米金利との相関性について / FED VS 金利の上昇 / ドル円のチャートポイント
米金利との相関性について
昨日の外為市場で筆者が注目したのは、米長期金利(以下では米金利)が1%台に乗せたことに対する米ドル相場の動向である。
対円では米ドル高の展開となった。一方、対豪ドルとNZドルでは米ドル安の展開となった。米金利の上昇に対して真逆の反応を示したこれら通貨ペアの動向は、米金利に対する相関性の違いを示している。
『米ドル安トレンドの中でドル円が反発するならば、米株高と金利の上昇が同時に発生する局面になる』と、このレポートで指摘してきた。米ドル安の圧力にドル円は圧され気味だが、昨日のドル円の反発は、米金利とドル円の相関性が徐々に高まっていることを示している。実際に下のチャートを見るとその傾向がわかる。
対照的に豪ドルやNZドルは対米ドルで上昇した(米ドルは下落した)。この事実は、これら通貨と米金利との相関性が低いことを示している。よって、豪ドルやNZドルのトレンドは株式市場の動向に左右されると予想する。
ドル円と米長期金利の動向
FED vs 金利の上昇
大規模な政策の効果とそれに伴う米国経済の回復を背景に、今年の米金利には上昇圧力が高まることが予想される。バイデン新政権が巨額の財政出動を志向していることも金利の上昇要因となり得る。
米金利が上昇し続けるならば、米国の実質金利も徐々に反発することになる。外為市場ではドル円だけでなく、他のドルストレートにもその影響が徐々に波及していこう。
しかし、現時点で米金利が上昇トレンドを描く可能性は低い。
コロナショックから完全に立ち直っていない米国経済の現状を考えるならば、FEDが米金利の持続的な上昇を看過する可能性は低いからだ。
どこかの時点で米金利の上昇を抑制するための対策をFEDは講じてくるだろう。その水準がどこなのか?今後はこの点が焦点となろう。そしてその水準が、米金利の上昇を抑制する新たなポイントとして米債市場で意識される可能性があろう。
米金利のチャート
ドル円のチャートポイント
昨日のドル円は103.44まで反発する局面が見られた。しかし、昨年11月の戻り高値105.67を起点としたレジスタンスラインの手前で反落した。株高と米金利の上昇が同時に発生しても上値が限定的だったこと、そして102円台を再び目指す展開となっていることも考えるならば、102.00を目指す地合いは続いている。
今日のドル円も米金利にらみの展開となろう。米金利の上昇が一服する場合は、102円台の攻防を想定したい。このケースでは102.50-60のサポートゾーンの攻防が焦点となろう。102.50にはビッドが観測されている。
一方、昨日と同じく『株高/米金利の上昇』となる場合は、上で述べたレジスタンスラインの突破が焦点となろう。このラインは今日現在103.50→103.40レベルで推移する。
レジスタンスラインの突破に成功する場合は、昨年12月28日の高値103.89レベルを次の焦点と想定したい。
ドル円のチャート
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