テスラ、荒れる株価に再波乱も 22日決算 EV復活見通し示せるか
テスラは22日に2025年1-3月期決算を発表する。EV事業は厳しい内容が見込まれる中、マスクCEOが復活の道筋を示せるかが注目される。

電機自動車(EV)大手のテスラが22日に行う2025年1-3月期決算発表は販売回復への期待をつなげるかが焦点となる。テスラがすでに発表している1-3月期のEV販売台数は前年同期比13%減。決算で明かされる自動車事業の収入なども厳しい内容となれば、最高値から半減する場面も出た株価に再び下落圧力がかかることは避けられない。ただ、テスラの決算発表では業績だけでなく、イーロン・マスクCEOの発言が株価を上昇させるケースも目立つ。テスラの株価が再浮上するどうかは、マスク氏がEV復活の道筋を示せるかにかかっていそうだ。
テスラは22日に2025年1-3月期決算を発表 増収増益の見通し
テスラはアメリカ東部時間の22日午後5時30分(日本時間23日午前6時30分)から決算会見を開く。ブルームバーグがまとめた市場予想によると、総収入は前年同期比3.7%増の220.99億ドルになる見通し。テスラ決算で投資家が注目する調整ベースでの1株当たり利益(EPS)は4.4%増の0.47ドルと予想されている。テスラは直近20回の四半期決算のうち、前回を含む8回で総収入が市場予想を超えられなかった。また1株当たり利益でも前回を含む8回で、市場予想をクリアできなかった。

テスラの株価は大荒れ 2か月で2.2倍になった後、3か月で半減
テスラの株価(TSLA)は2024年10月23日の7-9月期決算発表を境に株価が急騰。マスク氏が蜜月関係を築いているドナルド・トランプ氏が11月の大統領選挙で勝利したこともあり、12月17日には上場来高値となる479.86ドルをつけた。決算発表からの約2か月で株価が2.2倍以上になる急騰だった。しかしその後はトランプ氏の高関税政策への不安の高まりや、欧州などでのテスラの販売不振が要因となって株価は急落。2025年3月には高値からの半値以下の水準に落ち込んだ。4月14日の終値は252.35ドルだ。

ブルームバーグによると、直近の株価と今後12か月の予想収益から算出される株価収益率(PER)は14日時点で89倍程度。最高値をつけた4か月前(約149倍)からは割高感が和らいでいるものの、株価急騰が始まる直前の2024年10月23日段階での約70倍よりは依然として割高といえる。アナリストが提示する目標株価の平均は318.04ドルで現状よりも26%高い。60人のアナリストのうち、33人は買い、14人は維持、13人は売りを推奨している。
テスラの1-3月は販売台数が13%減 EV事業は5%の減収見通し
テスラの株価が急落した背景には販売不振がある。テスラが2日に発表した1-3月期の販売台数は33万6681台で前年同期比13.0%減。テスラはSUVタイプのモデルYの刷新のため、世界4工場の改装を行ったことで生産台数が落ちたことが影響したと説明している。また、マスク氏がトランプ政権と深く関わっていることが、米国や欧州での不買運動につながっていることも販売急減の要因になっている可能性がある。さらに中国では地元のEV大手BYDとの競合が激化しており、販売は不振だ。

このため、テスラの業績を自動車事業に限ってみれば、1-3月期の収入は前年同期比5.19%減の164.75億ドルとなる見通し。これに対して、大型蓄電池などのエネルギー関連事業は成長が見込まれており、テスラの事業全体としての増収が見込まれる要因となっている。しかし自動車事業は総収入の4分の3を占めるだけに、22日に発表される自動車事業の収入が予想から下振れすれば、株価に下落圧力がかかることは避けられない。

EV事業復活の道筋示せるか 低価格新型車や完全無人運転サービスに言及は?
ただ、テスラの株価はマスク氏の発言を手がかりとして上昇するケースも多い。2024年秋からの株価急騰のきっかけとなった2024年7-9月期決算発表は、自動車事業が3四半期ぶりの増収。これに加え、マスク氏が2025年前半の「より低価格な新型車」の販売に自信を示しつつ、2025年の販売台数で2-3割の成長を実現できるとの見通しを示したことが起爆剤となった。さらに2025年1月29日の2024年10-12月期決算発表は業績自体は市場予想を下回る冴えない結果だったが、やはり、マスク氏が完全無人運転の有料運行を6月からテキサス州で始めると述べて、翌日から2営業日の株価が上昇した。
このため22日の2025年1-3月期決算会見では改めてマスク氏の発言にも注目が集まる。6月までの低価格新型車の投入や6月の無人運転の有料運行の実現に自信が示されれば、好材料としてみなされる可能性もありそうだ。
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