ユーロ円、今週の展望とチャートポイントについて
日欧中銀の金融政策スタンスの差が意識され、ユーロ円は157円台の攻防へシフトしている。しかし、今週のユーロ円は調整の反落相場を警戒しておきたい。その理由は?注目しておきたいチャートポイントは?詳細についてはIG為替レポートをご覧ください。
※今週のドル円の見通しについてはこちらのレポートをご覧ください
※次回のIG為替レポートは、7月5日(水)に配信します。
サマリー
・日欧中銀の政策スタンスの差が意識されユーロ円は157円台へ上昇
・ユーロ円は上昇トレンドにあるが今週は調整の反落を警戒したい
・ユーロ円が下値トライとなる場合は10日MAの攻防が焦点に
・一方、ユーロ円の上昇局面では158.00および158.67の攻防に注目したい
ドル円と同じ状況にあるユーロ円
今週のクロス円では、引き続きユーロ円(EURJPY)に注目したい。
現在のユーロ円は157円台の攻防へシフトするも、158.00レベルが新たなレジスタンスの水準として意識される状況にある。
日銀と欧州中央銀行(ECB)の金融政策スタンスの差が意識されている状況はドル円(USDJPY)と同じだが、通貨オプション市場のリスクリバーサルでもドル円と同じ状況が見られる。
この点を下のラインチャートで確認すると、先週以降、1ヶ月のそれがユーロ・プットへ急速に傾いていることが分かる(下チャートのグレーゾーンを参照)。現在はその傾向が止まるムードにあるものの、ドル円が145円を超えてなおも上値をトライする場合は、円買い介入に対する警戒感が高まりやすい状況にある。
現在のユーロ円(とドル円)のリスクリバーサルの動きは、この点を警戒している可能性がある。
また、テクニカルの面では、ストキャスティクスやRSIのオシレーター指標で短期的な過熱感(買われ過ぎ)の状況が続いている(一番下の日足のテクニカルチャートを参照)。
ユーロ円とリスクリバーサルのチャート
さらに注目しておきたいのがユーロドル(EURUSD)の動きである。直近のユーロドルは1.10レベルで反発が止められた。その後は、ジリジリと水準が切り下がる状況にある。
また、テクニカルの面では10日MA(今日現在1.0920レベル)で相場の戻りが止められる状況にあり、ストキャスティクスは買われ過ぎの水準から低下トレンドを維持している。
現在のユーロドルの動向も、ユーロ円の反落相場の要因となる可能性がある。
ユーロドルのチャート:日足
反落局面でのチャートポイント
今週のユーロ円(EURJPY)が予想どおりに調整の下値トライとなる場合は、10日MA(今日現在156.76レベル)の維持が焦点となろう。この移動平均線はレジスタンスとしてもサポートとしても意識された経緯がある。現在はサポートラインとして意識されるかどうか?を確認する状況にある。
ユーロ円が10日MAを完全に下方ブレイクする場合は156.00レベル、155.00レベルと1円レンジでサポートの水準を見極める展開となろう。
6月23日に長い下ヒゲが示現し、ユーロ円は155.00レベルで反発した(この時の安値は155.06レベル)。この動向を重視するならば、ユーロ円が10日MAを完全に下方ブレイクする場合は、155円までの調整(反落)相場を想定しておきたい。
上昇局面でのチャートポイント
一方、ユーロ円(EURJPY)が上値をトライする局面では、158.00レベルの突破が焦点となろう。
実際にユーロ円が158円台の攻防となる場合、最初に注目したいレジスタンスの水準がN計算値の水準158.67レベルである。
上で述べた反落相場の予想が外れ、ユーロ円がこの水準(158.67レベル)の突破にも成功する場合は、地合いの強さを市場参加者に印象付けよう。このケースでは、節目の160.00レベルを視野に上昇幅が拡大する可能性が高まろう。
ユーロ円のチャート
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