00トライを警戒したい。
強い経済指標は米金利の上昇要因となり得るが、すでにFRBの利上げ長期化を相当織り込んでもいる。ゆえに、上で述べた経済指標で予想以下の内容が続けば、米金利の低下圧力が高まることが予想される。このケースでのドルインデックスは、104.00の水準を下方ブレイクする展開を想定しておきたい。
ドルインデックスのチャート
ドル円の展望とチャートポイント
上昇局面での注目ポイント
冒頭で述べたとおり、米金利は高止まりの状況にある。よって、米金利と高い順相関の関係にあるドル円(USDJPY)は、新たなレジスタンスの水準を探る状況が続くと予想する。
米金利の高止まりを受け、昨日のドル円はリトレースメント38.2%の水準136.66レベルを突破する局面が見られた。しかし、日足ローソク足の実体ベースでの突破には失敗し、かつそのかたちも市場の気迷いを示唆する十字線となった。また、100日MAが136.88レベルまで低下している。これらの状況を考えるならば、136.65-90をレジスタンスゾーンと想定しておきたい。
今日は2月ISM製造業景況指数が発表される。総じて予想(48.0)を上回る内容となれば、米金利の上昇要因となり得る。よって、強い米経済指標が確認されるケースでのドル円は、上で述べたレジスタンスゾーン(136.65-90)の突破に成功するかどうか?この点が焦点となろう。
ドル円がレジスタンスゾーンを完全に突破する場合は、昨年12月に何度も相場の上昇を止め、かつ “レジスタンス転換” が確認されている138.00レベルを視野に上昇幅が拡大するシグナルと想定しておきたい。
反落局面での注目ポイント
一方、さえない米経済指標などでドル円(USDJPY)がレジスタンスゾーンの突破に失敗する場合は、10日MAの攻防に注目したい。この移動平均線は今日現在、135.23レベルで推移している。135円台維持の観点からも、この移動平均線の攻防は重要である。
ドル円のチャート
本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。
IG証券のFXトレード
- 英国No.1 FXプロバイダー*
- 約100種類の通貨ペアをご用意
* 英国内でのCFDまたはレバレッジ・デリバティブ取引(英国でのみ提供)での取引実績において、FX各社をメイン口座、セカンダリー口座として使用している顧客の割合でIGがトップ(Investment Trends UKレバレッジ取引レポート 2022年6月)
リアルタイムレート
- FX
- 株式CFD
- 株価指数CFD
※上記レートは参考レートであり、取引が保証されるものではありません。株式のレートは少なくとも15分遅れとなっております。