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テスラ、収益性で結果出せるか 19日決算発表 株価と販売台数は急伸

テスラは4-6月期決算で株高の正当性を問われる。販売台数は急増したが、収益性を示せなければ投資家の失望を買いかねない。

出所:ブルームバーグ

電気自動車(EV)大手のテスラが19日に発表する2023年4-6月期決算は増収増益が見込まれている。テスラの株価は前回の決算発表後、イーロン・マスクCEOの収益性よりも販売台数を拡大させる戦略が不安視されて下落。しかしこのところは4-6月の販売台数が過去最高となったことや、テスラの充電ネットワークに他社が参加するという前向きなニュースを受けて、株価は急上昇している。ただ、投資家はやはり販売面に加えて、テスラがどれだけ利益を上げられるかにも注目しており、決算内容次第では株価に下落圧力がかかる可能性もある。

テスラの2023年4-6月期決算は増収増益の予想

テスラは19日の取引時間終了後に4-6月期決算を発表する。決算会見は19日午後5時30分(日本時間20日午前6時30分)に開かれる。金融情報会社リフィニティブのデータによると、テスラの4-6月期決算に関する市場予想は、総収入が前年同期比45.1%増の245.7億ドル、調整ベースの1株当たり利益は8.4%増の0.82ドルとなっている。テスラは過去13回の四半期決算のうち、総収入と1株当たり利益で、それぞれ2回ずつ市場予想をクリアできなかった。

テスラの業績(総収入、1株当たり利益)の推移

テスラの株価(TSLA)はEV普及への期待に後押しされ、2021年11月4日には409.97ドルの上場来高値を付けた。しかしその後は株価下落に見舞われ、2023年1月3日には底値である108.10ドルまで値下がり。11日の終値は269.79ドルで、上場来高値の3分の2程度となっている。

リフィニティブによると、直近の株価と今後12か月の予想収益から算出される株価収益率(PER)は64.4倍で、自動車大手のゼネラル・モーターズ(5.9倍、GM)やトヨタ自動車(9.6倍、7203)と比べれば大きく割高。中国のEV大手のBYD(24.9倍、1211)と比べてもやはり割高だ。アナリストが提示する目標株価の平均は207.53ドルで、すでに足元の株価は目標を上回っている。43人のうち6人が強い買い、12人が買いを推奨。19人は維持、2人は売り、4人は強い売りを勧めている。

テスラの株価は直近の3か月で44%上昇

テスラの株価に割高感が出ているのは、これまでの値上がりが急激だったためだ。テスラの株価は、マスクCEOが1-3月期の決算発表時に「低い利益率で多くの車を売る」との方向性を示したことなどが悪材料と受け止められ、1週間後の4月26日までに株価が約15%下落。しかしその後は改めて成長性への期待が高まり、直近3か月の値上がり率は44.4%で、S&P500種構成銘柄の中で6番目の高さだ。2022年末との比較では株価は2.2倍に上昇。5月25日から6月13日にかけて上場来の最長記録となる13営業日連続の値上がりを記録している。

こうした成長性への期待は、テスラが7月2日に発表した販売実績でも証明された。4-6月の販売台数は四半期として過去最高の46.6万台で、前年同期比83%増という勢いは投資家を驚かせた。5月から6月にかけては、フォード・モーターやGMがテスラの充電設備網を利用すると発表し、米国や中国でテスラ車を含むEVへの購入支援が米中で継続になるといった材料も株式市場で好感された。

ただ、それでも投資家はテスラに販売拡大だけでなく、収益性も期待していることは間違いない。テスラの粗利益率は1-3月期に20%を割り込んでおり、4-6月期決算では、マスク氏のシェア拡大戦略の是非が改めて問われることになる。

テスラの販売台数と粗利益率の推移

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