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ユーロ円、今週の展望と注目しておきたいチャートポイントについて

今週のユーロ相場は、週前半に開催されるECBフォーラムでのラガルド総裁の発言と週後半に発表される6月の物価指標で上下に振れる展開が予想される。今週のユーロ円の見通しは?注目のチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。

出所:ブルームバーグ 出所:ブルームバーグ

※今週のドル円の見通しについてはこちらのレポートをご覧ください


サマリー

・今週のユーロ相場、週前半はECBフォーラムでのラガルド発言で動く可能性あり
・今週後半は6月の物価(インフレ)指標がユーロ相場の変動要因となろう
・欧州中央銀行(ECB)による利上げ長期化の観測はユーロ円のサポート要因に
・ユーロ円が上値を試す場合は、2つのレジスタンスポイントの攻防に注目したい


今週のユーロ相場を動かす2つの注目材料

ECBフォーラムでのラガルド発言

こちらのIG為替レポートで取り上げたとおり、今週前半はECBフォーラムが開催される。

インフレの見通しと金融政策の動向、そして利上げ政策の影響を受けた経済の見通しに関するラガルド総裁の言動がユーロ相場の変動要因となる可能性があろう。

6月のユーロ圏消費者物価指数

また、今週30日にユーロ圏の6月消費者物価指数が発表される。市場予想は前年同月比で5.6%と、5月の6.1%から低下する見通しとなっている。しかし、基調的なインフレ動向を示すコア指数は同比で5.5%と、5月の5.3%から上昇する見通しである。

短期金融市場(OIS市場)では、7月の欧州中央銀行(ECB)理事会での追加利上げを完全に織り込む状況にある。よってECBの政策動向の焦点は、9月以降の理事会でもラガルドECBが利上げ姿勢を維持するかどうか?この点にある。

現在のところ短期金融市場では、9月会合での追加利上げ確率を60%台まで織り込んでいる。6月のコア指数で域内のインフレ圧力の根強さが確認される場合は、9月の理事会でも追加の利上げを完全に織り込む状況となろう。また、英中銀(BOE)と同じくECBも今年1年を通して利上げ政策が維持される状況が意識されよう。

ECB政策金利(中銀預金金利)の予想推移

ECB政策金利(中銀預金金利)の予想推移 ブルームバーグのデータをもとに作成 / 6月26日 8時時点


6月のコア指数でラガルドECBによる利上げ長期化の思惑がさらに高まれば、外為市場では日欧中銀の政策スタンスの差がより強く意識されることで、ユーロ円(EURJPY)の押し上げ要因となろう。また、ユーロ円の反落局面ではサポート要因となろう。

一方、6月のコア指数でインフレの鈍化傾向が確認される場合は、9月以降の追加利上げの可能性がひとまず後退することが予想される。ゆえに、外為市場では短期間で進行した「ユーロ高/円安」の調整相場(反落)が予想される。

さえないコア指数に欧米株式の下落が重なる場合は、ユーロ円の調整幅が拡大する展開を想定しておきたい。


レジスタンスポイントの候補は2つ

今週、ユーロ円(EURJPY)がさらに上値をトライする場合は、2つのレジスタンスポイントに注目したい。

ひとつは、V計算値の水準157.09レベルである。先週22日の相場では、この水準の手前で上昇が止められた(高値156.93レベル)。

ユーロ円が157.09レベルを完全に上方ブレイクする場合は、N計算値の水準158.67レベルが次のレジタンスポイントの候補に浮上する。157.00(V計算値の水準)前後での “サポート転換” が確認される場合は、ユーロ円が158円台(158.67レベル)を目指すシグナルと想定しておきたい。

ユーロ円のチャート:日足

ユーロ円のチャート:日足 Tradingviewの日足:23年3月以降

反落局面でのチャートポイントは?

だが、上の日足チャートでユーロ円(EURJPY)のトレンドを確認すると、ストキャスティクスとRSIはともに「買われ過ぎ」の状況にある(日足チャート赤ゾーンを参照)。

日米の株式市場でにわかに株高の調整ムードが漂い始めている状況も考えるならば、今週のユーロ円は調整の反落を挟みながら、上で述べた2つのレジスタンスポイントの候補をトライする展開を想定しておきたい。

強いアメリカの経済指標による米ドル買い(ユーロドルの下落)や日米株高の調整による円買いでユーロ円が反落する場合は、フィボナッチ・リトレースメント23.6%の水準154.97レベル、154.00レベルそして153.00レベルでの攻防に注目したい。

これら3つのチャートポイントは、6月の連邦公開市場委員会(FOMC)以降、相場の反落を止めた経緯がある(下の4時間足の矢印を参照)。

フィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準153.75レベルの下方ブレイクは、153.00をトライするシグナルと想定しておきたい。

ユーロ円が152円台の攻防へシフトする場合は、直近高安の半値戻し152.77レベルの “サポート転換” が焦点となろう。

このレベルが “サポート転換” に失敗する場合は、リスク回避相場による米ドル買いと円買いが同時に発生している状況が考えられる。ゆえに、ユーロ円が152円レベルをも下方ブレイクするムードが高まる場合は、節目の150.00レベルを目先の下限と想定し、フィボナッチ・リトレースメント61.8%戻しの水準151.79レベルおよび76.4%の水準150.58レベルで反転するかどうか?を確認したい。

ストキャスティクスやRSIで相場の過熱感(売り買いの過熱感)を確認しながら、上で述べたサポートポイントでユーロ円が反転するタイミングを計りたい。

ユーロ円のチャート:4時間足

ユーロ円のチャート:4時間足 Tradingviewの4時間足:6月以降

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