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米ドル高の調整もドル円は底堅さを維持 / ドル円とユーロドル 今週の焦点とチャートポイント

今週の米債市場は経済指標の内容で上下に動く可能性あり。今日は住宅関連指標の反応に注目したい。ドル円とユーロドルの焦点は?今週注目しておきたいチャートポイントは?詳細はマーケットレポートをご覧ください。

出所:ブルームバーグ 出所:ブルームバーグ

米ドル高の調整もドル円は底堅さを維持


【サマリー】
・18日の外為市場は米ドル高を調整する動きとなった
・ドル円は138円台で底堅さを維持
・ドル円 今週の焦点とチャートポイントについて
・ユーロドル 今週の焦点とチャートポイントについて



・米ドル高の調整もドル円は底堅さを維持

18日の外為市場は特段の材料がない中、対主要通貨(G10通貨)で米ドル高を調整する動きが見られた。ドル円(USDJPY)は、安値137.88レベルまで下落する局面が見られた。しかし、すぐに138円台へ回復し底堅さを維持した。

通貨オプション市場のリスクリバーサル(ドル円 / 25R / 1ヶ月)を確認すると、ドル・プット傾斜の動きがひとまず後退しつつある(6日:-1.657 → 18日:-1.00)。

米ドル相場のパフォーマンス

米ドル相場のパフォーマンス ブルームバーグのデータより作成 / 7月18日のパフォーマンス


・米債市場は経済指標にらみ

米国の債券市場では、7月に入り2年債利回りに再び上昇の圧力が高まっている。

直近のドル円は、景気後退懸念でジリジリと水準が低下している10年債利回りの動きよりも、2年債利回りのそれに反応する展開が見られる。

今週の米債市場は、経済指標の内容でトレンドが左右される可能性がある。今日は、個人消費の動向を考える上で重要な住宅関連指標(6月住宅着工件数 / 同月建設許可件数)が発表される。建設資材の高騰とそれに伴う住宅価格の上昇、そして住宅ローン金利の上昇(30年物固定金利は平均5.51%まで上昇中)を受けてなお、住宅関連指標が強い内容となれば、連邦準備制度理事会(FRB)の大幅利上げのスタンスが維持されるとの思惑をベースに、米国債利回りは上昇で反応することが予想される。このケースでは、ドル円(USDJPY)の上昇を想定しておきたい。

逆に、住宅関連指標が総じて市場予想以下の内容となれば、個人消費の減速懸念が意識され、米国株が下落で反応する可能性がある。さえない経済指標と米国株の下落は、米債買い(金利低下)の要因となろう。

よって後者のケースでは、ドル円の調整相場(下値トライ)を想定しておきたい。

米金利のチャート

米金利のチャート TradingView 1時間足(今年5月以降)


・ドル円 今週のチャートポイント

今週もドル円(USDJPY)が上昇トレンドを維持する場合は、2つのレジスタンスポイントに注目したい。

ひとつは、フィボナッチ・プロジェクション76.4%の水準139.12レベルである。先週14日の市場では、この水準を一時突破する局面が見られた。しかしローソク足の実体でレジストされ、その後連日で陰線が示現している。これら一連の動きを日足チャートで確認すると、テクニカルの面で139.12レベルがレジスタンスポイントとして意識されていることがわかる。

もうひとつのレジスタンスポイントは、7月14日の高値139.38レベルである。米国債利回りの上昇やリスク選好相場をベースに139.38レベルの突破に成功する場合は、140.00トライのシグナルと想定しておきたい。

一方、下値の焦点は21日移動平均線(MA)の維持で変わらず。このMAは今月に入り、サポートラインとして相場を下支えしている。今日現在、136円ミドルの水準で推移している。グローバル市場(特に米国市場)がリスク回避相場となる局面では、21日線トライの可能性を意識したい。

ドル円のチャート

ドル円のチャート TradingView 日足(今年3月以降)

ユーロドル 今週の焦点とチャートポイント

・戻り売りを警戒

今週21日(木)に欧州中央銀行(ECB)理事会が開催される。インフレの高進(6月消費者物価指数が前年同月比で8.6%上昇)を抑制するためECBは、11年ぶりに利上げに踏み切ることが予想される。

だが、ロシアーウクライナ紛争の長期化とその悪影響(例えば欧州委員会はロシアがEUへの天然ガス供給を止める場合、域内のGDPが最大で1.5%押し下げされる可能性を示唆-Bloomberg)を考えるならば、今のECBは、米FRBように積極利上げを行える状況にない。

よってECBイベントでユーロドル(EURUSD)が上昇しても、景気の先行きリスクと米欧の利上げペースの差を考えるならば、戻り売りを警戒したい。



・1.02と21日MAの攻防

ユーロドル(EURUSD)は、パリティ水準付近でサポートされる展開が続いている。昨日は1.0201レベルまで反発した。しかし上ヒゲで戻りが止められた。今月7日の相場でも同じ展開が見られたことを考えるならば、1.02レベルがレジスタンスポイントの候補として浮上してきた。

ユーロドルが1.02レベルを突破しても、6月の戻りを止めた21日移動平均線(MA / 今日現在1.03レベル)が控えている。現在のユーロドルは、これらチャートポイントやテクニカルラインでの反落を想定しておく局面にある。



・0.99台 2つのサポートポイント

ユーロドルが下落基調を維持する場合は、パリティ水準以下への攻防シフトを意識したい。この展開となる場合、目先のサポートポイントは2つある。

ひとつは今月14日の安値0.9952レベルである。

もうひとつは、フィボナッチ・プロジェクション161.8%の水準0.9922レベルである。後者のテクニカルポイントを完全に下方ブレイクする場合は、ユーロドルの下落幅拡大を予想する。

ユーロドルのチャート

ユーロドルのチャート TradingView 日足(今年5月下旬以降)

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