オミクロンリスクは後退するも115円トライには慎重なドル円 / レンジ相場のユーロドル 戻り売りを意識する状況が続く
サマリー:「オミクロンリスクの懸念が後退し投資家のリスクセンチメントは改善傾向にある。ドル円は115円トライが焦点。鍵は米金利の動き。ユーロドルは戻り売りを警戒する局面が続く。上下のチャートポイントは?」詳細はマーケットレポートをご覧ください。
オミクロンリスクは後退するも115円トライには慎重なドル円
・オミクロンリスクは後退中 強気に傾くリスクセンチメント
28日の米国株市場は、強弱まちまちの展開となった。テック株や半導体株が売られ、S&P500指数(SPX)とナスダック指数が反落した一方、ダウ平均(DJI)は5日続伸の展開となった。
この日はバリュー株が幅広く買われた。特に注目されるのが、新型コロナウイルスの悪影響をもろに受ける航空株とクルーズ株の動きである。これらの株式は先週以降、調整の反落を挟みながらジワリと株価の水準が切り上がっている。この動きはオミクロンリスクの後退を示唆している。
今年は、早くも先週から「サンタクロース・ラリー」となっているが、通常このラリーの対象期間は年末最後の5営業日と年明け最初の2営業日である。オミクロンリスクが後退していることを考えるならば、ラリーの継続で米国株は短期的な株高トレンドを維持する可能性がある。
オミクロンリスクの後退は、NY原油先物価格(WTI)も示唆している。昨日は一時、1バレル=76.92ドルと1カ月ぶりの高値を付ける局面が見られた。
リスク資産価格の上昇で投資家のリスクセンチメントが強気に傾いていることを考えるならば、外為市場ではクロス円を中心に円安優勢の展開が続くことが予想される。事実、先週から上昇基調へ転じたリスク資産(株式や資源価格)の動きに連動するように、対主要通貨で円安の圧力が高まっている。
円相場のパフォーマンス(12月20日~28日)
・115円トライに慎重なドル円
リスク選好ムードが続いている間、ドル円(USDJPY)は上値トライを意識したい。しかし、株高のみでは上昇幅の拡大は期待できない。事実、昨日のドル円は115円手前では慎重ムードが漂い、114.94レベルで上値が止められた。
また、リスクリバーサル(1週間)はジリジリとドルプットへ傾いている。ドル円の115円トライおよび突破のためには、株高だけでなく米金利の上昇も条件となる-昨日はこの点を示唆する動きだった。
その米金利だが、現在は年末の時期にあり米債市場の商いが細っている。今日は7年債と2年物変動利付債の入札があるが、市場参加者が少ないことを考えるならば、米債市場が大きく動く可能性は低い。よって今日のドル円は114円後半を中心としたレンジ相場、もしくは調整の反落を想定しておきたい。
ドル円が下値トライとなっても、米国株の上昇やNY原油先物価格が反発基調にあること(リスク資産の上昇)を考えるならば、下落幅は限定的と予想する。
サポートポイントの候補114.00や114.25前後、もしくは10日SMA(今日現在114.23レベル)レベルでは、押し目買いを意識したい。
ドル円のチャート
レンジ相場のユーロドル 戻り売りを意識する状況が続く
・上値の重さはECBの政策スタンスに起因
28日のレポートで取り上げたポンドドル(GBPUSD)は反発基調にある。一方、ユーロドル(EURUSD)はレンジ相場に陥っている。
米株高でも長期金利が上昇しない状況では、米ドル買いは抑制されやすい。しかし、このような状況にあってもユーロドルは1.1340-60ゾーンで戻りが止められている。
この主因は、やはりラガルドECBの政策スタンスにある。パウエルFRBやベイリーBoEが主要中銀の中でいち早く金融政策の正常化に向けて動き出しているのとは対照的に、ラガルドECBは現状2022年中の利上げに否定的なスタンスを貫いている。故にユーロは、対ポンドでも再び下落トレンドにある。
・目先のチャートポイント
インフレと新型コロナウイルスの情勢次第では、来年にラガルドECBのスタンスが激変する可能性はある。しかし目先、その可能性は低い。よって、今週のユーロドルは上で述べたレジスタンゾーン(1.1340-60レベル)で戻りが止められる展開を想定しておきたい。
このゾーンの突破に成功しても、フィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準1.1378および50日EMA(今日現在1.1387レベル)で反落する可能性を意識しておきたい。
一方、ユーロドルが反落する場合は、先週21~22日に相場をサポートした1.1260前後、そして11月30日以降、サポートポイントとして意識されている1.1230前後の維持が焦点となろう。
ユーロドルのチャート
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