コンテンツにスキップする

外国為替証拠金(FX)及びCFD取引はレバレッジ取引であり、元本や利益が保証されていません 外国為替証拠金(FX)及びCFD取引はレバレッジ取引であり、元本や利益が保証されていません

揺れる英中銀の利下げ観測、焦点はコアCPIとサービス価格、ポンド円の展望

今日は英国の5月消費者物価指数(CPI)が発表される。そして明日はイングランド銀行(BOE)の金融政策委員会(MPC)が開かれる。これら重要イベントで、ポンド円は上下に大きく振れる展開が予想される。焦点は201円の攻防にある。


この記事のポイント

・20日の金融政策委員会で英中銀は、7会合連続で金利を据え置くだろう
・目先の焦点は5月CPI、内容次第で8月利下げの思惑を左右しよう
・ポンド円、目先の焦点は201円の攻防
・ポンド買いを仕掛ける投機筋、CPI次第では調整売りの要因に


英中銀は金利据え置き、焦点はコアCPIとサービス価格

イングランド銀行(BOE、中央銀行、以下では英中銀)は今週20日、金融政策委員会(MPC)を開く。7月4日に総選挙が実施されるため、7会合連続で金利を据え置くことが予想される。

ゆえに今回の焦点は、8月以降の政策動向を見極めることにある。短期金融市場が織り込む8月の利下げ度合いは、現時点で40%台にある。市場の利下げ観測を左右する要因として、目先は今日発表される5月の消費者物価指数(CPI)に注目したい。

5月の市場予想を確認すると、総合の前月比が4月の+0.3%から+0.4%へ若干ながら伸びる見通しである。

しかし、英中銀が注視しているサービス価格(前年比)は、4月の+5.9%から+5.5%へ鈍化する予想となっている。同比のコア指数も、4月の+3.9%から+3.5%へ鈍化する見通しである(いずれも下のチャートを参照)。

5月のサービス価格とコア指数でインフレが抑制の傾向にあることが確認される場合は、8月MPCでの利下げ期待が高まるだろう。利下げ期待の高まりは、ポンド売りの要因となろう。

一方、5月CPIでインフレの粘着性があらためて確認される場合は、8月利下げの可能性が後退しよう。このケースでは、ポンド買いを想定しておきたい。

英国 消費者物価指数の動向:23年以降

英国 消費者物価指数の動向:23年以降 ブルームバーグのデータをもとに筆者が作成 / 赤の棒グラフとドット:5月の市場予想

目先の展望と注目のチャート水準

ポンド円の下値は堅い

ポンド円(GBP/JPY)は現在、200円を挟んで売り買いが交錯している。

通貨オプション市場のリスクリバーサルの動向を確認すると、1週間のそれでは一時下落を警戒する向きが見られた。しかし、その動きは一過性で終わった。1か月のリスクリバーサルには大きな変動は見られない。また、予想変動率(1週間 / 1か月)は低い水準で安定的に推移している。

ドル円(USD/JPY)は18日、再び158円へ上昇する局面が見られた(高値158.23レベル)。ドル円の底堅さ、そして植田総裁が7月利上げの可能性に言及※しても円安優勢の状況が続いている状況を考えるならば、ポンド円が下落してもその幅は限定的となることが予想される。

※日銀の植田和男総裁は18日の参院財政金融委員会で、7月会合での利上げについて「場合によっては政策金利の引き上げも十分ありうる」、「国債買い入れの減額と政策金利の引き上げは別のもの」と述べた。

ポンド円のリスクリバーサルと予想変動率の動向:日足 23年以降

ポンド円のリスクリバーサルと予想変動率の動向:日足 23年以降 ブルームバーグのデータをもとに筆者が作成

上昇の局面で注目しておきたいチャート水準

ポンド円(GBP/JPY)の動向を日足チャートで確認すると、21日線がサポートラインとして意識されている(下のチャート、緑ラインを参照)。MACDは低下のトレンドにあるがゼロラインを一気にトライするムードにはなく、次の材料待ちムードが漂う(下のチャート、矢印を参照)。

その材料として目先注目したいのが、上で述べた5月CPIである。すでに述べたとおり、インフレの粘着性が確認される場合は、「8月の利下げ期待が後退→英中銀は早期の利下げに対して慎重姿勢を維持→ポンド高」の展開を予想する。

ポンド円は相場の上昇を止めているフィボナッチ・エクステンション76.4%の水準200.96(201.00レベル)を日足ローソク足の実体ベースで完全に突破することが予想される。

6月14日の高値201.61をも一気に突破する場合は、202円以上の攻防へシフトするサインと捉えたい。

ポンド円が201円を突破した後、反落の局面で201.00前後がサポートの水準へ転換する場合は、地合いの強さを市場参加者に印象付けよう。

201.61レベルの突破、または201.00レベルの「サポート転換」が確認される場合は、フィボナッチ・エクステンション100%の水準203.93レベルを視野に上昇幅の拡大を想定したい。

ポンド円のチャート:日足 3月以降

ポンド円のチャート:日足 3月以降 TradingView提供のチャートで作成

反落の局面で注目しておきたいチャート水準

一方、5月CPIや英中銀MPCがポンド売りの要因となる場合、ポンド円(GBP/JPY)は下値をトライするだろう。このケースでは、上で述べた21日線の維持が最初の焦点となろ。この移動平均線は今日現在、199.75レベルで推移している。

ポンド円がこの移動平均線をトライするサインとして、199.00レベルの攻防に注目したい。この水準では相場が反転する局面が散見されている。上の水準199.18レベルはフィボナッチ・リトレースメント23.6%の水準にあたる(下のチャートを参照)。

ポンド円が21日線を完全に下方ブレイクする場合は、197.30レベルの維持が焦点として浮上しよう。この水準は6月14日の下落相場を止めた経緯がある(下のチャート、赤矢印を参照)。

ポンド円が197円を下方ブレイクする場合は半値戻しの水準196.46レベル、フィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準195.25レベルのトライを警戒したい。後者の水準をトライする場合は、195円の維持を見極める攻防となろう。

時間足のストキャスティクスとRSIで相場の過熱感を追い、これらが買われ過ぎ(売られ過ぎ)の水準でデッドクロス(ゴールデンクロス)の状況にある時、ポンド円が上で述べたチャートの水準をトライする場合は、反落(反発)へ転じる可能性を意識したい。

ポンド円のチャート:4時間足 5月以降

ポンド円のチャート:4時間足 5月以降 TradingView提供のチャートで作成

ポンド買いを仕掛ける投機筋

ポンド円(GBP/JPY)をサポートする要因として、現在注目すべきが投機筋の動きである。

米商品先物取引委員会(CFTC)が提供している非商業部門(投機筋)のポジション動向を確認すると、ポンドは5月下旬以降、買い越し(ネットロング)の状況にある。しかも、ポンド買いのポジションが急速に積み上がる状況にある。

5月下旬以降、ポンドドル(GBP/USD)は上下に振れながらも底堅さを維持し、3月上旬以来となる1.2850レベルまで上昇する局面が見られた。対ユーロ(EUR/GBP)では6月に入り上昇幅が拡大している。そして対円では、201.61まで上昇する局面が見られた。これら一連の動きは、投機筋の動向と一致する。

上で述べた5月の消費者物価指数(CPI) が予想以上に強い内容となれば、投機筋はさらにポンド買いを仕掛けてくるだろう。投機筋のポンド買いは、ポンド円の下支え要因となろう。

一方、急速に積み上がるポンドの買いポジションは短期的な調整売りの可能性も高めている。そのトリガーとなるのもやはり、5月CPI となろう。

CFTC非商業部門のポジション動向:ポンドの取組高

CFTC非商業部門のポジション動向:ポンドの取組高 ブルームバーグのデータをもとに筆者が作成

本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。

IG証券のFXトレード

  • 英国No.1 FXプロバイダー*
  • 約100種類の通貨ペアをご用意

* 英国内でのCFDまたはレバレッジ・デリバティブ取引(英国でのみ提供)での取引実績において、FX各社をメイン口座、セカンダリー口座として使用している顧客の割合でIGがトップ(Investment Trends UKレバレッジ取引レポート 2022年6月)

リアルタイムレート

  • FX
  • 株式CFD
  • 株価指数CFD

※上記レートは参考レートであり、取引が保証されるものではありません。株式のレートは少なくとも15分遅れとなっております。

モーニングメール

ストラテジストによる「本日の予想レンジとトレンド」を毎朝※無料でお届け中! ※メール送信は基本的に月~金の平日を予定しておりますが、ストラテジストの都合により予告なく送信を行わない日がございますので、予めご了承ください

弊社の個人情報保護方針・アクセスポリシーにご同意の上、申し込みください。

こちらのコンテンツもお勧めです

IG証券はお取引に際してお客様がご負担になるコストについて明確な情報を提供しています。

FX/バイナリーオプション/CFDのリーディングカンパニー。IG証券について詳しくはこちら

その日の重要な経済イベントが一目でわかるカレンダー。「予想値」、「前回値」、「発表結果」データの提供に加え、国名や影響度によるイベントのスクリーニング機能も搭載。