テスラ、決算発表後に株価下落 一時5%超安 粗利率低下
テスラの2023年4-6月期決算は市場予想を超えたが、株価は下落した。マスクCEOは販売拡大路線の維持を強調した。
電気自動車(EV)大手のテスラは19日の取引時間終了後、2023年4-6月期決算を発表した。総収入と1株当たり利益が市場予想を上回る好決算だったが、粗利益率は1-3月期からさらに低下。2023年に入ってからの値下げ戦略の影響が出た形となった。この結果を受けて、テスラの株価は19日の時間外取引で一時、5%超下落。一方、イーロン・マスクCEOは経済情勢次第で価格引き下げを続ける考えを示し、あくまで販売台数の拡大に力を入れる考えを強調している。
テスラの2023年4-6月期決算は総収入が47.2%増
テスラの4-6月期の総収入は249.27ドルで、前年同期比47.2%増。金融情報会社リフィニティブがまとめた直前の市場予想の244.78ドルを上回った。また、調整ベースの1株当たり利益は20.3%増の0.91ドル。こちらも直前の市場予想の0.82ドルを上回った。
ただ、総収入に対する粗利益の比率(粗利率)は18.2%となり、1-3月期の19.3%から低下。粗利率は2022年1-3月期には29%を超えていただけに、収益性の悪化が続いている形だ。テスラはEV市場の競争が激しくなる中で、2023年に入ってから値下げを繰り返してきた。米紙ウォールストリート・ジャーナルによると、米国での値下げ率は14-28%に達しているという。この結果、テスラの販売台数は1-3月期は36%増、4-6月期は83%増と急伸しているが、利益率にはマイナスの影響が出ている。
こうした決算内容を受けて、19日の時間外取引でテスラの株価(TSLA)は下落し、一時275ドル台後半をつけた。19日の終値(291.26ドル)から5%超の値下がりだ。成長性への期待から今年に入って2.4倍になった株価上昇にブレーキがかかった形だ。
マスクCEO「経済が不安定なら値下げ」
ただしマスク氏は19日の決算会見で改めて価格戦略の正当性を強調した。値下げの狙いには、経済の先行きが不透明だったり、自動車ローン金利が上昇したりしている中でも消費者がEVを買いやすくすることがあるとし、「経済情勢が安定的であれば価格も安定的になる。もしも経済情勢が安定的でなければ、価格を下げなければならない」と説明。当面は販売台数の拡大を重視する考えを示した。
また、マスク氏はテスラの長期的な成長への自信を示し、テスラの企業価値は5倍、10倍になるとの見方を示した。テスラをめぐっては、好調な販売に加え、フォード・モーター(F)やゼネラル・モーターズ(GM)といったライバルがテスラの充電設備網を使うことを決めるといった前向きな話題も多い。テスラの株価は1-3月期の決算発表後にも収益性の低下が悪材料とみなされて下落しており、今後も成長性への期待と収益性の先行きへの不安の中での値動きが続きそうだ。
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