テスラ株が急騰 新型車発売見通しを前倒し 1-3月期決算は予想割れ
テスラは2025年前半に新型車を発売すると表明。1-3月期決算は予想を下回る悪い内容だが、株価は13%超値上がりしている。
電気自動車(EV)大手のテスラが23日の取引時間終了後に発表した2024年1-3月期決算は事前予想を下回る悪い内容だった。一方、テスラはこれまで2025年後半としていた新型車の発売時期の見通しを2025年前半へと前倒し。テスラの株価(TSLA)は時間外取引で13%超値上がりしている。また、イーロン・マスクCEOは4-6月期の業績については1-3月期から大きく改善するとしており、投資家にとっては安心材料といえそうだ。
テスラの1-3月期決算は総収入と1株当たり利益が予想割れ
テスラの1-3月期決算は、総収入が前年同期比8.7%減の213.01億ドルで、2020年4-6月期以来の減収。また、テスラ決算で投資家が注目する調整ベースの1株当たり利益(EPS)は47.1%減の0.45ドルだった。LSEGがまとめた直前の市場予想は、総収入が221.51億ドル、1株当たり利益が0.51ドルだった。発表された数字はいずれも予想を下回る悪い決算だった。
また、2日に発表済みの1-3月期の販売台数は前年同期比8.53%減の38万6810台。23日の決算発表でも、前回決算発表時と同様に、2024年の販売台数の成長は2023年に比べて「著しく低くなる」との警告を発した。1-3月期の粗利益率は17.35%で、10-12月期(17.63%)から低下が進んだ。
テスラは新型車を2025年前半に発売する見通しに
一方、テスラは決算発表資料の中で、複数の新型車の販売に向けた準備を加速していると言及。これらの新型車には低価格モデルも含まれ、開発のために次世代車のプラットフォームと既存モデルのプラットフォームの両方を活用しているという。生産は既存の生産ラインで行うことができる。マスク氏は23日の決算会見で、新型車の発売時期の見通しについて2025年前半になると述べた。1月25日の10-12月期決算発表時は、次世代車の投入時期について「2025年後半」との目標を示していた。
こうした新型車に関する情報発信を受けて、テスラ株は23日の時間外取引で大きく上昇し、163ドル台後半で取引される場面も出ている。23日の終値(144.68ドル)との比較では13%超の値上がりにあたる水準だ。テスラの株価は23日終値時点で、2023年末比41.77%安になっていた。
マスクCEO、4-6月期は「かなり良くなる」
テスラは1-3月期の販売台数の低さについて、季節要因のほか、中東情勢の悪化やドイツ・ベルリンの生産工場が放火で操業停止に陥ったことなどの影響を受けたと説明している。マスク氏は決算会見で4-6月期の見通しについて、1-3月期よりも「かなり良くなる」との自信を示した。発売時期が前倒しされた新型車の詳細や価格帯は明らかではなく、需要の頭打ちが指摘されるEV市場の復活につながるか不透明さはあるものの、投資家は株価下落に歯止めがかかるとの期待を抱いているようだ。
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