テスラ、株価に下落圧力も 23日決算 自動車事業の見通し晴れるか
テスラの2024年7-9月期決算は自動車事業の収入が伸びるかが焦点。投資家の期待を裏切れば、株価に下押し圧力がかかることも考えられる。
電気自動車(EV)大手、テスラが23日に発表する2024年7-9月期決算は自動車事業の収入を伸ばして、明るい今後の見通しを示せるかが焦点だ。公表済みの7-9月期の販売台数は市場予想を下回っており、収入の伸び悩みにつながっていることが確認されれば、株価には下落圧力が働きそうだ。またテスラは利益面でも減益が予想されており、株価の重荷になっている。テスラのイーロン・マスクCEOは無人タクシーの生産を2026年に始める見通しを示すなどして投資家の期待をつなごうとしているが、足元の業績次第で投資家心理が冷え込む可能性がある。
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テスラの2024年7-9月期決算は増収減益の見通し
テスラはアメリカ東部時間の23日午後5時30分(日本時間24日午前6時30分)に決算会見を開く。LSEGのデータによると、テスラの7-9月期決算に関する予想は、総収入が前年同期比8.5%増の253.32億ドル。テスラ決算で投資家が注目する調整ベースでの1株当たり利益(EPS)は12.1%減の0.58ドルと予想されている。テスラは過去18回の四半期決算のうち5回で、総収入が市場予想を超えられなかった。また1株当たり利益では直近の4回を含む6回で市場予想をクリアできなかった。
テスラの株価は2023年末比で11.63%安の水準
テスラの株価(TSLA)は4月22日に2023年末比で42.83%安にあたる142.05ドルまで下落。しかし翌23日の1-3月期決算発表を機に株価は上がり始め、10月15日の終値(219.57ドル)では11.63%安まで戻している。ただし7月10日に年初来高値(263.26ドル)をつけた後は、上昇の勢いが途絶えている。
LSEGによると、直近の株価と今後12か月の予想収益から算出される株価収益率(PER)は75.05倍で、前回決算発表前にあたる7月中旬の83倍程度からは割高感が抑えられた。とはいえ、中国EV大手のBYD(1211)の16.82倍や、トヨタ自動車(7203)の7.70倍など他の自動車メーカーと比べれば割高感は圧倒的だ。
アナリストが提示する目標株価の平均は210ドル程度。10月に入ってから300ドルに引き上げる動きもあるが、153ドルに引き下げるケースもある。54人のアナリストのうち8人が強い買い、14人が買いを推奨。19人は維持を勧めている。一方、9人は売り、4人は強い売りを勧めており、大手ハイテク株の中では株価に悲観的な見方が目立つ。
テスラの自動車事業が減収になれば株価は下落か
テスラの7-9月期の業績は2四半期連続の増収が予想されているが、投資家の納得感は得られない可能性がある。前回の4-6月期決算は前年同期比2.3%増の増収だったが、大型蓄電池などのエネルギー関連事業に助けられた側面が大きかったからだ。自動車事業に限ってみれば、4-6月期の収入は6.54%減で、1-3月期(12.9%減)につづく減収。主力事業の不振を悪材料視して、決算発表翌日(7月24日)の株価は前日比12.33%安と急落した。
テスラが10月2日に発表した7-9月期の販売台数は前年同期比6.4%増の46万2890台だったが、市場予想は下回った。値引き戦略の影響次第では、7-9月期の自動車事業の収入が3四半期連続のマイナスとなる可能性もある。LSEGのまとめでは7-9月期の自動車事業の収入は3.0%増の202.14億ドルとみられており、この水準をクリアできるかが焦点となりそうだ。
テスラの決算は利益面でも不安 市場予想超えられるか
また、テスラの業績をめぐっては1株当たり利益の低迷も続いている。7-9月期決算で市場予想を超えられなければ5四半期連続の予想割れとなり、1年超にわたって投資家の期待を裏切り続けることになる。
こうした中、テスラは前向きな情報発信に懸命だ。10月10日夕方には人工知能(AI)を活用した無人タクシーの試作車「サイバーキャブ」を公開し、2026年に生産を始めると表明した。しかし翌11日の株価は8.78%安となり、投資家の反応は冷ややかだった。テスラの株価の値動きからは投資家が未来予想図ではなく、足元の成長や利益に直結する施策を求めていることが感じられ、23日の発表内容次第で改めて今後の株価の見通しが暗くなることも考えられそうだ。
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