テスラ株が10連騰で28%高 最長タイまであと1日 中国市場など追い風
テスラの株価が最長連騰記録に迫っている。中国や米国でのEV購入支援策が追い風となっているが、先行きには不安もある。
電気自動車(EV)大手、テスラの株価(チャート)が勢いづいている。8日までに10営業日連続で上昇し、この間の値上がり率は約28%に達した。最長記録の11連騰に迫る好調ぶりだ。中国や米国での政府のEV購入支援などがテスラの追い風になるとの見方が強まっているためで、株式市場でEVの成長性が改めて注目されている形だ。ただ、テスラ株は今年初めまでの1年強で株価が4分の1になったこともあるだけに、先行きの不安は拭えない。
テスラ株上昇は中国や米国市場での期待が後押し
テスラ株の10連騰が始まったのは5月25日から。この日は、自動車大手のフォード・モーターが北米で、自社のEVがテスラの充電設備を使えるようにすると明かし、テスラの充電設備が業界標準になるとの期待が高まった。6月8日にはゼネラル・モーターズ(GM)も同様の取り組みを発表している。
また、中国や米国での政府のEV支援策もテスラへの期待を後押ししている。イーロン・マスクCEOは5月30日から中国を訪問。その後、中国政府がEVを含む新エネルギー車への購入支援を延長すると報じられ、5月の中国でのテスラ車販売が好調だったこともニュースになった。
さらに6月6日にはテスラの主力車種であるモデル3に関して、全車種が米国の税額控除を完全に受けられることをバイデン政権が認めた。モデル3は4月の制度変更で、一部の車種が税額控除を半分しか受けられない状態になっていたが、テスラが車載電池の調達先を変更し、改めて税額控除の完全適用が認められるようになったとみられている。
こうした好材料の結果、テスラ株は8日の終値で234.86ドルまで値上がりし、5月24日の終値(182.90ドル)からの上昇率は28.4%となった。9日も株価が上昇すれば、これまで最高だった11連騰(2020年12月23日から2021年1月8日)に並ぶ。今年に入ってからの上昇率は90.7%で、半導体大手のNVIDIA(エヌビディア)や、SNSのフェイスブックなどを運営するメタ・プラットフォームズなどとならぶ人気ぶりだ。
今年初めまでに株価が4分の1になったことも
ただ、テスラ株は2021年11月4日に409.97ドルの上場来高値をつけてから2023年1月3日までの14か月で約74%の下落を演じたこともある。直近でも2023年2月15日に214.24ドルをつけた後、4月26日までに約28%値下がりした。この間には、2023年1-3月期決算が発表され、収益性の低下が不安視されたことも値下がりの要因となっている。
政府の支援策などの追い風を受けつつ、利益を生みながら成長を続けられるかどうかがテスラの株価の先行きを左右しそうだ。
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