英4月CPI、8.2%上昇予想 24日発表 大幅低下でもポンド円は高値か
24日発表の英国の4月のCPIは上昇率が10%を大きく割り込む予想だ。ただしBOEは低下を想定済みで、6月の利上げが見込まれる。
英統計局が24日に発表する4月の消費者物価指数(CPI)の伸び率は前年同月比8.2%と見込まれている。10%超だったこれまでの水準から大きく低下する見込みだ。ただし中央銀行のイングランド銀行(BOE)は4月以降に物価上昇率が下がることを織り込んだうえで、6月の利上げの可能性を示唆しており、予想通りの結果であれば、利上げ路線に大きな影響は出ない公算が大きい。ポンド円相場は22日も7年3か月ぶりの高値を更新しており、ポンド高圧力の強さを感じさせている。
英4月CPIは前年同月比8.2%増へ低下予想
英統計局は24日朝(日本時間24日午後3時)に4月のCPIを発表する。ロイター通信によるエコノミスト調査では、4月の総合指数の伸び率は3月の10.1%から大きく下がる見通し。一方、食品、エネルギー、酒類、タバコを除いたコア指数の伸び率は6.2%と見込まれ、こちらは3月の6.2%から横ばいの水準だ。
英国の総合指数の伸び率は2022年10月につけた11.1%がピークで、その後も10%台で高止まりが続いてきた。4月が8.2%となれば、2022年3月(7.0%)以来の低さとなる。
英中銀は物価低下を想定済み
ただ、物価上昇率2%を目標とするBOEは、4月の物価上昇率の低下を手放しで喜ぶことはなさそうだ。5月の金融政策委員会(MPC)で0.25%の利上げを決めた際、声明文で「CPIは4月以降、急激に低下すると予想される」と指摘しており、想定内の出来事といえるからだ。比較対象の2022年4月の物価水準がすでに高くなっていたことや、英政府の予算措置で物価が抑えられたことなどを要因として挙げており、4月の物価上昇率が下がったとしても物価上昇圧力の強さは変わっていない。BOEは今後の物価上昇率について、「上振れするリスクの方が大きい」と警戒している。
BOEが示している見通しは、現在4.5%の政策金利が10-12月期には4.75%でピークとなり、その後、利下げに向かうことを前提としている。金融情報会社リフィニティブのデータによると、次回MPC(6月22日結果発表)での0.25%利上げについて、投資家の動向から算出される確率は日本時間23日9時30分段階で、8割強となっている。仮に4月の物価上昇率が市場予想よりも上振れれば、利上げ観測はさらに高まることになりそうだ。
ポンド円相場(チャート)はBOEの利上げと、4月に植田和男総裁が就任した日本銀行が引き続き大規模金融緩和を維持するとの見方から、円安ポンド高の流れが続いている。リフィニティブによると、19日には一時、1ポンド=172.56円をつけ、2日連続で2016年2月4日の高値(172.46円)を超えている。
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