米ドル高の調整局面 / ドル円とユーロドルのチャートポイントについて
今日のポイント:『米金利は低下基調にある。外為市場では米ドル高を調整する局面にある。ドル円とユーロドルのチャートポイントは?』詳細はマーケットレポートをご覧ください。
米ドル高の調整局面
昨日の米長期金利(以下では米金利)は、1.65%台まで低下した。欧州タイム以降、米金利の低下圧力が高まったが、この動きに合わせてドルインデックは92.26レベルまで低下した。
『米金利の動向に左右される米ドル相場』という状況が昨日の動向からうかがえる。
米長期金利とドルインデックスのチャート
上の状況を踏まえた上でドル円とユーロドルのリスクリバーサル(1週間)を確認すると、市場の短期予測は米ドル安に傾いていることがわかる。
実際の相場は米金利の動向に左右されるだろう。しかし、その米金利は現状、良好な指標データやバイデン政権が打ち出した巨額のインフラ政策(8年間で2兆ドル超)に対して無反応である。むしろ米債を買い戻す動きが出ている(米金利の上昇が抑制されている)。
米経済の回復が指標データで確認されていること、そしてバイデン政権による巨額の財政政策の影響も考えるならば、現在の金利低下は一時的な現象と考えることができる。
しかし、米金利の上昇が抑制されている現実を重視するならば、米ドル高の調整がどこまで進むのか?今はこの点を意識する局面にある。
市場の短期予測
ドル円のチャートポイント
111.00レベルがドル円のレジスタンスポイントとして明確になってきた。米金利が上昇する局面では、この水準の攻防が上値の焦点となろう。
一方、米ドル高の調整相場が続く局面では、新たなサポートポイントを探す必要がある。その候補として、目先は2つのポイントに注目したい。
ひとつは109.30レベルである。この水準は、先月の15~18日にドル円の上昇を抑制した経緯がある。レジスタンスポイントがサポートへ転換する場合は、ドル円の地合いの強さを確認することになろう。
また、今年の1月以降、ドル円をサポートしている21日MAが今日現在109.39レベルで推移している。テクニカル面でも109.30台はサポートポイントとして意識されやすい状況にある。
二つ目のポイントが108.30レベルである。この水準は今年の3月以降、ドル円の下値をサポートしてきた。
重要なサポートポイントである108.30台の維持に成功する場合も、ドル円の地合いの強さを市場参加者に印象付けよう。
ドル円のチャート
ユーロドルのチャートポイント
ユーロドルは、昨日指摘した21日MA(1.1854)を大陽線で上方にブレイクした。上述した米金利とリスクリバーサルの動向も考えるならば、今日も米ドル高の調整による反発地合いを意識したい。
次の上値ターゲットは、フィボナッチ・リトレースメント61.80%の水準にあたる1.1880レベルである。昨日は、このテクニカルポイントの手前で上昇が止められた。
また、1.1880の水準は3月の下旬に相場をサポートした経緯がある。サポートポイントがレジスタンスポイントへ転換する場合、ユーロドルの地合いの弱さを市場参加者に印象付けよう。
一方、米金利の低下が続くことで1.1880の突破に成功する場合は、3月にユーロドルの上値を抑制し続けた1.1990レベルまでの戻りを想定したい。
だが、現在のユーロドルの反発は単なる調整である。ユーロを積極的に買う材料が出てこない限り、1.20手前で反落する展開を現時点では予想している。
ユーロドルのチャート
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