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今週の外為市場も米金利にらみの展開 / ドル円とユーロドルの焦点

今日のポイント:『今週も外為市場は米金利にらみの展開となろう。ドル円とユーロドルの焦点、および上下のチャートポイントは?』詳細はマーケットレポートをご覧ください。

Source: Bloomberg Source: Bloomberg

今週の外為市場も米金利にらみの展開

今週の外為市場は、引き続き米長期金利(以下では米金利)にらみの展開となろう。

目下のところ米金利は、1.2%へ向けて反発基調を維持している。このトレンドを維持する材料として目先注目すべきは、バイデン政策の行方と指標データである。

今月5日に発表された1月の米雇用統計は、ほぼ市場予想通りの内容だったが、非農業部門雇用者数の伸びは抑制される状況が続いている。また、失業率は6.7%から6.3%へ低下したが、労働参加率が鈍化の傾向にあることを考えるならば、持続的な雇用対策が求められよう。

この点はバイデン米大統領も意識しており、5日の演説では低迷する雇用情勢について言及し、1.9兆ドルの経済対策を早期に実現すると発言した。

米債市場では経済対策の実行についてある程度織り込んではいるが、実際に実行されるならば、景気の回復とそれに伴うインフレの上昇により中長期的に米金利の押し上げ要因となろう。

一方、指標データでは、10日に発表される1月消費者物価指数(CPI)に注目したい。

現在の米金利はインフレ期待が意識され上昇している。コア個人消費支出(PCE)に続きCPIも市場の予想を上回る内容となれば、こちらも米金利の上昇要因となろう。

一方、市場予想を下回る内容ならば、米金利の低下要因となろう。しかし、上で述べた経済対策が実行される可能性を考えるならば、さえないCPIで米金利が低下しても一時的な現象で終わるだろう。

米雇用関連指標の動向

米雇用関連指標の動向

ドル円の焦点

今週のドル円は、調整の反落を挟みながら106円台へ上昇するかどうか?この点が焦点となろう。

テクニカル面では、昨年6月の高値109.84と今年1月の安値102.57の半値戻しの水準106.20前後の攻防となるかどうか?この点に注目したい。

市場の短期的な思惑を反映するリスクリバーサル(1週間)に大きな変動は見られないが、ユーロドルやオセアニア通貨(豪ドル/NZドル)のそれらは上昇基調にある。通貨オプション市場の参加者は、これら通貨が対米ドルで短期的に買い戻される(米ドル安の)展開を意識している。

主要通貨ペアの短期予測

Source: Eikon 日足 リスクリバーサルは1週間

実際に米ドル安の展開となるかどうかは米金利の動向次第だが、1.2%付近では米債の投資妙味が意識されやすい水準であることを考えるならば、『米金利の低下→米ドル高の調整』という展開は常に意識しておきたい。

ドル円が下値をトライする場合は、89日MA(104.27レベル)がレジスタンスからサポートのラインへ転換するかどうか?この点に注目したい。

このMAがドル円をサポートするか、もしくはこのMAをトライすることなくドル円が再び上昇する展開となれば、地合いの強さを市場に印象付けよう。

ドル円のチャート

ドル円のチャート

ユーロドルの焦点

5日のレポートで指摘したとおり、ユーロドルは日足の一目雲にサポートされ反発している。

上で述べたとおり、ユーロドルのリスクリバーサル(1週間)が上昇基調へ転じていることも考えるならば、今週は戻り高値の水準を探る展開となろう。

先週は1.2050手前で上値が抑制された。この水準は、サポートポイントとしてユーロドルを支えてきた経緯がある。その水準を突破できるかどうか?それともサポートからレジスタンスへ転換するのか?まずはこの点に注目したい。

1.2050の上方ブレイクに成功する場合は、1月上旬以降、ユーロドルの上値を抑制している21日MAのトライと突破が焦点となろう。このMAは今日現在1.2106前後で推移している。

一方、下値の焦点は、5日安値1.1950(日足一目雲)の維持となろう。米金利が1.2%の水準を目指す展開となれば、昨年後半にユーロドルの上値を抑制した1.1900がレジスタンスからサポートへ転換するかどうか?この点が次の焦点となろう。

ユーロドルのチャート

ユーロドルのチャート

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