テスラ株、12%急上昇 好決算発表 2025年販売は大幅増の見通し
テスラの株価は23日の時間外取引で急騰。7-9月期の好決算と2025年の強気な販売見通しが評価された。足元では金利高という逆風も吹いている。
電気自動車(EV)大手のテスラの株価が23日の時間外取引で急騰した。取引時間終了後に発表した2024年7-9月期決算で、利益が市場予想を超えたことが評価されたためだ。また、イーロン・マスクCEOは2025年の販売について2024年よりも2、3割大きくなるとの見通しを示し、投資家に好感されている。マスク氏の強気の背景には2025年前半の新型車販売に向けた自信があるとみられるが、足元では米国での金利上昇といった逆風も吹いており、業績の今後の見通しには不透明感も漂う。
テスラの株価が時間外取引で12%上昇 5四半期ぶりの増収発表
テスラの株価(TSLA)は23日の時間外取引を239ドル程度で終えた。23日の終値(213.65ドル)との比較では、約12%高にあたる水準だ。テスラの株価は9月30日にピーク(261.63ドル)をつけてから、10日夕方の人工知能(AI)を活用した「サイバーキャブ」の試作車発表でも勢いづかなかっただけに、久々の前向きな値動きといえる。
株価急騰の要因は23日の取引時間終了後に発表した7-9月期決算だ。総収入は前年同期比7.8%増の251.82億ドルで、4-6月期の2.3%増から成長が加速。またテスラ決算で投資家が注目する調整ベースの1株当たり利益(EPS)は0.72ドルで、9.1%増となった。テスラの増収は5四半期ぶりだ。LSEGによると、決算発表直前の市場予想は総収入が253.73億ドル、1株当たり利益は0.58ドルで、総収入は市場予想を下回ったが、利益では予想を超えた。
自動車事業は3四半期ぶり増収 2025年の販売は20-30%増の見通し
また、自動車事業の7-9月期の収入は200.16億ドルで、前年同期比1.99%増。市場で見込まれていた3.0%増は下回ったものの、3四半期ぶりに増収に復帰した。テスラは販売台数確保のための値下げ戦略が収益の悪化要因となってきたが、状況は改善したようだ。テスラ全体での粗利益率は7-9月期に19.84%となり、2022年10-12月期(23.76%)以来の高さとなった。
さらに投資家を驚かせたのはマスク氏が示した2025年の販売見通しだ。マスク氏は23日の決算会見で、「より低価格な新型車の販売を2025年前半に開始するための軌道に乗っている」と説明。そのうえで2025年の販売台数に関し、「おおざっぱな想定としては20-30%の成長」と述べた。テスラの1-9月の販売台数は前年同期比2.3%減で、マイナス成長となっているだけに、株価上昇を勢いづける結果となった。
足元では長期金利上昇の逆風も 10-12月期の利益率は低下か
ただ、テスラの販売が新型車販売で勢いづくとしても、当面の間は厳しい経営環境が続く可能性がある。足元での金融市場では長期金利(10年物米国債利回り)が上がっており、自動車ローン金利の上昇が消費者のEV購入時の負担を重くしているとみられるからだ。4月から9月中旬にかけては長期金利が低下傾向だったこととは対照的だ。
テスラのバイブハブ・タネジャCFOは23日の決算会見で、足元の経済状況を踏まえれば、「10-12月期に現在の利益率を維持することはチャレンジングだ」と言及。マスク氏も「金利が下がれば、EV需要に大きな効果があり、業績の後押しになる」と述べた。ただ、長期金利上昇の背景にはマスク氏が支持を表明している共和党のドナルド・トランプ前大統領が大統領選挙で有利に立っていることも影響していると考えられ、テスラの業績の今後の見通しに不透明感があることは否めない。
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