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ポンド円の見通しとテクニカルポイントについて

英中銀は利上げ姿勢を維持するもポンド円は徐々に水準を切り下げる状況にある。日英の金融政策スタンスの差はポンド円のサポート要因だが、目先は168円割れを警戒したい。今週、注目しておきたいチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。

出所:ブルームバーグ 出所:ブルームバーグ

※ドル円の見通しについてはこちらのレポートをご覧ください


BOEは利上げ姿勢を維持

英中央銀行(イングランド銀行, BOE)は5月11日、政策金利を4.25%から4.50%に引き上げた。

英国では食品価格が高止まりしている。賃金も強い伸びを示しているが、物価の上昇率にその伸びが追い付いていない状況を考えるならば、英国内では今後もストライキが頻発することが予想される。このような英国経済を取り巻くの情勢はインフレの低下を阻む要因となり得る。ゆえにBOEは今後の情勢次第で、金融政策のさらなる引き締めが必要になるとの姿勢を維持している。

短期金融市場では現状、BOEが4.8%台まで政策金利を引き上げることを織り込む状況にある。

政策金利の予想推移

政策金利の予想推移 OIS市場の織り込み状況 / 5月15日 8時時点

ポンド円は168円割れを意識する状況に

BOEが追加利上げの姿勢を維持する一方、植田日銀は金融緩和政策の維持を表明している。日英の金融政策スタンスの差を考えるならば、ポンド円(GBPJPY)は上値を目指す展開となってもおかしくない。

しかし、ポンド円のトレンドをラインチャートで確認すると、上値の水準がジリジリと切り下がっていることがわかる。そしてリスクリバーサルでは、1ヶ月(1M)のそれがポンド・プットに傾き始めている。

BOEの利上げ姿勢はポンド相場のサポート要因になり得るが、それが市場で徐々に織り込まれていることも事実である。ゆえに株式市場の動向次第では、ポンド円が168円を割り込む展開を警戒しておきたい。

ポンド円とリスクリバーサルのチャート

ポンド円とリスクリバーサルのチャート 日足:年初来

下落局面でのチャートポイント

ポンド円(GBPJPY)は現在、21日MA(168.57レベル)を意識する状況にある。また、MACDではデッドクロスが示現し、ポンド円の上昇圧力が後退していることを示唆する状況にある。ポンド円が21日MAを下方ブレイクする場合は、5月に入り相場をサポートしている168.00をトライする展開が続くだろう。

株安などの要因でポンド円が168.00を完全に下抜ける場合は、下落幅の拡大を警戒したい。このケースでは、フィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準166.96レベル(167円)の攻防が次の焦点として浮上しよう。

ポンド円が167円台の維持にも失敗する場合は、4月にレジスタンスからサポートへの転換が確認されている165.30レベルまでの下落を警戒したい。この水準(165.30レベル)は3月安値158.27レベルと5月2日高値172.33レベルの半値戻しにあたる。また、現在は50日MAが165.33レベルまで上昇している。テクニカルの面で165.30レベルは、重要なチャートポイントとして意識しておきたい。

ポンド円のチャート

ポンド円のチャート TradingViewの日足:23年3月以降

上昇局面でのチャートポイント

一方、ポンド円(GBPJPY)の上昇局面では、169.70前後の攻防に注目したい。先週の後半は、このレベル前後で何度も上昇が止められた経緯がある。直近の半値戻し169.50レベルの突破は169.70トライのシグナルと想定しておきたい。

ポンド円が169.70レベルを完全に突破する場合は、フィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準169.89レベルおよび76.4%の水準170.38レベルの攻防が焦点として浮上しよう。先週9日以降の動向を考えるならば、後者の170.38レベルの “レジスタンス転換” に注目したい。

上で取り上げたレジスタンスポイントでポンド円が反落する場合は、短期サポートラインの攻防に注目したい。このラインの下方ブレイクは、168.00をトライするシグナルとして警戒しておきたい。

分足単位で相場の過熱感を把握する場合は、RSIを軸に他のオシレーター指標を併用したい。

ポンド円のチャート

ポンド円のチャート TradingViewの15分足:5月10日以降

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