ECBイベント後のユーロ円に注目 / ドル円は135円トライが焦点に
円安が加速。今日はECB理事会とユーロ円の動きに注目。今回の理事会がユーロ買いイベントになれば、ユーロ円は急伸する可能性あり。ドル円もつれ高する展開が予想される。目先、注目したい上下のチャートポイントは?詳細はマーケットレポートをご覧ください。
ECBイベントとユーロ円
【サマリー】
・今日の外為市場はECB理事会とユーロ相場の動向が焦点に
・ラガルドECBがタカ派スタンスを示す場合、ユーロ相場の上昇を予想
・特にユーロ円は日欧の金融政策スタンスの差が意識され上昇幅が拡大する可能性あり
・現実味を帯びるドル円の135円トライ
・ラガルドECBの利上げスタンス
8日の外為市場でユーロ円(EURJPY)は 、2015年1月以来となる144円台へ上昇する局面が見られた(高値144.25)。対照的にユーロドル(EURUSD)は1.0750レベルがレジスタンスポイントとして意識されている。日欧の金融政策スタンスの差が強く意識されているがゆえの対照的な値動きと考えることができる。
今日は欧州中央銀行(EBC)理事会が開催される。焦点はラガルドECBの利上げスタンスにある。短期金融市場では、現在マイナス0.5%にある預金ファシリティ金利が、9月にプラスになることを織り込む動きが見られる。しかし、インフレが高進し続けている(前年同月比で8.1%まで上昇している)状況を考えるならば、ラガルドECBは7月に0.5ポイントの利上げを行ってくる可能性は否定できない状況にある。今回の理事会でラガルドECBがインフレの見通しを引上げあると同時に大幅利上げのシグナルを送ってくる場合、ユーロ相場は急伸すると予想する。
・ユーロ円の動きに注目
ECBイベント後のユーロ相場で特に注目したいのが、冒頭で述べたユーロ円(EURJPY)である。昨日はフィボナッチ・プロジェクション76.4%(144.59)の手前で上昇が止まった。しかし、138円のレジスタンスポイントやフィボナッチ・プロジェクション61.8%をあっけなく上方ブレイクした状況を考えるならば、日欧の金融政策スタンスの差を土台とした上昇の圧力は相当強い。その強さがECBイベントでさらに高まる場合は、76.4%の水準をあっさりと突破しよう。
・ユーロ円がさらに上昇する場合は
ユーロ円(EURJPY)がさらに上値トライとなる場合は、2014年後半(11月下旬~12月中旬)にユーロ円の上昇を抑制した148.00レベルが次のレジスタンスポイントとして浮上する。テクニカルの面ではフィボナッチ・プロジェクション100.0%の水準148.27レベルのトライ&ブレイクが焦点となろう。この水準をもブレイクする展開となれば、2014年の高値149.78および節目の150.00を視野に上昇幅がさらに拡大することが予想される。
ユーロ円のチャート
ドル円は135円が視野に
・現実味を帯びる135円のトライ
ECBイベント後にユーロ円(EURJPY)が急伸する場合、その影響はドル円(USDJPY)にも波及しよう。
そのドル円だが、昨日はあっさりと134円台へと上昇した(高値134.48)。日米金融政策スタンスの差を意識した上昇圧力の強さと日足チャートの動きを考えるならば、多くの市場参加者が注目する135円のトライが現実味を帯びてきた。昨日の高値134.47レベルの突破は、135.00トライのシグナルと想定しておきたい。
なお、135.00は2002年1月と2月の高値水準となる。1月の高値は135.16レベル、2月のそれは135.02レベルだった。
ドル円のチャート
・新たなサポートポイントは?
一方、ドル円(USDJPY)が反落する場合は、新たなサポートポイントの水準を見極めることが焦点となろう。現状その候補として浮上するのが、このレポートで指摘してきた5日移動平均線(SMA)である。このSMAは今日現在、132.78レベルで推移している。
サポートラインの5日線を下方ブレイクする場合は、ドル円の下落幅拡大を警戒したい。次のサポートポイントとして注目したいのが、131.34レベルである。今月6日に破られるまでこの水準はレジスタンスポイントとして意識された。その水準がサポートポイントへ転換する場合は、調整の反落から上昇トレンド回帰のシグナルとなり得る。
ドル円が131.34レベルを完全に下方ブレイクする場合は、2つの短期サポートラインの攻防が焦点として浮上しよう。だが、目先注視すべきは135円のトライである。短期サポートラインが意識される局面は、6月下旬以降(131.34レベルと交錯するタイミング)になる可能性が現時点では高い。
ドル円のチャート
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