焦点は米中の指標データ
週明けのドル円は107円台でスタートしています。今週も株式市場の動向に左右される展開が予想されます。その株式市場では、米中の指標データがトレンドの決定要因となるでしょう。詳細はマーケットレポートにて。
今週のトレンド決定要因は指標データ
米国株式のパフォーマンスを考える上で重要指標となるのがS&P500である。ボラティリティ(=20日間の標準偏差を年率換算した変動率)を確認すると、24%台まで急上昇している。2018年以降、この水準付近まで上昇した後に一度ボラティリティが低下するパターンが3度確認できる。また、2月28日のローソク足(日足)の形状を確認すると、長い下ヒゲが示現している。前者のトレンドパターンは、現在が急落の短期的な買戻し局面にあることを示唆し、後者の形状は米国株式市場の参加者が押し目買いを虎視眈々と狙っていることを示唆している。
米株のトレンド決定要因として今週注視すべきは、米中の重要指標データである。本日は2月 の中国Caixin製造業購買担当者景気指数(予想45.7)と同月の米国ISM製造業景況指数(予想50.4)が発表される。先月末に発表された2月の中国製造業購買担当者景気指数は35.7、非製造景気指数は29.6と、それぞれ過去最低となった。本日発表される米中指標データが総じて冴えない内容となれば、米株は先週の流れを引き継ぎ、下値トライの展開となろう。米債券市場では金利の低空飛行状態が続こう。米国市場でのリスク回避相場は外為市場での円高圧力をさらに高めよう。逆に上記の指標データが総じて良好な内容となれば、米株は押し目買い優勢の展開を予想する。外為市場では円高圧力が後退しよう。
S&P500とボラティリティ
今週のドル円も上下に変動する展開を予想
ようやく動きが出てきたドル円だが、インプライドボラティリティ(1週間)が11%台まで上昇している状況を考えるならば、今週も上下に変動する展開を予想する。リスクリバーサル(1週間)が未だ下落基調にあることを考えるならば、警戒すべきはダウンサイドリスクである。目先の焦点は107円台の維持だが、「冴えない米中の指標データ → 株安」を背景に106円台へ下落する場合、昨年10月上旬に相場をサポートし続けた106.50の維持が焦点となろう。このレベルにはビッドが観測されている。一方、「良好な米中の指標データ → 株式反発」の展開では108円台への再上昇と、フィボナッチ・リトレースメントの23.60%戻し108.20の突破が焦点となろう。
ドル円のインプライドボラティリティとリスクリバーサル
ドル円チャート
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