ドル円、ポンドドル、ポンド円それぞれの焦点
サマリー:『米金利がレンジ相場を維持する限り、ドル円も同様の展開を予想する。ポンドドルは1.4160の攻防が焦点。ポンド円は153.40の維持が焦点。それぞれのチャートポイントは?』詳細はマーケットレポートをご覧ください。
ドル円の焦点
17日の米債市場では、米長期金利(以下では米金利)が1.63%から1.65%台へと反発した。しかし、レンジの上限1.7%を一気にトライするムードはなく、依然として1.5~1.7%のレンジで上下に振れる展開が続いている。
米金利がレンジ相場を維持する限り、ドル円(USDJPY)も同様の展開を予想する。事実、昨日は109円前半で売り買いが交錯した。
今日は米住宅関連指標が発表される。市場予想以上ならば、個人消費の拡大期待を背景に米金利がさらに反発する可能性がある。このケースでは、昨日のレポートで指摘したとおり、109.80レベルのトライおよび突破が焦点となろう。昨日の高値109.50レベルの突破は109.80トライのシグナルとして捉えたい。
昨日のドル円でひとつ気になったことは、米金利が反発したにもかかわらずドル円が陰線引けとなったことだ。
クロス円のまだら模様を考えるならば、米株安による円買い圧力が全面的に高まっているわけではない。一方、通貨オプション市場の参加者の短期的な予測を反映するリスクリバーサル(1週間)は、低下基調を維持している。そして対欧州通貨でも米ドル安優勢で推移している。
これらの状況を考えるならば、米ドル相場と金利の相関関係が一時的に崩れていると考えられる。よって、良好な指標データで米金利が反発しても、上で指摘したレジスタンスのポイントでドル円が反落する展開を警戒したい。
一方、下値の焦点は50日MAの攻防で変わらず。米金利の変動幅が限られる状況では、50日SMA(109.08レベル)の攻防に注目したい。
米金利が1.5%台へ低下する場合は、50日SMAのブレイクおよび短期サポートラインを視野に下落幅の拡大を予想する。このラインは今日現在、108.70レベルで推移している。
ドル円のチャート
ポンドドルの焦点
英国内でコロナワクチンの供給が進んでいることを受け、外為市場では同国経済の早期回復に対する期待が意識されている。ゆえに、米金利反発の影響を跳ね除け、昨日は陽線引けとなった。
今日は英国の4月失業率が発表される。予想(ILO方式)は4.9%となっている。今回の失業率で雇用情勢の改善が確認される場合、ポンドドル(GBPUSD)は素直にポンド買いで反応すると予想する。
このケースでは、昨日のレポートで指摘した1.4160レベルの突破が焦点となろう。50日MAから2%かい離すると相場が反落するパターンは気になるが、1.4160ブレイク後にこの水準がサポートへ転換するならば、今年2月下旬のようにかい離が拡大する展開を予想する(2月は3%台までかい離が拡大)。つまり、1.42を視野に上昇幅の拡大を予想する。
一方、下値の焦点は、昨日の安値1.4078の維持となろう。英失業率が予想以上に高く、かつ米金利の反発が重なる展開となれば、1.4078ブレイクを警戒したい。
ポンドドルのチャート
ポンド円の焦点
ポンドドルが1.4160レベルを完全に突破する場合、ポンド円(GBPJPY)もこの動きに追随しよう。
円相場の年初来パフォーマンスを確認すると、対米ドルでは5.4%の円安となっている。一方、対英ポンドでは8.5%の円安である。このパフォーマンス格差の主因は、『コロナワクチンの供給格差→景気回復スピードの格差』にあると筆者は考えている。
よって、英ポンド買いの圧力が一番強く、ワクチン接種が一番遅れている日本の通貨円は一番弱いという状況が続くと予想する。
ポンドドルが上昇トレンドを維持する場合、ポンド円は154.50のブレイクが焦点となろう。これを達成する場合は、155円を視野に上昇幅の拡大を予想する。
これら上値の水準を順調にクリアする場合、最終的にはフィボナッチ・プロジェクションの161.8%の水準157円レベルが視野に入る可能性があろう。
一方、下値の焦点は153.40レベルの維持である。この水準は、今年の4月上旬に相場の上昇を抑制した。そして直近はサポートへと転換している。
ポンド円が反落する局面でこの水準が新たなサポートポイントとして意識されるかどうか?この点は、今後のトレンドを考える上で重要な焦点である。
ポンド円のチャート
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