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【新興国通貨】トルコリラ円の見通し、ドル円のトレンド転換が重しに、焦点は新たな下値水準の見極め

トルコリラの下落が止まらない。米連邦準備制度理事会(FRB)は9月の会合以降、緩和サイクルへ転じるだろう。この点が意識され、外為市場では米ドル安が進行している。それでもトルコリラは、対米ドルで下落する状況にある。そしてドル円がトレンドの転換点にあることで、対円でもトルコリラの下落幅が拡大している。目先の見通しは?注目のチャート水準は?

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記事のポイント

・米FRBの金融政策は9月以降、緩和サイクルへ転換するだろう
・米ドル安が進行するなかでも、トルコリラは下落基調にある
・ドル円のトレンド転換を受け、対円でもトルコリラの下落幅が拡大している
・トルコリラ円、目先の見通しと注目のチャート水準について


トルコリラの下落が止まらない

米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策は、9月の連邦公開市場委員会(FOMC)以降、緩和サイクルへ転じることが予想される。短期金融市場では、今年の12月末までにFRBが政策金利を1%超引き下げる可能性を織り込む状況にある。

FRBの政策転換が意識され、外為市場では8月以降、米ドル安が進行している。米ドル相場のトレンドを示すドル指数(DXY)は昨日、昨年7月20日以来の水準100.51レベルまで下落する局面が見られた。

その米ドルよりも弱気相場にあるのがトルコリラである。月初来の米ドル相場のパフォーマンスを確認すると、メキシコペソとトルコリラで米ドル高優勢の状況にある。一方、その他の主要通貨では米ドル安が進行している。トルコリラの弱気地合いの強さを下のパフォーマンスチャートは示唆している。

米ドル相場のパフォーマンス:8月以降

米ドル相場のパフォーマンス:8月以降 ブルームバーグの為替データで筆者が作成 / 8月27日時点

トルコが抱える貿易赤字の問題

今日は、トルコの7月貿易収支が発表される(日本時間16時)。前月の58.7億ドルから72.0億ドルに赤字額が増加する見通しにある。

トルコは恒常的な貿易赤字の問題に直面している。特に2021年以降、その額が拡大の傾向にある。2020年初頭に発生したコロナパンデミック以降、貿易赤字が縮小する局面では、経常収支が黒字へ転じる局面が見られた。直近では6月に4.1億ドルの経常黒字となった。しかし、貿易赤字の体質から完全に脱却できない限り、経常収支が恒常的に黒字を維持することは難しいだろう。

トルコリラは国際収支以外にも、長引く高インフレやマイナスで推移している実質金利などの売り要因に直面している。この状況で7月の貿易赤字額が予想以上となれば、トルコリラ売りを警戒したい。

トルコ 貿易収支/経常収支:月次 2019年以降

トルコ 貿易収支/経常収支:月次 2019年以降 ブルームバーグのデータで筆者が作成

トルコリラ円の見通しとチャート分析

重しとなるドル円のトレンド転換

ドル円(USD/JPY)は現在、トレンドの転換点にある。この点を週足チャートで確認すると、52週線や2023年1月の安値を起点としたサポートラインのみならず、3年間にわたり続いた「米ドル高・円安」を象徴する21年9月の安値を起点としたトレンドラインをも下方ブレイクする状況にある(下の週足チャート、黒矢印を参照)。

対米ドルでトルコリラの下落が止まらない以上、トルコリラ円(TRY/JPY)の上昇はドル円頼みとなる。しかし、そのドル円が重要なトレンドラインをことごとく下方ブレイクする状況は、対円でもトルコリラの下落幅が拡大する要因となっている。

ドル円:週足 2021年以降

ドル円:週足 2021年以降

出所:TradingView

注目の下値水準

トルコリラ円(TRY/JPY)のトレンドを4時間足チャートで確認すると、ボックス相場から下落相場へ転じている。8月中旬以降、ドル円の下落幅が拡大している。トルコリラ円も同じタイミングで下落相場へ転じた。ドル円の動向がトルコリラ円のトレンドに大きな影響を与えていることを示唆している。

そのドル円は現在、143円台へ下落している。ゆえにトルコリラ円も、さらなる下値のトライを意識する状況にある。

トルコリラ円の下落局面で注目したいのが、節目の4.0レベルの維持である。この水準はフィボナッチ・エクステンション76.4%水準(4.018)にあたる。この水準をトライするシグナルとして、まずは50.0%水準4.166レベルの攻防に注目したい。

8月5日にトルコリラ円は、安値4.13レベルまで下落する局面が見られた。今日以降4.166レベルのみならず、4.13レベルをも難なく下方ブレイクする場合は、61.8%水準4.10のトライが視野に入ろう。

トルコリラ円が4.10レベルを完全に下方ブレイクする場合は、4.0レベルをトライするシグナルと想定しておきたい。

4時間足のストキャスティクスとRSIはゴールデンクロスへ転じるムードにある。トルコリラ円が4.16レベルや4.13レベルをトライする局面で、これらオシレーター指標で反発のサインが点灯する場合は、トルコリラ円の買いを考えたい。

しかし、FRBの政策転換が意識されても対米ドルでトルコリラは下落し続ている。そして、ドル円はトレンドの転換を意識する状況にある。これらの動向を考えるならば、トルコリラ円の買いは“超”短期の勝負と意識し、リミットやストップでのリスク管理を徹底したい。

トルコリラ円:4時間足 7月26日以降

出所:TradingView

反発の局面では10日線のトライが焦点に

強いアメリカの経済指標が米ドル買いの要因となる場合は、「ドル円の反発→トルコリラ円の反発」を予想する。

上のケースで注目したいのが、レジスタンスのラインとして意識されている10日線のトライである。この移動平均線は今日現在、4.26レベルで推移している(下の日足チャート、緑ラインを参照)。10日線すら突破できない状況が続けば、上で述べたサポート水準のトライそして下方ブレイクを意識する状況が続こう。

一方、トルコリラ円が10日線の上方ブレイクに成功しても、すぐ上には21日線と上値抵抗線が控えている。特に今の下落トレンドを象徴する上値抵抗線を完全に上方ブレイクしない限り、トルコリラ円の下値トライを常に警戒する状況が続こう。

トルコリラ円:日足 24年6月以降

出所:TradingView


トルコリラ円のチャートポイント

上値の水準

・4.36:上値の抵抗線
・4.31:21日線(8/28)
・4.26:10日線(8/28)

下値の水準

・4.16:エクステンション50.0%
・4.13:8月15日の安値
・4.10:エクステンション61.8%
・4.01:エクステンション76.4%


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