米国株上昇加速 S&P500最高値接近 エヌビディア3割急騰
S&P500は8日続伸で最高値まであと1%に迫った。エヌビディアの株価は2週間足らずで3割上昇している。
アメリカの株式市場の勢いが加速した。S&P500種株価指数の19日の終値は前日比0.97%高。8日続伸の末、7月中旬につけた最高値まであと1%に迫っている。決算発表を約1週間後に控えるNVIDIA(エヌビディア)の株価も2週間足らずで3割超上昇しており、エヌビディアの好業績が半導体株全体の今後の見通しを明るくするとの期待も感じられる。ただし米国経済の先行き不透明感に変わりはなく、21日発表の7月連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨などで雇用情勢への不安が強まるなどすれば、投資家心理の改善にブレーキがかかる可能性がある。
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アメリカのS&P500は8連騰 最高値まで1%
S&P500(SPX)の19日の終値は5608.25。長期金利の低下が好材料になった2023年10月末から11月初旬にかけて以来の8営業日続伸となった。7月16日につけた最高値(5667.20)までは、あと1.04%の上昇で到達する水準となっている。また、8月5日の直近の安値(5186.33)からの上昇率は8.14%だ。
エヌビディアは2週間足らずで30%上昇 半導体株に波及
S&P500の勢いを象徴するのは半導体株の値動きだ。人工知能(AI)ブームの立役者であるエヌビディアの株価(NVDA)の19日の終値は130ドル。7日につけた直近の安値(98.91ドル)からは31.43%高となっている。エヌビディアは8月28日に2024年5-7月期決算を発表する予定で、好決算や前向きな業績見通しが示されるとの期待が株価を押し上げているようだ。
FOMC議事要旨がS&P500の見通しに影響も
ただしS&P500を最高値から転落させるきっかけとなった米国経済の今後の見通しに関する不安が解消されたわけではない。大手ハイテク企業の4-6月期決算発表では利益面での不安が株価下落を招き、7月雇用統計では失業率が4.3%まで上昇したことが悪材料となった。その後は7月消費者物価指数(CPI)や7月小売売上高で確認された米国経済の堅調さがS&P500の値上がりの裏付けとなったが、今後も週次で発表される失業保険関連統計や9月6日発表の8月雇用統計などが市場予想を下回るなどした場合には、投資家心理が冷え込む可能性がある。
こうした中で21日午後2時(日本時間22日午前3時)に公表される7月末のFOMCの議事要旨ではFRBの雇用情勢についての見立てが焦点になりそうだ。ジェローム・パウエル議長は31日のFOMC後の記者会見で労働市場が良好な状態にあることを強調していたが、議事要旨の中で示される事務方の経済見通しや参加者の意見の中で、労働市場の悪化などへの懸念が際立っていた場合には、株式市場で悪材料視されてS&P500を下押しする可能性も考えられる。
また、これに先立つ21日午前10時(日本時間21日午後11時)には米労働省が就業者数の年次改定の速報値を発表する。2024年3月までの就業者数が見直され、確定値は2025年2月に発表される。こちらでも大きな下方修正があれば、S&P500の逆風になりそうだ。
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