ISM指数は予想以上も雇用は低下 / ドル円と豪ドル米ドルの焦点
サマリー:『米金利の上昇は抑制されている。4日の米雇用統計前までドル円はレンジで推移する展開を予想する。今日も豪ドル/米ドルに注目。上下のチャートポイントは?』。詳細はマーケットレポートをご覧ください。
ISM指数は予想以上も雇用は低下
1日の米長期金利(以下では米金利)は、一時1.639%まで上昇する局面が見られた。しかし、上昇トレンドは続かず、未だ1.5~1.7%レンジでの推移が続いている。
一方、外為市場では新興国通貨や英ポンドを中心に米ドル買い優勢となるも、円や豪ドルでは売り優勢で推移した。
昨日発表されたISM製造業景気指数は61.2と、市場予想(60.9)を上回る内容となった。
しかし、雇用指数は前月の55.1から50.9へ低下した。4月と同じく、拡大する需要に対して労働力の供給が追い付いていない状況が浮き彫りとなった。
労働力(人手)不足の原因は様々だが、一番の要因は手厚い失業手当だろう。職探しを先送りする要因となるからだ。また、育児や介護で在宅を強いられるといった要因も考えられる。
ISM非製造業指数景気指数の雇用を確認すると、サービス業を中心に雇用が拡大している。しかし、3日に発表される最新(5月)のデータで製造業と同じく労働力の供給不足が確認される内容となれば、4日発表の雇用統計が市場予想から大きくかい離する可能性を意識しておく必要があろう。
ISM雇用指数の動向
上値の重いドル円 しかし下落幅が拡大するムードはない
昨日のドル円(USDJPY)は陰線引けとなった。ISM製造業景気指数が市場予想以上となっても、米金利の反応が鈍い事実を考えるならば、やはり市場の焦点は今週4日の5月雇用統計に集中していると考えられる。
よって、雇用統計が発表される前までは、米金利もドル円も大きく上昇する可能性は低いだろう。ドル円は引き続き110円前後で上値が抑制される展開を想定しておきたい。
一方、下値の焦点は、昨日のレポートで指摘した2つのEMAで変更はない。市場の短期的な予測を反映するリスクリバーサル(1ヶ月)に大きな動きが見られない状況も考えるならば、21日EMA(今日現在109.20レベル)で下値がサポートされる展開を予想する。
21日EMAのブレイクは、109.00トライのシグナルと想定したい。このケースでは、米金利の低下幅が拡大している状況が予想される。
だが、短期サポートライン(今日現在108.86レベル)をブレイクしない限り、110円台への上昇を常に意識しておきたい。短期サポートラインのすぐ下には、50日EMA(今日現在108.81レベル)が推移している。
ドル円のチャート
50日線の攻防が続く豪ドル/米ドル
昨日のRBAイベントにサプライズはなかった。豪ドル売りの局面は見られたが、豪ドル/米ドル(AUDUSD)は、50日EMA(今日現在0.7737レベル)での攻防が続いている。
今日は1-3月期のGDPが発表される(日本時間10時30分)。50日EMAでサポートされている状況でGDPが市場予想を上回る内容となれば、豪ドル/米ドルの上値トライを想定したい。このケースでは0.78の攻防となるかどうか?まずはこの点が焦点となろう。
0.78ブレイクに成功すれば、次の焦点は0.7820のトライである。0.7828のレベルはフィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準にあたる。
一方、豪ドル/米ドルの下落要因として意識すべきは、上で述べたGDPがさえない内容となること、そして米株の下落である。より注意すべきは後者の方と考えている。VIXやVXNは低い水準で安定した動きとなっているが、雇用統計を前に調整売りが入る可能性があるからだ。
米株の下落幅が拡大する局面では50日EMAブレイクを意識しておきたい。しかし、0.7680レベルを維持する限り現在の堅調地合いを維持すると予想する。
豪ドル/米ドルのチャート
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