テスラ株3割安 6週で時価総額35兆円減 7大銘柄の後継は?
テスラの株価が6週間で3割下落。成長期待が薄れる中、「マグニフィセント・セブン」からの降格や後継銘柄選びも話題だ。
電気自動車(EV)大手、テスラの株価が下落を続けている。足元の株価は12月につけた直近の高値から3割安の水準。時価総額でみると、6週間で約35兆円もの価値が吹き飛んだ。テスラはアメリカの金利上昇のあおりを受けているうえ、1月24日の2023年10-12月期決算発表に際しては、2024年の販売に関して弱気な見通しを示している。中国のライバル、BYDの追い上げも受ける中、アメリカの株式市場を引っ張ってきた7大銘柄「マグニフィセント・セブン」からの降格や後継銘柄選びも話題になっている。
テスラの株価は6週間で29.2%下落
テスラ株(TSLA)の6日の終値は185.10ドル。前日比では2.23%高だったが、12月27日につけた直近の高値(261.44ドル)からの下落率は29.20%に達している。時価総額はこの間、8311億ドルから5895億ドルまで減少。減少幅の2416億ドルは、この期間のドル円相場の平均(1ドル=145.82円)で換算すると、約35兆2300億円に相当する。
テスラ株の下落の背景にあるのは長期金利(10年物米国債利回り)の上昇だ。LSEGのデータによると、テスラ株が直近の高値をつけた12月27日の長期金利は3.789%で、2023年7月19日(3.742%)以来の低水準。その後、長期金利は上昇基調となり、年明けの1月24日には4.178%をつけた。イーロン・マスクCEOは、金利が高くなれば自動車ローン負担が増すため、消費者がEVを買いにくくなると指摘している。
こうした中、テスラは2024年の販売に悲観的だ。10-12月期決算発表に際しては、2024年の車両台数の伸び率に関して「2023年の実績よりも著しく低くなる」と言及。投資家に対して2023年の販売台数の伸び率(約38%)からの落ち込みを警告した。決算発表翌日の1月25日の株価は前日比12.13%安となり、下落に拍車がかかった。テスラは販売の伸びが鈍化する理由について、2025年が想定されている次世代車の投入に向けた準備に力を注ぐことを挙げている。
テスラは中国のライバルBYDからの追い上げも受ける
また、テスラは10-12月期には世界最大のEVメーカーの座をライバルである中国のBYD(1211)に明け渡している。テスラの10-12月期の販売台数は48万4507台で、BYDが発表したEV乗用車の販売台数52万6409台を下回った。2023年の販売台数ではテスラの180万8581台がBYDの157万4822台を上回っているが、BYDの前年比伸び率は72.84%という高さで、テスラの勢いとの差は明らかだ。
テスラはBYDのお膝もとである中国市場での伸び悩みも目立つ。中国乗用車協会(CPCA)が発表したテスラの1月の中国製自動車販売台数は7万1447台。前年同期比8.2%増で、2023年下半期の12.7%から減速している。
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