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インフレの動向と9月以降のFOMC / ドル円とユーロ円 今週のチャートポイント

今週の注目材料は5月米CPIと米国市場の反応。ドル円は重要レジスタンスポイント131.34レベルのトライ&ブレイクが焦点に。140円台へ到達したユーロ円。次のレジスタンスポイントは?詳細はマーケットレポートをご覧ください。

出所:ブルームバーグ 出所:ブルームバーグ

インフレの動向と9月以降のFOMC


【サマリー】
・米金融政策に関する市場の関心は9月以降のFOMCへ
・米利上げペースはインフレの動向次第 今週は5月CPIが材料視される可能性あり
・5月CPIでインフレ鈍化が確認されるならば米ドル売りを予想
・5月CPIでインフレリスクが高まれば米ドル買いを予想
・ドル円のチャートポイントについて
・ユーロ円のチャートポイントについて


インフレ動向と9月以降のFOMC

5月の米雇用統計が力強い内容となったことを受け、短期金融市場ではインフレの抑制を重視する米連邦準備制度理事会(FRB)が6月と7月の連邦公開市場委員会(FOMC)で0.5ポイントの利上げを決定することを完全に織り込んでいる。
ゆえに米金融政策に関する各市場の関心は、9月以降の利上げペースにシフトしている。この点について現時点での短期金融市場の織り込み度合いを確認すると、9月のFOMCでFRBが0.25ポイントの利上げを行う確率は31%となっている。一方、0.5ポイントのそれは69%である。先週は0.25ポイントの利上げが予想されていた。しかし5月雇用統計の結果を受け、FRBが現在の利上げペースを維持する可能性が短期金融市場では意識され始めている。
実際の利上げペースはインフレの動向に左右されるだろう。市場の思惑も同様である。ゆえにインフレ関連指標は、米国債利回りと米ドル相場の変動要因にもなろう。

今週10日に5月の消費者物価指数(CPI)が発表される。インフレの鈍化が確認されるならば、米債市場では9月以降のFOMCで金融引き締めペースが緩和するとの思惑が高まる可能性がある。このケースでは、米国株の上昇が予想される。米国市場が「利回りの低下/株高」となれば、外為市場では米ドル売り優勢の展開を予想する。対照的に欧州通貨や資源国通貨は対米ドルで上昇する展開が予想される。

一方、5月CPIの内容が米債市場の参加者にインフレリスクを意識させる内容となれば、利回りには上昇の圧力が高まることが予想される。インフレリスクは金融引き締めリスクを株式市場の参加者に意識させることから、米国株は下落することが予想される。米国市場が「利回りの上昇/株安」という典型的なリスク回避相場となれば、外為市場では米ドルと日本円の買い圧力が高まろう。5月米雇用統計後の動き(=米ドル買い)を考えるならば、現在は米国債利回りの上昇圧力を土台とした米ドル買いの圧力が、円買いのそれを上回ることが予想される。

米CPIの推移

米CPIの推移

ドル円 今週のチャートポイント

・131.34のトライ&ブレイク

インフレリスクとFRBの金融引き締めスタンスが意識され、米債市場では再び利回りに上昇の圧力が高まりやすい状況にある。よって今週のドル円(USDJPY)は、131円台への再上昇が焦点となろう。
131円台の攻防で最も注目したいのが、現時点での最高値131.34レベル(5/9高値)のトライ&ブレイクである。これを達成する場合、次の焦点は132円のトライとなるだろうが、フィボナッチ・プロジェクションでは161.8%の水準133.49レベルが新たなレジスタンスポイントの候補として挙がる。
通貨オプション市場のリスクリバーサルでは、ドル円の地合いの強さを意識する状況が見られる。

・129.50と21日線の維持

ドル円(USDJPY)の下落局面では、129.50レベルの維持を目先の焦点と想定しておきたい。今月2日は陰線引け(日足ローソク足)となったが、129.50で相場がサポートされた経緯がある。
ドル円が129.50レベルを完全に下方ブレイクする場合は、21日移動平均線(SMA)をトライする可能性を意識したい。21日線は今月1日に相場をサポートした経緯がある。上記2つのサポートポイントで相場が反転する場合は、ドル円の上昇トレンド維持を想定したい。

ドル円のチャート

ドル円のチャート

ユーロ円 今週のチャートポイント

・次の焦点は142.30レベル

ドル円(USDJPY)の上昇につれ高し、ユーロ円(EURJPY)は予想どおり140円台の攻防へシフトしている。
目先の焦点は、新たなレジスタンスポイントを見極めることにある。まずは140.50レベルそして142.00レベルがその候補として挙がるが、フィボナッチ・プロジェクションでは61.8%の水準142.30レベルが新たなレジスタンスポイントの候補になり得ることを示唆している。

・138円台の維持

一方、ユーロ円(EURJPY)が反落する場合の焦点は、138円台の維持となろう。5月31日に破られるまでこの水準は、レジスタンスのポイントとして意識されてきた。その水準がサポートへ転換すれば、地合いの強さを市場参加者に印象付けよう。
ユーロ円が138円以下の攻防へシフトしても短期サポートラインを維持する限り、調整の反落と想定しておきたい。このラインは現在、50日移動平均線(EMA)と並行している。5月20日以降、50日線は相場をサポートするラインとなっている。

ユーロ円のチャート

ユーロ円のチャート

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