米雇用統計後のドル円と米2年債利回りの動向に注目 / ドル円とユーロドルの焦点について
サマリー:『米雇用統計後のドル円と米2年債利回りの動向に注目。ドル円とユーロドルの焦点は?そして注目のチャートポイントは?』。詳細はマーケットレポートをご覧ください。
米雇用統計後のドル円と米2年債利回りの動向に注目
外為市場では、今晩の米雇用統計発表を前に米ドル買いが進行している。昨日発表されたISM製造業景況指数は市場予想を下回ったが、それでも米ドル買い優勢が続いている今の状況は、FRBの政策転換とそれに伴う米ドルの先高観を意識した動きと言える。
ドル円(USDJPY)は、筆者が注目していた111円台の維持に成功している。昨日は高値111.63まで上昇する局面が見られた。
このレポートで指摘しているレジスタンスポイント111.70レベルの突破にも成功する場合は、112円台が見えてこよう。
これらレジスタンスポイントのトライおよび突破のきっかけとして注目したいのが、今晩の米雇用統計である。金融情報ベンダーリフィニティブの予想では、非農業部門雇用者数変化は70.0万人、失業率は5.7%、平均賃金(前年同月比)は3.7%となっている。
かなり強い内容-例えば非農業部門雇用者数変化が90万人以上となり、失業率も前月からさらに低下する-といった強い内容となれば、FRBの政策転換が意識され、米債市場では金利が上昇する展開が予想される。
特に注目されるのが、ドル円と2年債利回りの相関性である。6月中旬以降、日米の2年債利回り格差が拡大すると同時に、ドル円の上昇圧力も増している。相関性の復活を思わせる動きである。
ドル円と米2年債利回りのチャート
米雇用統計の内容によってはドル売りも
今回の米雇用統計がかなり強い内容となれば、「米金利の上昇→米ドル買い」を予想する。ドル円(USDJPY)は、昨日のレポートで指摘した111.70および112円台のトライとなるか?この点に注目したい。
一方、今回の米雇用統計が若干市場予想を上回る内容(非農業部門雇用者数変化で70万人を少し上回る程度の内容)となるか、強弱まちまちの内容(非農業部門雇用者数変化と失業率のどちらかが予想以下の内容)のケースでは、すでに米ドル高が進行している状況を考えるならば、調整の米ドル売りを警戒したい。
また、総じて市場予想を下回るケースでも、同じく調整の米ドル売りを想定しておきたい。
昨日発表された6月のISM製造業景気指数は60.6と、予想の61.0を下回った。雇用指数も1ポイント低下し49.9と50を割り込んだ。筆者はADP雇用統計よりもISM指数の雇用の方が、米雇用統計との相関性が高いと考えている。今回の米雇用統計が市場予想を下回り米ドル売り優勢の展開となれば、ドル円は111円台の維持が焦点となろう。この水準の維持は、さらなる上値トライのシグナルと想定したい。
一方、111円を下方ブレイクする展開となれば、今週に入り相場をサポートした110.40レベルの維持が次の焦点となろう。
ドル円のチャート
ユーロドルの焦点
ユーロドル(EURUSD)は連日の陰線示現により、フィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準1.1835レベルをトライする動きが続いている。米金利の上昇が抑制され、かつ株安の圧力が高まっているわけでもないのにユーロドルが下落トレンドにあるということは、米ドルの先高観を意識した動きがユーロドル下落の根底にあると考えられる。
今晩の米雇用統計が強い内容となれば、ベースシナリオは米ドル買いである。よって、ユーロドルはフィボナッチ・リトレースメント76.4%を下方ブレイクする展開を想定したい。
このケースでは、1.1800、1.1794(4/6安値)そして1.1736(4/5安値)といった各水準での攻防に注目したい。
フィボナッチ・リトレースメント76.4%がサポートからレジスタンスへ転換することが確認される場合は、来週以降、1.17台の攻防へシフトする展開を予想する。
このケースでは、1.1700のレベルで二度下値がサポートされるかどうか?この点が焦点となろう。
一方、上値の焦点は、昨日の高値1.1884レベルの突破と1.19台への再上昇となろう。レジスタンスラインとして意識され始めている10日EMAは、今日現在1.1904レベルで推移している。
ユーロドルのチャート
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